サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 7

4月18日。
6時に他の人のアラームで起きたは良いが、くしゃみを抑えようと口を塞いだら失敗して、とんでもない音が出て恥ずかしかった。どうか自分だと気付かれてませんように…。
でも耳栓がすぐに見つかったのはラッキーだった。自分のではない誰かの耳栓は床に落ちていたし。
ベッドルームから出て、キッチン横のダイニングのような場所で、先客に許可を取ってから電気をつけた。
そして気付いた。みんなにニコっとしながら、ときには相手の国の言葉を用いて、挨拶をしたり話しかけたりしてるから、自分を覚えている人はなかなかに多いということを。どうも、極東からやって来たグリーティングビッチです、おはようございます。

韓国男性のTJ(テジン)もワセリンを塗っていた。僕らはみんなワセリンスターだ。彼が出る際に、今から出るの?と聞いたら、ログローリョと帰ってきた。OK、ブエンカミーノ。
スウェーデン妻が部屋から出てきたときに挨拶をしたけど、自分の方を見ていたからか、出入り口の小さな段差を忘れていてヨロっと躓いていた。怪我はしていないようだが、なんだかとても申し訳なかった。
数点を除けば、洗濯物を外で朝まで干していたのは自分だけだった。結露した窓ガラスを見たときは、まずい…やらかしたかも…と心配になったが、大丈夫そうでホッとした。
レカさんとは最初ハーイと手で挨拶してから、荷物を持って階段を下りるときにすれ違って、ヨーレッゲルトと言うと「Ohayo、どう?」と返ってきたので、グレートだよと褒めといた。オハヨウ覚えてたんだな。またねーと笑顔で出発する彼女を見送った。
周囲には軽い朝食を食べるフランス夫妻、家族に電話をする男性、鼻をかむ人、靴紐を結ぶ人、などいろいろな人がいて、それぞれの出発前の朝の時間を過ごしていた。
自分も準備体操をして、また挨拶をしまくって、出発した。あのフランス女性2人のおばちゃんの方はもう親戚のおばちゃんかってくらい親しげに絡んで来る。

オレンジの街灯が朝7時の石の町、通りを照らしていた。

毎朝恒例の挨拶運動をしていると、地元のおばちゃんがブエンカミーノと声を掛けてくれた。グラシアス!

泊まったのは朝食のないアルベルゲだったので、歩きながらチョコを食べた。10時くらいにカフェでも入れたら理想的だな。

今日も歩いていこう。


パレットみたいに鮮やかな空だった。進行方向左には雲海、右には飛行機雲、後ろは朝焼け、前には道があった。
今日も天気が良く美しい日になりそうだ。でも鼻水が出るのは気懸かり。昨晩はULDと寝袋だとなんだか寝心地が悪くて、ブランケットだけで寝ていたのだが、めくれてたらそりゃよろしくないよね。


ブエノスディアス猫。

太陽が背後から昇ってきて、町の明かりが揺らめいていた7時半。今日は朝食を食べていなかったりする分早い。韓国3人家族も早い。
とりあえず太陽が完全に昇りきって暑くなる前に距離を稼いでおきたい。昇ってからも一日は長いけど。

出発したのが早いということで、知り合いはだいたい後ろにいるだろうか。初めて見る感じの2,30代くらいの男性は歩きながら煙草を吸っていた。吸わずにはいられない喫煙者というのも大変だな。

振り返るたびに太陽が高く昇っていた。振り返らずとも自分の影でも理解できたが。

いや、鼻水ヤバイな。風邪か? ズルズルすするのは文化的にご法度だし、薬を飲むべきだろうか。というか日焼け止めも塗ってない。完全に忘れてた。

ベネさんは昨日もう少し進むと言っていたので、見えてきたあの町にでもいるのかな。

キムソナも(旅に出た)理由はないと言っていたけど、みんなどんな理由があるんだろう。ノーリーズンな人ばかりではないだろうし。

バスが横を通ったときに帽子が飛ばされそうだった。これもまた巡礼あるあるなのかもしれない。


お店の看板があったので寄ることにした。韓国家族や、KAS(炭酸ジュース)とバナナを食べている若者、KASをコーラと混ぜてペットボトルに入れているおっちゃんなどがいた。


