4月17日。
6時に島村さんと廊下で充電している誰かのスマホのアラームで起きた。一瞬だけ起きたりみたいなのは何度かあったけどわりと眠れたかな。
目が覚めて洗面所に行こうとしたら、部屋のドア前の椅子で白人のおっちゃんがもう靴紐を結んでいた。でも6時40分を過ぎても同部屋の3人は誰も起きていない。
暖房がついていないので寒かった(そもそも部屋になかったかも)。でも今日は暑くなるみたいだ。Tシャツを買いたいところだが、そうすると荷物は増えてしまう。アンダーシャツだけで歩くのは抵抗がある。
島村さんは起きたけどフランス女性たちは起きないので、電気をつけづらかったし、気付いたら島村さんもまた寝ていた。まあ、彼は今日そんなに急ぐ必要もないしな。
結局7時に島村さんが洗面所に行って、その音でフランス女性2人も起きたのか話し声が聞こえてきたので、そこでやっと電気をつけた。
朝食会場には、カナダ夫妻がいて自宅前の写真を見せてくれた。どうやらカナダは大雪らしい。マリア像前の2人もいたが特に絡みはなかった。
カナダのおばあちゃんはその場から去る際、一瞬視界から消えて、ひょっこりはんのようにまた現れて、ブエン・カミーノ~とお茶目な感じで言った。
二つの目玉焼きをつけると2€高くなる。つまり260円分の目玉焼きセット。す、少しでも多く食べたいからね…。
朝食後に島村さんから「もう会えないと思うんで…」と言われて写真を撮った。撮影はフランス女性のおばちゃんの方。でも到着予定日はほとんど差がないから自分は再会するような気がする。
親子か?と聞かれることがあったが、島村さんは68歳で、長男は40代で、初孫は15歳。むしろ孫に近かったと。
また会うかもしれないけど、いろいろとお世話になりましたとお礼を言って、握手してから別れた。
洗濯物を取り込んでいる間にもっと長く・薄くなっていた飛行機雲。
穴が空いてしまったトレッキングソックスを安全ピンでバックパックに留めた。もしまた使うことがあったとしても、それは最後のいざというときだろうが、濡れ続けた状態では保管場所に困るし。
8時10分。よし、行くかと思ってアルベルゲ前の階段を下りたらリーが目の前で信号待ちをしていて面白かった。昨日はSonokoと同じアルベルゲだったらしい。ってかストック持ってるぞ。買ったのかな。今日の行き先はロス・アルコスということで同じだ。
少し一緒に歩いていたけど、昨日のスーパーマーケットは開いてないかなと一人でちょっと寄ってみた。でも案の定開いていなくて、また道に戻ったら、リーの後ろをロザンカが歩いていた。
スウェーデン夫妻もいたので挨拶をした。地元の人にはブエノスディアスと声を掛ける。(Holaだけよりかなり好感触、反応が全然違うと気付いた)
教会前にあった公衆トイレ。利用はしてないがありがたく貴重な存在だ。
少年たちのグループもいた。大人たちと同じ行程で歩いているなんてタフだし、お利口さんだ。
ワインの泉の案内看板。
確か雑貨などを販売していた店。看板犬は置物ではなく生きている。
ワインの泉を簡単に説明するなら、蛇口を捻ればワインが出てくる場所。ワイン会社が巡礼者のために提供している、ワイン好きにとっては夢のような名所だろう。
右の蛇口からは水が、左からはワインが出てくるようになっていた。
注意書きには、この場で飲む分だけで、持って行くのは購入を、と書いてあるらしいけど、ペットボトルに大量に注いで持ち歩いている人をこの先で見た。後に出会った日本人曰く、味はそこまでだったらしい。(大量に、無料で、提供しているってとこがポイントですね)
少し離れてこのワインの泉を見ていたおばあちゃんに、飲まないんですか?と聞いたら、Noと。Me neitherと笑って、ブエンカミーノ。
