サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 16

4月27日。
5時に腕時計か何かの電子音で目が覚めた。寒い。ジャックは5時には起きていて、5時20分にはベッドルームを離れていた。
朝食はいつでもOKということだったので、5時半頃に顔を洗って、食堂に行くとジャックがいて、名前をまた聞いてもいい?と尋ねられた。こっちは覚えてるんだぜジャック! 今日の行き先はフロミスタということで一緒だ。彼は朝食のチケットは購入していなかったようで、程なくして出発した。電気がついた明るい部屋で荷物を詰めていただけのようだ。

3日目朝のズビリのイケメンハウスと同じく、最低限の物が机に置かれているだけだったので、自分でお湯を沸かしたり、冷蔵庫から飲み物を取り出したり、一部はこれから来る他の人のためにも机に置いたままにしておいた。

オレンジジュースの側面に思いっきり日本語が印刷されているっていうね。流通しているということだろうか。

スウェーデンおばちゃんが来て、一緒に朝食を食べながら話すことになった。
なぜカミーノを歩くのかという質問は聞き返した。彼女はずっと小さな農場を経営していたが、本当に疲弊しきっていたので長い休みをどこかで取りたかったらしい。この旅でももちろん疲れは溜まるだろうが、その疲れの種類や意味はもちろん違うだろう。リフレッシュのための特別な休みだ。
その長年頑張ってきた証拠だろうか、彼女の髪は真っ白だったが、それでも表情はいきいきとしているように見えた。
そういえば彼女は昨日、明日はどこまで行くの?とヘンドリックスに聞かれて、ネクストプレイスよと答えていた。
仕事について聞かれて、会社名を教えてと頼まれたので(法人化しているわけではないので会社は持っていないけど…)、どうせわからないだろうけど…と思いつつ、仕事で使っている名前?を教えると、O…OK…!とすぐ彼女は諦めたので笑った。

屋根裏部屋の人々は6時半には起きていたけど、どこに照明のスイッチがあるかわからなかった。でもたとえ暗い場所でも、2週間毎朝やっていることだから、ワセリンを塗るのも、五本指ソックスを履くのも慣れたもの。7時には出発したいな。
チェコ女性のイリアナはフロミスタから+5kmは歩くとのこと。まだ決心はしてないらしいけど。
最後まで寝ていたのはロシア女性。起きてからコンセントを必要としていたので小さな机を移動してあげると感謝された。7時から彼女の爽やかなメロディのアラームが鳴っていたが、多分朝食に行っていたので、その止まることのない音色を聞きながら、靴下をバックパックの後ろにぶら下げたいのに安全ピンがない!と探していた。結局ポケットティッシュの袋の中に紛れ込んでいたが。
洗濯物は靴下以外案外乾いていて驚いた。屋根裏マジックだ。ブランケットの畳み方を見ているとやはり男性より女性の方が綺麗に畳む。僕は女性が好きです。
出発間際、入り口付近にいた東アジア系カップルにどこから?と聞いてみたら、チャイナだった。中国人もいるんだな。初めて出会った。

ヘンドリックス・レナスペアとほぼ同タイミングでスタート。7時13分でした!

テーブルに置かれていたフルーツを昼食用などに余分に貰うのは不道徳だろうと手を伸ばさなかったが、レナスがヘンドリックスにリンゴをあげているのを見て少し揺れる心。でもまあ、気にすることじゃない。心を清く保つのにきっかけも動揺も必要ない。

飛行機雲が現在進行系ではっきりと伸びていて綺麗だった。飛行機という乗り物の勢いを感じた。

山の方は何かが点滅していた。

多分昨日見かけたのと同じ犬がいて、不思議な鳥の鳴き声も聞こえた。

ケイとマサキはどこにいるんだろうな。少し前にいるならもうソノコが会っているかもしれない。ブルゴスでちらっと見た、頭は白髪だらけだったけど、顔はそんなに老けてなさそうだった男性は日本人臭かったけどどうだろう。
とりあえず、何人に会うかなんてわからないということ。日本人とはもう一人も会わない可能性だってある。

点滅していたのは風車だったか。茜雲の下に並んでいた。

朝焼けと城跡の町を振り返った7時半。

前方の岩山も壮大な佇まいで良い。

右手首は痛むが、本格的な山(登り)までにはまだ日数があるから焦りはない。左肩はもう要らない。捨ててしまいたい。

あれ、まさか、登るのかあれを…?朝から…?


やっぱ登ってるわ。ムイビエン…!