スモデナランハ(オレンジジュース)を頼んだが、その場でカットしてミキサーに入れていたので、結構時間が掛かったっていうね。

マフィンも買ってプチ朝食。9時前に約7km。まあ、そんなもんか。まだまだ先は長い。

リョウ!と韓国娘に呼び掛けられて、娘が作ったというバッジを貰った。そのバッジが入った袋には説明書きのような一枚の紙も付いていた。
両親が「アリアリ!」と笑顔でこっちを見ながら言っていたので、どういう意味だろうとその紙を読むと「アリアリ」というのは韓国語でスポーツチームを応援したりする際に使われる言葉だと書いてあった。
ニュアンス的にはカミーノを一緒に頑張ろう!といった感じだと思う。日本人的には、あり(がとう)あり(がとう)!とも受け取れるけど、アリアリ!

この旅に向けて作っておいたんだろうな。数は限られてるだろうから、その渡す相手に選んでくれて嬉しかった。

バックパックにつけると、韓国娘もニッコリ。

クラクションを鳴らしながら走行する車をまた見かけた。多分何かの合図なのだろう。

パーカーを脱いで、日焼け止めを塗って、サングラスを掛けて、無人販売のリンゴを買ってから再出発した。

その直前にリーとソナが来た。その後ろにはサンダルを履いたレカさん。
ソナからチョコを貰って、アリアリ!と言ったらアリアリファミリーに会ったの?と聞かれた。会ってはないけど(もしくは誰かははっきりとわかってないけど)話は聞いたことがあるってな感じかな。

新たな村。

ここで8kmだからベネさんの泊まっていた町はこっちかもしれない。Torres del Rioという名前の町。この旅中Rioと名乗っている自分からするとなんだか親近感が湧く。

教会に入ろうとしたが、入り口の先に入場料1€と書いてあって財布を取り出すのが面倒だからそのまま進んだ。


What’s up sandals girl?と話しかけてどっちも笑うやつ。Is it good for walking?と聞いたら、どうやら良いらしい。レカ以外にもサンダル×靴下で歩いている人が稀にいるが、自分が試すとなると怖い。

ここで韓国両親が休憩しているけど、この先で娘が(自分の両親は)どこらへんかなーと振り返って確認していた。

太陽も元気。飛行機雲はかなりぼやけた。でもここまで飛行機雲を見るのに、飛行機を見かけることはほとんどないのが不思議だ。

何か人が集まっている場所が見えた。

手作りの休憩所を発見。

机の上はドネーションでスナック菓子やオレンジジュースが用意されていて、クーラーボックスの中のドリンクは1.5€で販売されていた。
レカはパワーエイドの水色を飲んでいた。水よりベターだと。次の街までは遠すぎるし助かるねと話した。

自分もパワーエイドが欲しかったが、今開いているクーラーボックスにはもう入ってなくて、もう一つのまだ開けていない方を勝手に開けるのもあれだったから炭酸ジュースにした。