島村さんの分が残っていたらいいなと思った。無くなり次第終了らしいから。
ちなみに島村さんはこのワインの泉でワインを飲んで、ちょっと先の町に泊まると言っていた。パンプローナで休みを取る予定だったのに取ってないし、家族からも安めと言われているらしい。泊まるのもアルベルゲじゃ休めないからホテルに連泊すると。
ワインの泉の横は1000年以上も巡礼者をもてなしてきたイラーチェ修道院。いったい何人の巡礼者がここを通ったのだろうか。
それでは先へ進もう。見学してただけなので酔っ払ってはいません。不飲酒戒とかと比べると最高に真逆で面白いな。
ここには分かれ道があり、数人が戸惑っていたら、犬の散歩で通りかかった地元のおっちゃんが、右は少し長いけど平坦な道で、左は少し短いけどアップダウンがある道とジェスチャーで教えてくれた。みんな右に行っているし、自分も右の道を進むことにした。
左側の道の方向を撮ったら、道の違いを教えてくれたおっちゃんとたまに見る顔のパーツが丸い韓国人男子が写った。
モスクワからの女性が前にいて、さっきあなたの友達を見たわよと教えてくれた。小さい子?と聞き返すと、そう、前にいるわと。
ってか彼女、以前ロルカまで行くとか言っていたし、もっと先に進んでるかと思ってたがまた会っちゃったな。
おっと、レカさんがいた。昨日調べていたハンガリー語でおはようの「ヨー レッゲルト キーヴァノク」と言ってみたら驚いたあと、かなり嬉しそうだった。「How could you know that!?」 「Google told me」 という流れになるのも当然。
そっちの言葉ではどう言うの?と質問されたので、オハヨウを教えてあげた。ちょっと話してから、See you aroundと言う彼女を追い越した。
ファンタジーの舞台みたいに壮大な風景だ。雲海も見えているし、こういう景色を目にすることができると来て良かったなと思う。日本でこの景色に似た場所を僕は知らない。
あの上には何があるんだろう。もし山?の上に札所があったとしたらどうだろう。遍路ならありえるだろうか。いや、さすがに奥の院になるか。
レカさんの前には寝癖がちょっとついている日本人がいた。元気そうで何より。
アルゼンチン人がりょうさんのことすごくいいやつだと言ってましたよと。でも、ロザンカも間違えてたけど、彼はベネズエラ人です。Sonoko氏には訂正しなかったけど。
自分のいないところで褒められるのは嬉しいが、I’ve got a feelingって言っていたし、なんか変な勘違いをされて気を遣ってくれてる可能性もあるかもな。
じゃあまた的な感じで、まあぼちぼち。と言われたので彼女も抜いた。ロザンカが後ろから来てることは一応伝えた。
自転車カミーノともしっかり挨拶。挨拶に重きをおく男ですどうも。
寒くないのに息はたまに白い。むしろ暑いくらいなのに。まあ、体が温まっているというだけだけど。
髑髏杖ピアスマン。
グレゴリーのバックパックを背負った東アジア系の女子が前を歩いていて、挨拶をするときに顔を見たら結構可愛かった。「どこから?」「サウスコリア」「アニョハセヨー」「あなたは日本ね?」「そうだよ」「日本でハローってどう言うんだっけ?」「コニチワ」「ああ、コニチワ!」
どこまでかを尋ねると、今看板に書いてたとこと。まあだいだいみんな一緒よね。坂がキツそうだったので、またねと別れた。
リーは多分(キムソナとかより)こういう可愛い子の方が好きだと思う。ここで出会って付き合う人たちとかもいるんだろうな。素敵じゃないか。
(このとき初めて会ったような気がしていたが、実は前に一瞬だけ居合わせた子でした)
山の上の城痕ってロマンを感じる。