まあ、ゆるりといきましょう。

途中、韓国母娘にアニョハセヨと挨拶して追い越した。追い越したのはその2人だけだったかな。

想像していたよりずっと軽快に登れている。足だけでなく腰や膝にもダメージを感じるけど、振り返ると広がる景色が励ましてくれる。

登りきったかな?と思わせといて、いや、まだあるんかい!とツッコまされた7時52分。

風力発電の風車の数がエグいな。地形的に適しているのはわかるが、どれだけ電力を生み出せているのだろうか。

古墳っぽいような気がしなくもない。小山の群れなんだろうけど。

ちょうど8時に登りきった。腰痛いいいいいという悲惨な状態だったので、一旦荷物を下ろし、水を飲んで、サングラスをかけてから、ちょっと写真を撮ることにした。

まずは落書きだらけの休憩小屋。

そしてマイルストーンに似た形の石碑。手前は慰霊のための十字架だろうか。


いきなり登らされて、朝からなんてことを…ってな気分だけど、でもこの登りが今日のピークで、あとはほぼ平地なはず。
5分間休憩していた。さあ、行こう。休憩している間に後続は誰も来なかった。

昨日と似たような雰囲気を持つ台地の道が始まり、風が冷たくて寒かった。

しかしすぐに下り坂に。

舗装された坂道は地味に下りづらいし疲れた。ジグザグで下ったが、膝も悲鳴をあげていた。
こういうところは自転車が楽しいだろうなと思う。歩き以上に厳しい区間もあるだろうが、下りは無敵だ。それに比べて歩きにとっての坂は上りも下りも難所。

ほとんど下りきったところで後ろを見たら、先程追い越した白人夫婦もジグザグで下りていた。このときは何人かわからなかったが、イタリア人夫婦だ。

人よりも人生を楽しむというのをこれからも常に目指していきたいと思った。もちろんいろんな形の楽しみ・幸せがあるし、比べるようなことでもないが。
(というポジティブな心境だったが、実際は目に見えて充実している人たちと比較すれば楽しめていないというか、劣っている気がする。まあ、このときは周りが気にならないくらい楽しかったんだろう)

陽は簡単に昇る。

朝食のメニューには次の町まで13kmと書いてあったけど、あれは本当のことなのだろう。今6kmで半分来たわけだが、まだ建物は何も見ていない。ひたすら歩き続けている。

あれはなんだろう…と近づいていったが、こうしてベンチがあるだけだったので素通りした。


ようやく建物が見えてきた。

このようにHospitalを道中にたまに見かけるが、病気や怪我をする人は昔はもっと多かったはずだから、そうした人たちが救護されていたのだろうか。
怪我人治療だけなのかなと思いつつ、通り過ぎる際に中を見てみたら、ティーセットのようなものは置いていた。この付近は小さい虫が大量に飛んでいて不快だったので足早に去ったが。

信号機のある石橋。


パレンシア県。バレンシアではないよ。

ベンチにはガイドブックを読んでいる白人おじいさんが腰掛けていて、一緒に休憩を取ることになった。すぐに彼から、英語はできるかい?コリア?と話しかけられた。ノー、ジャパン!と返すと、オハヨウと返ってきた。ん…前もこのやり取りはバスルームの入り口でしたような…。
コクー(カッコウ)は日本にもいる?と聞かれた。ええ、いますとも。次の村にバーはあると思うかい?多分あると思います!

彼が去って気楽にくつろいでいたら、突然、車の中からブエンカミーノ!と男性から声を掛けられた。驚いたけどすぐに手を挙げて大声でグラシアス!とお礼を言った。その無意識にひょいっと手を挙げるモーションがなんか可愛かった。自分なのに。

9時半前にそろそろ行くかなと、立ち上がって地図を見ていたら、マレーシア夫婦が来た。奥さんは久しぶりーという感じで何かを言っていた気がする。そして気付いたのは、多分奥さんはソノコさんより背が小さいということ。

2人とも小さな夫婦は歩きながらカッコウの真似をしていた。可愛い。

お、町じゃないか。バーがありそうだ。

ご主人様を置いてけぼりにしてソロ散歩をしていた犬。

はい、ありました。敷地内に入ってすぐの場所にレナスたちがいて、ヘンドリックスがここに座るかい?と誘ってきた。断る理由もないので自然と相席に。レナスは2€だというアイスを食べていた。

 ヘンドリックスがフロミスタまで何kmあるか知ってるかい?と聞いてきたので、出発した町から25.5kmだよと教えた(前日の晩に次の日何km歩くかはいつもメモしている。ソースは日々バラバラだが)。もう9kmは歩いてるはずと自分が言うと、レナスがいや、11kmだよと。自分のはなぜか更新が遅く少し前の記録になってしまうもんな…と、もう一度確認したら10.5kmになっていた。
3人とも靴を脱いで休んでいた。ヘンドリックスから今度は「バックパックは何kg?」と聞かれて10kgかなと言うと、「体重は何kg?65かい?」 うん、だいたい当たってる。(こういう旅の最中なので60kg辺りになってるかもしれないが)「それでOKかい?」と続けて聞かれて、いや、肩が重いと正直に答えると、「荷物は体重の10%の重さにすべきだから、もっと減らさないとな」と笑いながら言っていた。