この休憩所を運営している男性も、今日荷物サービスを使っているキムソナも、イヤホンをつけて煙草を吸っていた。
日陰で風が吹いていると寒くなるので再出発。


キックボードに乗ったキッズも貝がらを付けていて、オラーブエンカミーノー!と女の子が言い、勢い良く自分を抜いていった。


大きな街が見えてきた。あれがログローニョか。

羊の群れも見えた。

見えづらいが牧羊犬も。

さっきの子どもたち(お姉ちゃんと弟ちゃん)の後ろから母親が、あまり遠くに行きすぎないで!みたいなことをフランス語で注意していた。
姉弟にボンジュールと言ったら、フランス語だ…みたいな驚いた顔でボンジュールが返ってきた。2人が全力で走ったり、キックボードに乗って飛ばすから、追い越したり追い越されたり。その後サリューも言ったらとびっきりの笑顔だった。
姉弟のお母さんは子どもたちが飲み物を飲んでる間に飛ばして先に行く→子どもたちが飛ばして追いつくの繰り返し。牛乳で口の周りを真っ白にした弟とハイタッチしたり、キックボードの道を開けてあげたらお姉ちゃんからメルシ~とお礼に言われたり、写真を撮ろうとするとお母さんが、ほら、あんたたちポーズ取りな!的なことを言ってくれたり。
とにかくカミーノ中最も可愛い光景の一つだった。

どこからかまたカッコーの鳴き声が聞こえていた。

レカが木陰で座っていたから、大丈夫ー?と聞いたら、大丈夫、ちょっと止まってるだけと。自分の調子も当然聞かれ、悪くないよと答えると、That’s good enoughと返ってくるのだが、これはレカがよく使うフレーズ。
ログローリョでホットシャワーが君を待ってるよと言うと、じゃあ頑張ってみるわと返ってきた。あなたは(どこまで)?と聞かれたので、同じだよと教えた。でも、まだ13kmはある。頑張らないと。


それなりの傾斜で誰も言葉を交わさない坂があった。(ゴールのサンティアゴ目前にある)歓喜の丘あれば、沈黙の坂ありだ。



道端に咲いている花を摘んで髪飾りにしていた多分スペイン人のおばちゃん3人がいて、追い越すときにキュートと言ったら笑っていたけど、ビューティフルの方がよかったなと言い回しのミスに気付いた。

今日は泥んこ地帯がないと思っていたが道中に待っていたし、肩が痛いのにまだ距離は半分だ。旅の間は肩が6つくらい欲しくなる。

パーツが丸っこい韓国男子が、子どもみたいに走りながらオラ!だけ言って自分を抜いていった。キムソナなどと一緒に荷物サービスを使ってるんだろうな。リーは荷物を持っていたけど。
その手のサービスを使うのは別に良いと思うけど、巡礼っぽくなくなるし、自分は使わない。肩が痛い肩が痛いと言いながら1ヶ月歩いていることだろう。


ビアナという町に着いた。

肩が休憩を必要としていたから公園で休んだ。木陰のベンチは他の巡礼者にもう取られていたので日が当たるところだけど。

さっきの韓国人の彼が水道で足を洗った後に、近寄って来たので話すことになった。英語はあまり喋れない子だったので、翻訳アプリを使って、YouTubeの自分のチャンネルはなんて検索したら出るのか等聞いてきた。
彼の名前はチェ・フンハらしい(以後フンで)。珍しくソウル近辺ではなくご近所の釜山からで、福岡タワーとか行ったことあるよと言っていた。カミーノが終わったら札幌にも行くと。
朝買っていたリンゴを食べ始めたらみかんをくれた。

ペットボトルの蓋がなくなった…と思ったらベンチの隙間に挟まっていた。危ない。

この休憩中にいろいろと抜かれたけど、抜かれがゆえにいろんな人を確認できて、手を振りまくることになった。イングランドの彼も久しぶりに見たな。そのこさんとほぼ同じタイミングで来た。
何人かは抜き返すだろうし、靴下も脱いで足を乾かせたし、水も入れ替えたし、問題はない。肩はすぐ痛くなるだろうけどまあ。ワセリンも塗りなおせばよかったけどまあ。