ちょうど教会前で十時の鐘が鳴った。しかしノンストップで進む。そして、ほんの少数だが初めて目にする人たちを見かけるようになったことに気付いた。前を歩いていた人たちに追いついたのかな。
水以外も飲みたいけど飲み始めたらキリがないので我慢。
畑の野焼き?の煙を写真に撮っていたのは、あの酔っ払って顔を赤くしていたドイツのおっちゃんだった。アドベンチャーハットを被っている人は自分を含めてちらほらいるが、やっぱり彼がベストだ。ビューティフルデイ!と言っていた。
韓国男子かな、挨拶したらオー!ハロー!と。顔がほとんど隠れていたからわかんないけど、どこかで会ったんだろう。リーたちといた人かな。(ちらっと一緒に歩いたこともあるTJことテジンだこれ。会話等あまりしておらず覚えきれていない人は、覚えきるまであやふや)
恵まれた天気のおかげもあり、吊らしている靴下も大分乾いてきた。
撮る写真ほとんどが世界遺産関連。素晴らしい旅だ。
10km歩いてるし、もうあとは楽な道かな。
水出ないんかい!と突っ込まされた水飲み場。
左側の道から歩いて来た巡礼者がいたので、この辺りが多分合流地点。
ロシア人っぽい男が、昨日の挨拶なし韓国男にワインを分けていた。ロシア男がそのワインのボトルを戻そうとしているときに手こずっている様子だったから、入れてあげようとしたら自分にもくれようとしていた。
休憩してるいつもの(年配の方の)韓国グループを見つけた。アニョハセヨ~と手を振りながら挨拶すると、おいでおいで!ここに座って座って!と手招きされて、自分の分のスペースを開けてくれて、チョコとかリンゴをくれた。カムサハムニダ!!!
おじいちゃん(3人家族のお父さん)に何歳か聞かれて、2!5!と指で作ると、韓国語でみんなに教えて、いいなあ若くて!みたいな感じになっていた。おじいちゃんは70らしい。もっと若いと思っていた。
昨日スーパーまで連れて行ってくれたあの夫婦はいなくて、日本語喋れるおじいちゃんとかとも別みたい。いろんな組み合わせで行動してるのかな。でも3人家族はわりといつも見かける。眼鏡を掛けた娘は電話でアルベルゲの予約をしていた。
この休憩中、他の韓国人も通ったけど、オ~と手を挙げるくらいで、もう完全に韓国人以上に韓国人に気に入られてる。
促されて靴も脱いでいたし、パーカーもこの場で脱いだ。良い小休憩になったと思う。
パーカーをバックパックに押し込んでいるときにフランス女性2人が通って、顔を見たらまたまたおー!って(知り合いに会うと万国共通でおー!ってなるよねうん)。おばちゃんの方は調子は完璧らしい。もう咳は大丈夫かな。
たんぽぽを軽く踏んでしまって、ああ、ごめんねと自然と声が漏れてしまった。
隕石が落ちてるみたいな飛行機雲。
木陰でバナナを食べている夫婦の先で、顔を隠したテジンが足を乾かしていた。その足の裏にかなり大きなマメが見えて、大丈夫?と聞かずにはいられなかった。イェアと返ってきたが大変だろう。
遅れてる方のフランス女性にSalut。本当におばちゃんの方が元気らしい。
追い抜く際にさっきの韓国人グループの背中を見たが軽そうだった。荷物サービスを使ってるんだな。
完全な状態ではないが、他の人に比べたらスムーズに歩けている気がする。これまでの経験が活きているのだろう。そして、きっと三貴士様もその御両親様も、お大師様も大日如来様もご先祖様も、僕を見守ってくれているだろう。救いはしなくてもYHWHもジーザスも聖ヤコブも見てくれてはいるかもしれない。
良い感じのカフェ。
カミーノではない自転車の人にブエンカミーノと言ってしまった。でも問題はない。人生は旅なのだ。(おっと)