程なくしてここに到着したロシア女性は本当にクロックスで歩いていた。自分より遥かに強靭そうな肉体を待っているように見えるけど。

カストロへリスから18kmほどのボアディージャという町でお昼にしようかな。それが理想だ。

カフェのWi-Fiをちょっと利用して、リスタートしようとした10時20分頃、
あんなに女の子女の子してる子は初めて見たぞという写真が撮れた。デニム生地のショーパン巡礼者なんていたのか…と衝撃を受けた。

そして、その子の前後の人の数が凄まじいほどに多かった。例の少年たちのグループも含めて、5,60人は通ったのではないだろうか。

あまりに人の多さに戸惑いながらも、体をほぐしていたらベルギーのおじいちゃんに、ダンシング?と聞かれたから、音楽が必要なんだけどねと返した。さっき店内で会ったときは、バーあったね!といやり取りがした。
結局5分後くらいに、この人の流れの中に巻き込まれて再出発した。今日は金曜日だけど、週末カミーノウォーキング的な団体なんだろうか。

少し遅めに歩いた。あまりごちゃごちゃしたのは好きじゃないから。

靴下の影がやたらと長い。

団体の人たちは服装が汚れていないというか、そもそも軽装が多かったし、まるで今日歩き始めたみたいに楽しそうに写真を沢山撮りながら歩いている人もいた。やっぱり、みんなでカミーノ歩いてみませんかみたいなグループに違いない。
その記念撮影に写るのも嫌だからスピードを上げることにした。といっても彼らは疲れが溜まっていないのでかなり元気。それゆえ挨拶も爽やかなのは良いことだけど。

団体さんのペースはかなり各々で違うので、距離が進むにつれて、団子からまばらにはなっていた。



前の集団に追いつきたいと、ときにはスポーツ要素の強いモチベーションで歩くのも悪くはなかろう。

11時15分、数十人は抜いただろうか。なかなか良いペースで歩けた。割合は8割女性に2割男性。足の指には確実に水が溜まっているけどこのまま進む。

トレッキングソックスはかなり乾いた。次は五本指の方をぶら下げたい。

あの黄色の人はもしや…?と近づいたら、予想通りチェコ女性のイリアナだった。店内にいるときにでも抜かれたのかな。トラクターが来て彼女が後ろを振り向いたときに手を振り合った。

追いつくと会話が始まった。大学生の娘は別にカミーノを歩くんじゃなくて、ただ単にこっちに来てみたいというだけらしい。
彼女がなぜ歩こうかと決めたのかは、彼女はディレクター等のお偉い感じの職に就いているけど、全然楽しくなくなってブレークが必要だったと話していた。息抜きは何人だって必要だ。

ベッドの近くにスマホを忘れていなかった?と聞かれた。あ、それはロシア女性の物と返すと、それなら良かったと。
四国の話もしたが、彼女はシコクが何かわからないということを少し気にしているようだったので、多くの人が知らないよと自分は言った。気にすることじゃない。
実際にそうだろう。一般的に知られている日本の地名なんてトーキョー、キョート、オオサカくらいなもんだ。ヨコハマ、コーベ、ナゴヤ、フクオカ、センダイ、ホッカイドーもほとんどの人が知らなくて、逆にヒロシマやフクシマの方が知名度があるのが実情。

イリアナと別れて先へ進むとまたマレーシア夫婦がいた。奥さんはスマホで音楽を流していた。

残り430km、ボアディージャに到着。

白馬のお尻。

ちょうど正午だったので教会の鐘が鳴っていた。

そしてレストランを発見。


団体もここに来たのか人が溢れるくらいだった。天気が良くて助かった。

お花もプールもある美しいレストラン。

レナスとハイタッチをして、ヘンドリックスがまたここに座りなと。レナスは花の香りがする濡れティッシュをくれた。自国リトアニアの商品らしい。

レナスが頼んでいたスープとヘンドリックスが頼んでいたコークを注文した。ウェイターとは、コカコーラはライトじゃないけど問題ない?というやり取りがあった。

自分がスープを飲む前にボナペティと言ってくれたレナスにメルシーと返した(昨日のディナーのやりとり)。スープを飲み終えると、美味しかった?と聞かれたが、実際かなり美味しかった。ヘンドリックスはもっと欲しいかい?と聞いてきた。うん、なんだこの会話は。
レナスは食後に薬を飲んでいた。何の薬?と聞くと、鎮痛剤とのこと。足と膝に痛みがあるらしい。ヘンドリックスは彼はフルオブペインさと言っていた。
その流れで君は薬をやらないのかい?と聞かれたけど、なぜか煙草もマリファナもやってないと説明することになった。
それにしても、この2人のように長いことパートナーを組んでいる相手のトラブルって難しいよなと思った。明らかにペースも変わるだろうし、長く一緒にいるがゆえにペア解消のタイミングも困るだろう。