スペインはバスケットコートかサッカーコートが作られていることが多い。その2つの競技が盛んなのだろう。


それなりの大きさの町でなければこういったアウトドア系の店はない。この町滞在も悪くなさそうだ。ロザンカなんて特に。

(入れたので)聖マリア教会に入ってみたら、中ではオルゴールのような音楽が流れていた。

今日は教会に寄れる機会があるがこの先はどうだろうか。寄り続けられるのと、寄れないのでは旅の形も違ってくるかもしれない。

教会前にはシンジュやボンがいたが、皆荷物サービスを使っている様子。シンジュに元気?と聞いたら、荷物がないから元気と笑顔で言っていた。同国の若者たちがこうして楽をしてるのにリーは根性あるわ。
それにしても、背の高いのと青い服のおっちゃんは見なくなったな。少し離れているだけで会わなくなるというのはありがちなことではあるけど。


あと11km。ゴーゴーでしょ。

カミーノの道が散歩道な人もいる。世界遺産を毎日歩けるというのは素敵だけど、地元の日常の風景になったら飽きてしまって刺激はないだろうな。


レカが木陰から現れて前を歩き出した。休憩してたみたい。彼女を追い越すときに、ちょうど今20kmだよ、残りはあと7kmと伝えると、 ホットシャワーのために価値ある7kmだわと言うから笑った。

できるだけ肩の負担を減らそうと少しベルトをずらしたりなんだりとしてみたがあまり意味はない。ただ風は気持ち良かった。

いや、どっちだ。分かれ道になっていて、左の道の先には巡礼者が2人歩いてる姿が見えるが、矢印はどちらの方向にも描かれている。
迷っていたが前のおっちゃんが右に行ったあと、マイルストーンがこっちにもあるよと合図してくれたので右へ進んだ。

本当にありました。




歩道橋の上でそのおっちゃんが緊急用の笛を吹いたが、向こうの2人は気付かず、やれやれ、彼らは間違った道を行っちゃったよと。
でもマイルストーンにはどっちの矢印もあったわけだし、左の道の先には木の標識(らしき物)も見えていたし、その先に街は見えていたからどちらでも良いのかもしれない。確かにこちらの道は矢印が続いているが、向こうはどうだったのだろうか。



23.4km。まだまだ。


ベネさんが来た。後ろからリオ!と声を掛けられ、彼の後ろにいたジュリアンを紹介してくれた。(最初マイケルと紹介されたがそれは間違えで、マイケルはもう一人後ろの男性だった申し訳ないとベネさんが謝っていた。それを自分は笑っちゃって、あ…やべ…と思ったが、特に問題はなく?、そのジュリアンとも握手した)
ベネさんはみんなに話しかけていて、でもいつも軽やかに歩いて行るし、本当にタフだなあと思った。Sonokoによろしく言っといてくれって頼まれた。


肩も痛いしお疲れムードだったので、それからベネさんとは距離が離れていたんだけど、彼が菜の花畑の前で女性たちのために写真を撮ってあげていたので追いつくことになって、それからはじっくり話した。
ズビリで名前は聞いたはずだけど覚えきれていなかったので、申し訳ないけどまた尋ねていい?と聞いたら、ヘススと教えてくれた。Jesusと書くらしく、君の国ではなんと読む?と聞かれ、ジーザス…?と答えたけど、そのときの正しい答えはローマ字読みのジェススだったな。

今はマイアミに住んでいて、娘が2人いるらしい。だから(スペイン語圏出身なのに)英語が完璧なんだねと言うと、いやいや、前の2人(ネイティブ)曰く俺の英語はブロークンだと。
なんで歩こうと思ったのかを聞かれた。日本にも巡礼路があって~といつもの定型文で彼にも答えたけど、他の人とのやり取りよりは少し長く時間があったというのもあり、誰よりも感銘を受けたような反応をしてくれた。また巡礼者として歩きたかったんだと思う等々その追加の時間で説明した。