韓国グループは誰も英語が話せないと思っていたけど、先程手こずりながらも英語で予約していたのを聞いていたから、一人で歩いていた韓国娘に話しかけてみた。
後ろにいるのは両親?家族でカミーノ歩くの素敵だね、と言ったら苦笑いしてた。どこからか聞かれたので、自分も韓国のどこからなのか聞き返したが、現地発音すぎてわからなくて、半島の南と説明されてもまだわからなかった。 うーん、じゃあ釜山とかの近くなのか…?と思っていたら、スマホで地図を見せてくれて、そこで、ああ、チェジュ島かとやっと理解した。チェジュ島からの韓国人には初めて出会ったな。
荷物は実質ないような状態だが、彼女は軽快に歩いていた。年齢は聞いてないが30代とかかな。多分両親は嫁入りしてほしいと思ってるだろうな。彼女たちが予約したアルベルゲの名前も一応教えてくれた。ようわからんけど。
肩というか首に陽が当たっているのできっと日焼けしている。でも朝、日焼け止め塗る気分にはならないんだよな。
今日の足の状態は、韓国グループとのあのショートブレイクだけで最後まで行けそうなくらい良い。左肩は重たいけど。
菜の花畑が素晴らしい正午前で16.5km。思ったより進んでないな。近づいているのは間違いないが。
道の雰囲気的にも町まではまだ距離がありそうだ。
今日は蝶々をよく見かける。小さいけど青い羽根の子が綺麗だった。
この小さな橋では至近距離で小鳥が鳴いていたし、カエルの鳴き声もやたらに聞こえていた。
休憩している3人の中の1人は完全に寝っ転がっていた。まさに快晴。日本晴。西班牙晴れ。
韓国グループの誰かかな。眩しくて顔は確認できなかったが、休憩している誰かから、コニチワ!と挨拶された。
自分を追い越した自転車巡礼者のヘルメットにはカメラが付いていて、自転車にもiPadが取り付けられていた。
そして建物が見えてきた。
紺色のアドベンチャーハットに、オレンジのバックパック(正確にはレインカバー)って自分と一緒の構成じゃないか。
12時半にロス・アルコスに到着。さて、アルベルゲを探さないとな。時間も体力ももう一つか二つ先の町まで行けるくらいだが。
空き家を利用した?珍しい建物型の休憩所。
前に韓国娘が歩いているから、彼女が向かっているアルベルゲへついていこうかな。この時間なら予約なしでもまだベッドは空いてるだろうし。
泊まるのはここよと教えてくれたので、Albergue La Fuente Casa de Austriaという名前のこのアルベルゲに決めた。他の韓国メンバーも続々と到着したのでなかなか前の受付が終わらず混んでいた。昨日のスーパー夫婦も同じ。
浮浪者ルックになってますね。
オスピタレロの男性の名前はマイケル。受付自体はスムーズに済んで、フランス女性たちと施設の紹介を受けた。
ベッドの空き状況。まだオープンから1時間も経っていないので余りまくり。
Older peopleが下のベッドだと言うことで上のベッドを使うことになったが、他のベッドもまだ空いていたのに、自分の下のベッドにやって来た男は絶対に年齢そう変わんないだろってな20代の青年だった。Hi, my name is Jack. What’s your name?と日本の英語の教科書にも載っていそうな自己紹介で握手を求めてきたのは面白かったけど。
(後で撮った写真なので、自分が部屋に入った際はもっと荷物は少なかった)
シャワーに早く入りたくてバスルームへ向かったけど、シャワーはもうフルだよと全裸の韓国お父さんに言われた。
その後も待っていたが、なかなか空かないなーとふと入り口の方を見てみたら、リーと顔のパーツが丸っこい韓国男子とキムソナとそのこさんが立っていた。いろいろ見てからまた来るわと言う彼らに、マイケルが今日は沢山のコリアンがいるよと教えたら、リーが彼もコリアンだと自分を指差した。すかさず、ノー!ジャパン!と否定すると、彼の妻は日本人のキヨコだよと近くにいたマッサージ師の男性を紹介してくれた。ここから車で5分のとこに住んでいるらしい。