彼はカトリックらしい(最初クリスチャン?と聞いたけど、その質問はどうやら失礼に当たるみたい。聞くべきはカトリックなのかプロテスタントなのか)。でもそこまで敬虔ではないから、スピリチュアル的なものなどを求めていると。正しくあろうとするとこはむしろ仏教徒なんかに似てるんじゃないかと思うと話していた。
もっと話したいけど俺は日本語できないし、君はスペイン語できないからなあと呟いていたが、でも彼とは相性が良いということがはっきりとわかる。話していて他の人とはどこか違うと伝わってくるから。だから、いつぞや言われたI’ve got a feelingをお返しした。
するとI like youと言われたので、I like you too…I love you!と自分は言った。同性愛とかじゃなく、この繋がりの意味、わかりますよね。ね!


ここでヘススは休憩するとのことだったので別れた。またすぐに会うだろう。


菜の花カミーノ。

柳カミーノ。


うん、着いたな。ログローニョに。時刻は14時半前。

地図を撮りたかったけど、ばっちりスウェーデン旦那が写ってて笑う。


最初の宿にフランス女性2人がいたから、ここでいいやとそのまま中に入った。(町の最初にあるアルベルゲって有利ですよねと島村さんに話したことを思い出した)
フランス語もできる感じの良い男性がレセプションで、Bottom bedがいい?という最高の質問をしてくれた。
自分が受付を終える頃にレカも来て、下のベッド手に入れたよと言うと、私もそれが良いと。空きはまだ沢山あるみたいだから、多分大丈夫なはずと教えた。
レカも自分もアルベルゲに対してのこだわりはそんなにないから、最初の宿を訪ねることが多め。ホットシャワーやWi-Fiなど運任せな部分は多いが。

靴が汚ああああああい!!!!!

夕食朝食はここが会場。

ベッドルームへ移動します。

受付で自分の後ろにいたのは韓国人のおっちゃんで、ベッドがどこにあるかわからないみたいだったので自分の隣のベッドだと教えてあげた。ジョンという名前らしい。

シャワーは温かった。これにはレカも大満足だろうと思いながらベッドに戻ると、2つ隣のベッドに荷物が置かれていて、人はいないが荷物だけでそこがレカのベッドだとすぐにわかった。バスルームから忘れ物を取りに戻ったときはバスタオル姿だったので、浴び終わったあとにHi, roommateと声を掛けた。
スウェーデン夫婦も同じアルベルゲだったのが、スウェーデン妻はいつも反応が薄いというか、無愛想を越えて無視レベルで悲しい。たまに地元の人で無視する人はいるけど、巡礼者で無視するのは彼女だけ。もう心が折れるから挨拶するのは旦那の方だけでいいのではと思ってしまう。

コンセントが郵便受けのようでシュールだったが、多分人数分揃っていたことは素晴らしい。

古傷とも言える爪の横に若干違和感があって怖い。今日は足の裏やふくらはぎにも疲労を感じるので、散策も別にいいやとなってしまう。今回の旅は余裕を持って観光もするというのが目標だったはずだが、うん、日差しも強過ぎたりするしね。だから散策の代わりに爪を切った。
そしてくしゃみが連続で出た。洒落にならないぞこれは。夕食後は絶対薬を飲まないと。
肩は確実に明日以降も痛むということを考えると嫌になる。荷物サービスを使いたいくらいだ。使わないけど。

今週の天気。

食事のメニュー。前もって知っておきたいのは選ぶ際にスムーズで楽に済むから。というか、何にしようかなと考えるのはちょっと楽しい。

スーパーマーケットは遠いから下のカフェバー(と言ってもキッチン横のカウンターだけど)でパワーエイドを買った。色違いにしてみたがやはり美味しい。
ベッドの階のWi-Fiは弱かったので、1階のソファに腰掛けて少し過ごしていた。ドキュメンタリーズも来て手でHiと挨拶したり、肩の痛みを和らげる方法を検索して、腕組みが良いと知ったり。(でも腕組みをするとストックは持ちづらくなる…悩ましい…)