旅人たちが集うような一階のサロンはなかなか趣があった。
歩いていたおっちゃんはvery good!と言っていたけど、めちゃくちゃ水温が冷たかった。足湯というよりは(アイシング用の)足水。
レストランや荷物輸送などの様々な広告が貼られている。
そういったサービスの一つであるマッサージ台。
自分がシャワールームから出たら他ももう空いているというタイミングの悪さ。浴び終えた瞬間に寒いと感じるくらいにはお湯がぬるかった。
部屋に戻ると、5分前に着いたというレカさんがいた。かなり疲れたけどなんとか到着したわと。彼女と少し話をしていて、でもここ(彼女の望みである)ホットシャワーじゃないよと残酷な事実を教えると、うーんという表情をお互いに浮かべる一種のお決まりの儀式。
面白いのはこの後で、その自分たちの会話を聞いていた同部屋のショートカットの女の子(初めて見たが彼女も20代)が「今あなた、ホットシャワーがないって言った?」と会話に入ってきた。そりゃ女の子はより気にするよね。
二階にあったキッチン。
右足の小指裏のマメに針を刺したが、やはり水は溜まっていなかった。このまま硬くなってほしいな。小さなマメの数は増えているけどまあ大丈夫でしょう。
しばらくして散策でも行こうかなーと、ちょっと寒い気がしたし(実際は日向はかなり暑かったが)紫外線対策にもULDを着て、サングラスをかけて、帽子をポケットに突っ込んで1階へ下りると、レカがこのサンティアゴまでの道程の地図を見ていた。
私たちここまで歩いたのよね、でもまだこの先がこんなにもあるわと。自分は下側の地図を隠して、もしこっち(上)の地図だけだったならね!と言った。
アルベルゲを出てからわりとすぐに教会前にたどり着くと、みんなが食事をしている場所を見つけた。韓国娘はナイスプレイスよと。その韓国グループはパエリアやパスタなどいろいろ食べていた。
自分も何か食べることにして、ウェイターがいなかったので店内をちらっと覗きに行くと、座っときなとのことだったので席で待って注文をした。店内はGunz N’ Rosesなどのロックが流れていて、テレビでは女子バスケの試合が放送されていた。
本格的な格好をした巡礼者が通った。かっこいいが、暑そうだ。
チーズバーガーとポテトとコカコーラという見事なアメリカンメニュー。でも15時半にこれを食べて、夕飯どうするか迷うな。
ベネさんが来た。白Tシャツの女性グループとなんか盛り上がっていたので、もしかしたら出会った人全員が知り合いってくらい大量にいるんじゃないか?と思ったけど、ある夫婦の後に、自分のとこに2番目に来て、そのあともう1組の女性たちと話していただけだった。
Sonokoはどうしたんだい?って聞かれたので、コリアンの友達と一緒にいるよと答えた。ええ、共に行動はしてないんです…。
でもなんだか自分を気に掛けてくれているのが伝わってきて嬉しかった。 彼は次の村まで行くらしい。Good luck!と言うと、ブエンカミーノが返ってきた。
ロザンカが遠くに見えたような気がしたけど勘違いかな…なんて思っていたら、サングラス姿のレカさんが歩いてきた。何かを食べながら散策中みたい。
ヘーイっていつも声を掛けてくれるから可愛い。若い(おまけにそこそこ可愛い)女の子だから話しかけられまくりだろうと考えていたが、彼女にとって自分は結構親しい友達なのかもしれない。
そのあと逆側からは、これまた散策中のSonokoさんが来た。韓国ズとは一緒に歩こうって流れになったらしい。みんなで公営アルベルゲ(ムニシパル)に泊まっていると。
この場所では2つの店が営業していたが、ウェイター(ウェイトレス)は1人ずつだったので、かなり忙しそうだった。実際に支払いも時間が掛かって、そのこさんが右の通りへ歩いて行くときに支払おうとして、その通りから戻ってきた際にやっと支払いが終わった。
ちょうどそのこさんも戻ってきたので、一緒に公営アルベルゲへ行った。途中レカが広場の芝生の上で休んでいたから名前を呼んで手を挙げた。他にも巡礼者や地元の人もいろいろとくつろいでいた。まさにシエスタ。
ムニシパルに着くとちょうどリーがスペイン人男性の作ったお粥のような料理を食べていた。
このヒゲを生やしたスペイン人男性の名前はマルティン。ボクシングや体操が好きで、東京オリンピック観戦に行きたいらしい。最初ボクシングで「出場」を目指してるのかと思った。でもそうだとしたら、ここにいるはずないよな…と疑いながらも。
なんだか雰囲気が良さそうだったからこっちの方が良いか?と思ったが、キムソナ曰くベッドが汚いらしい。
一度離れて、レカのとこに行った。標高が載ったモデルプランの紙を広げていたので、隣に座ってこれからの行程を一緒に悩んだ。まあモデルプラン通りに進むことになるんだろうけど。
川には鴨。
ドキュメンタリーズ(小型のビデオカメラを持っていたり、常にヘッドホンを付けていたりする男二人組をそう呼んでいる)はドローンを飛ばして遊んでいた。どんだけ荷物を持っているんだ…。
彼らはこの日は一緒のアルベルゲで、さっきはサロンで、撮った映像をノートパソコンで確認していた。
またムニシパルの方に戻ると、韓国の若者たちが更に増えていた。
リーに今日韓国のキュートな女の子に出会ったよと話すと誰誰!?と驚いていたので、キムソナを指差したら爆笑。でも噂の子も普通に同じ場所にいた。シンジュって名前だよと教えてくれて、なんか彼女が助けを必要としてる!ゴーゴー!と自分を彼女のもとに行かせようとするから、学生の恋愛かよと笑った。洗濯物干してるだけなのに。
パーツが丸っこい方ではなく、目が細い韓国男子の名前は、ボンなんとか(正確にはパク・ヨンボンだった)で、27歳と言っていたから、日本なら25歳ということで同い年だろう。プログラマーだったけど辞めてカミーノへ来たらしい。
韓国人同士では結構話しても、(多分英語に自信がなくて)外国人相手には寡黙な子だったが、度々会うよねと話しかけてみた。1人で来たの?って聞いたら、そうだと。でもこのカミーノで沢山の(同国の)友達を作れるよねと自分が言うと、日本人は彼女(そのこさん)だけ?と聞かれたから、もう1人の男性と会ったけど、そのたった2人だけだよと返すと笑っていた。
同じテーブルにいたマルティンが下ネタも言うめっちゃ面白いやつで、韓国人以上に英語は苦手みたいだったけど楽しかった。
いくつものマメができているリーがワセリンを塗っているのを見て、俺はワセリンは股ずれ対策に塗るよ、お尻じゃなくてね。とかくだらないことなんだけど、まあ笑っちゃうよね。
YouTubeで稼ぎがあることをリーには教えていたので、自分はなぜかYouTubeスターということになり、マルティンがボクシングスターで、リーはワセリンスターを襲名した。
実はマルティンは結婚していて、住んでいるマヨルカ島には娘もいると。職業はロトを削るみたいなジェスチャーをしていたからその手の仕事なのだろう。リーが(当たりの)番号を見せてくれと言うと笑いが起きた。
驚くことにキムソナも婚約していて指にタトゥーを入れていた。指輪ではなくて、彼の名前がムンだから彼は月を彫って、キムソナ(愛称がサン)は太陽を彫ったと。間髪入れずマルティンが指輪を手で作ったのかと思いきや、その穴に人差し指を出し入れしてセッ●クスの下ネタ。