夕食までは時間があった。 レカは階段で電話をしていて、隣のベッドはジョンが寝ていた。

風邪を引いてしまった理由はわかるような、わからないような…。
夜寒くて風邪を引くことはほとんどないから、フランスのおばちゃんにうつされたような気はする。なぜならかなり絡んでいるし、もう1人の女性も咳をするようになったから。でも冷たいシャワーなども影響はありそうだし… まあ、複数の原因が重なった結果なのかもしれない。
とりあえず、あいつすげークシャミしてるし、近寄りたくないなと思われたくない。

明日はナヘラまでの29kmはキツい気がするな。風邪も引いてるし、一日で治ったとしても楽な道のりではなさそうだ。

少しだけ寝ていた。起きると2階でもWi-Fiは繋がるようになっていたけど、騒ぎながらシャワーを浴びる男たちがうるさかったし、今日軽くiPhoneを落としてしまったので、左上に一本の傷が入っていることにも気付いた。

ディナー会場にはレカが先にいて、Heyと呼んでくれたので助かった。鼻声だし、近くに行っていいのか迷っていたから。
座るときにレカのiPhoneの待ち受けが見えたがミニーマウスだった。女の子らしいと言うべきか、ディズニーは世界を制してると言うべきか。

パスタサラダ。

ラグー(肉や野菜を香辛料で煮込んだシチュー)

近くの座席にはジョンとブラジルから来たというおばちゃんがいたので、4人で話しながら食事をした。

ジョンは最高に韓国語訛りの英語だったが積極的に話すので助けられたは助けられた。残念ながらクチャラーだったので、レカがアジアのおっさんいい加減にしてくれよと思ってないかは気になったが。
彼はここで初めて日本人とブラジル人に会ったらしい。ブラジル人も初めてと聞いてReally?と自分が言ったのは、わりかしブラジル人には出会うから。
ナポレオンルートに行ったが、引き換えしている人もいたのに、スペイン人の男がCome on!と誘ってくれるから登ったとのこと。それからパンプローナで2日休んでいたらしく、レオンでも休みを取るみたい。自分もレオンでは休みを取ろうと考えている。
ナポレオンルートでは防寒具をほとんど持っていないからかなり寒かったと言っていた。そりゃ山の上はめちゃくちゃ寒いだろうが、でもアルベルゲでも寒くない?と言ったらリコーも同意していた。

ブラジル人のおばちゃんはあまり喋らなかったけど、美しい景色のときは楽しくてルンルンで歩いているけど、街中では全然楽しくないからゾンビのような歩き方みたいになる、というのをジェスチャー付きで話してくれて、その街中の歩き方が面白すぎて爆笑した。

明日の目的地の話もした。レカはナヘラまで行くらしい。自分もそうするかなあ。遍路のときは平気で毎日のように30km以上歩いていたのに、29kmにビビるようになってしまっている。よろしくない。
ジョンが荷物の重さはどれくらい?と聞いてきた。自分は10kg(正確には量ってないが)、レカは8kg、ジョンは9kgらしい。はい。

デザートはチョコカスタードの生クリーム添え。

2階から1階のカウンターが見下ろせるという謎のガラス仕様。

ちとトラブルは起こっているが、でも1週間が経った。進んではいる。
とりあえず今は風邪が治ることを願う。頑張れベンザブロックと自分の体。そして肩の痛みなんとかなれ。ならない。
夜中くしゃみ等あまり出ませんように。

このアルベルゲにあまり不満はなかったが、こちら側のトイレ(バスルームが近くと遠くにそれぞれ設置されていた)が片方は詰まっていて、もう片方は鍵がなかった。

レカが言っていたように明日は長い一日になる。
20時半過ぎにiPhoneを充電ボックスに入れてベッドへ戻った。腕時計を持って来れば良かったと思いながら目を閉じた。


今日の歩み
Los Arcos – Logroño / 28km


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