マルティンはソナが道中で髪の毛をさらさらと手で梳かすのを目撃したらしく、そのときの彼女の(最高に誇張した)真似が面白すぎて爆笑するしかなかった。ってことでソナはカミーノスターに…。
隣のテーブルにはズビリで同部屋だったベロニカがいたけど絡みはなかった。ピンク色のタンクトップに乳首が透けてるのを見ただけ。
デスパシート知ってる?とソナがマルティンに聞いてから曲を流したら、隣の超セクシーなブラジリアンガールとかもノッていた。リオからという彼女は旅中何人もの男を魅了していたと思う。胸もお尻も大きい典型的なブラジル美女。彼女が近くに来てからマルティンが明らかにそちらを見ることが増えたから、彼女美しいね?と耳打ちしたら、君の、心臓、バクバク…、みたいなジェスチャーをされて、ふざけんなwwwwと。
他にはマルティンがカポエラをやってるインスタ動画を見たり、ソナが例の韓国人作家の紀行は読んでいないことを知ったり、男の歌声が聞こえて、あれはフラメンコの練習だとマルティンから教えてもらったり。(声の主の正体は先程食事したカフェテラスにいたので太った男性とわかった)
午後6時になってスーパーのシエスタが終わったはずだと(韓国ズとマルティンとそのこと)向かった。だけど自分はチーズバーガーを食べたのでスーパーへは行かない。宿の方向と同じなのでね。
カフェテラス(バーテラス?)の前を通ったとき、膝サポーターをしているリーが白人から大丈夫かい?と声を掛けられ、リーはサポーターを下ろしてオーケーとドヤ顔で返したけど、大丈夫そうには見えないよと笑われていた。(テジンやシンジュもしていたからサポーターは韓国人の目印でもあった)
テラスの端っこにブルガリアっぽい柄のバンダナを巻いたロザンカがいたので自分はそこで外れた。
ロザンカは明日の行き先に悩んでいた。ログローリョはお勧めされたから行きたいけど、ここから27kmだから不安だと。最終的には25km以上の日を2回歩いてるしそこを目指すことになったが、でも無理はしないでと伝えた。
ブルガリア彼女のブルガナも現れた。彼女の薬指には指輪があったので結婚していたのかと少し驚いた。アレクサは大丈夫らしくて自分までホッとした。彼女たちもログローリョに行くとのこと。
ロザンカに教会に行きたいけどいつも開いてないと愚痴ったら、スペインは午後7時以降に開けられることが多いと教えてくれた。ミサ用に?と聞いたら、Yesと。ブルガリアは常時開いているとのことだったので、そうならいいのにと言った。
(何も頼まず席に着くのはどうかとまたコーラを頼んだ。似た見た目だけど、ロザンカが飲んでいるのはサングリア)
こっちはパン屋さん。レカは多分ここで買ったのを食べ歩きしてたな。
アルベルゲに戻ってきたらデスパシートのバイオリンバージョンが流れていて可笑しかった。
あ、日本語だらけだ。来たときは気づかなかったな。
スポーツドリンクをごくごくと飲みたい気分だったのでアクエリを購入。
サロンで座ろうとした席に服があって、日本人妻を持つ彼がどけてくれた。とても優しい眼差しで自分を見てくれる。
彼が帰るときはゲンキデスカ!って言われて、元気です!アディオス!と返した。きっと家に帰ったら今日は珍しく日本人が来たよと妻のキヨコさんに話すのだろう。優しくて誠実そうな男性に見えた。おまけに結構ハンサムだったし、子どもがいるならハーフのめちゃくちゃ可愛い子なんだろうなと思った。
サロンで過ごしていると、あるおばあちゃんがマイケルに、Wi-Fiのパスワードの意味を聞いていた。2つのビールという意味らしい。このWi-FIのパスワードネタでは笑いが起こったのを覚えている。マレーシア夫妻なども笑っていた。最初はポル ファボールにしていたけど、自分も客もわけわかんなくてカオスだったと。
客「Wi-Fiのパスワードを教えてください、お願いします(ポル ファボール)」
マイケル「ポル ファボール」
客「はい?」
マイケル「ポル ファボール…」
客「…」
2階に上がったら韓国グループ6人が食事をしていて、「夕食食べた?」「食べてない…」「じゃあこれ食べる?」と例のごとく辛ラーメンを勧めてくれた。もう今日は食べないつもりだったけど、多分お腹は減る感じだったからちょうどよかったし、また断るのもあれだから、プリーズ!!とご馳走になることにした。
韓国人たちも辛そうだったけど、辛そうにしながらも食べていた。隣に座っていた娘から大丈夫?と何度か聞かれた。大丈夫…、鼻水めっちゃ出てきて焦ったけど…。(韓国人たちも麺をすするので食べやすかったは食べやすかった)
娘の名前はソン・イーハン。自分の名前を聞かれたのでみんなに教えた。リョウ、スエムネリョウと。
昼間歩いているときは京都に行ったことがあると話していた娘は、数ヶ月後日本を旅するらしい。福岡も行くと言っていたな。
カミーノでは最終的にSDCを越えて、ムシアまで行くらしい。そして明日はログローリョまで行くけどホテル泊まるとのこと。おじいちゃんたちは休憩が必要みたい。
食事を終えて、歯磨きをした後、彼らの部屋にカムサハムニダ、チャルジャヨ(おやすみ)と言いに行ったら、アハハハと笑ってからサヨナラ~と喜んでくれた。また好感度が上がったに違いない。狙って上げてるわけじゃないんだけど。
ベッドの近くのコンセントの数が少なかったので、ジャックに、もし彼ら(隣のベッドの人たち)がコンセントが必要だと言ってきたら(自分のプラグの)USBを使っていいよと言うと感謝された。俺の携帯ほんとに充電必要なんだよと。
ジャックはさっきベランダで絵を描いていた。また頻繁に会う感じなら仲良くなるかもしれない。
(結局隣はフランス夫妻で何も言ってはこなかった。旦那さんは先程シャワーお先にどうぞと譲ってくれた人。奥さんも目があったらよくニコっとしてくれる優しそうな夫婦。あのフランス女性2人もかなりニコってしてくれるけど)
あのボーイズたちのグループもまた同じアルベルゲに宿泊していた。歯ブラシを喉に突っ込んでいた少年に、今日も歯ブラシ突っ込んでんの?と聞いたら、母親の前だったからか、何のことかわかんねえみたいな顔して、その後ニヒヒヒってこっちを見てきて可愛かった。さっきテラスで会ったときもアイコンタクトしてきたし。
もう寝ようかなーという頃に、足に大きなマメを作ってしまっている韓国人男性のテジンが横(フランス夫妻の逆側)のベッドに来た。
多分リーたちと一緒にご飯を作って食べていたんだと思う。そっちも楽しかったんじゃないかな。日本人1人、スペイン人1人、韓国人6,7人とかかな。わかんないけど。
彼がちょうど良いタイミングで部屋に入って来たので、部屋の外が多少うるさかったというのもあり、ドア閉めてくれる…?と頼んだ。(二段ベッドの上だと大変なのです…消灯もしてたし…)
メモは少し書き足りない感じだったが、21時30分前に書き終えた。でも外はまだ完全には暗くない。
辛ラーメンのせいなのか、お腹が明らかにぐるぐると驚いている様子。そりゃ刺激は強いよね。
早く着いて余裕があったというのも大きいが、向こうのアルベルゲでの午後の会話なども楽しかった。
こういうのが毎日のように続けば最高なんだろうけど、明日は今日より7,8キロは長いのでそうはいかないだろう。その明日は、日焼け止めを塗って歩くとしよう。
今日の歩み
Estella – Los Arcos / 21.8km