ヘンドリックスが話しかけたウォーキンググループは50人ほどドイツから来たらしい。ちょっと歩いて、あとはバスと。(大型バスが先程教会近くに停まっているのは見た)
小声でヘンドリックスがそれを教えてくれてから、コカコーラライトにかけて、あいつらはカミーノライトだな…というからレナスと2人で笑った。
昨日のディナーでも聞かれたが、ヘンドリックスから写真を撮っていいかい?と聞かれて、レナスとツーショットで写った。帽子を脱いだあとの間抜けな髪型だったと思う。
今日はオランダのキングの日らしい。国王を知ってるかい?と聞かれて、知ってると答えたのは、オランダ王室は日本の皇室との繋がりがあるのを知っていたから。公務を休みがちの雅子様もオランダ王室が来る際はよく顔を出す印象。

1人の男性ウェイターが何十人と客のいる空間を切り盛りしていたので、めちゃくちゃ忙しそうだったし、支払いもなんだか適当になっていた。
5€と言われたから机の上に置いておいた。紙幣はなかったので硬貨だけで。1€や2€硬貨は常に持っておきたいのだが、そう上手くいくわけでもない。

レストランを離れる前に、干す靴下を変えようとバックパックを開けると、チョコのクッキーが溶けていて、やば!と焦り、残っていた3枚を食べきった。温かいとバッグの中でも溶けるんだな。気をつけよう。小分け以外は危うく事故だ。

プール前にいた、昨日同部屋だったワイルドな(ちょっとだけつのだひろ似の…?)おっちゃんが話しかけてくれた。彼はよく自分を気にかけてくれる。
今日はどこまで?と聞かれ、えっと…と一瞬考えていたら、フロミスタ?と。彼はこの町に留まるらしい。ブエンカミーノ!と言うと、You tooと言ってくれた。

猫さん。抱っこしても嫌がる素振りは見せなかった。すぐにどこかへ行ってしまったけど。

教会の中をちらっと覗いたが誰もいなくて、わりとすぐに出てきたが、そんな自分を見てか、教会前のベンチで休憩していたおっちゃんが、中でスタンプ貰えるよと教えてくれた。
教えてもらった通りもう一度教会の中に入って奥の方に進むと、普段着の男性がいてスタンプを押してくれた。
外に出るとまだベンチに座っていたので、改めてお礼を言った。多分スペイン人の歩き巡礼者。

また歩いていく。


元気のない夫婦を追い抜いた。


この写真では全然わからないが、ここにはカエルが何匹かいた。遠くからはまたまたカッコウ。よういるわ。

今さっきの夫婦同様、自分もそんなに元気なわけじゃない。左足の小指裏は痛んでいる。
しかしここで、あ、溜まり続ける水には糸を通せばいいんだったと急に思い出した。忘れてた。でもどうしようかな。糸を踏むのもなんか嫌なんだよな。


Canal de Castillaと書いてあるから、きっと川ではなく農業や生活用に引かれた運河なのだろう。


道の先には陽炎が出ていたが、でも風があるので大丈夫なはず。日差しは暑いが、風は涼しい。

ってか左右の景色が綺麗だなと、見落としていた美しい光景に気付いた。ひたすら前を見て歩いていたから気付かなかった。
時刻は13時40分。右側はまるでWindows XPの草原に見えなくもない。太陽と雲次第で動く緑の上の影にも目を奪われた。

どうも、考える葦です。

建物が見えてきた。この先の町がゴールだろう。

Frómistaと書かれてある。でもまだ集落までは距離がありそうだ。

午後2時、恐竜の子供の鳴き声のような声が聞こえていた。

白黒の牛は珍しいな。そして対岸に設置されている看板に何が書かれてあるのか興味深い。


まだ0.5kmあるのか。町を感じて心躍った瞬間から到着まで、予想以上に距離があった。

キリスト教三大巡礼地は絶対行きたい。Santo Toribio de Liébanaは確か、現存する聖十字架の欠片で最も大きな物が残っている、カンタブリアにある教会。

……。そこに立たれると通れませんが…。キスとかしてるし…。

またバスがいた。パス遍路、パスカミーノ、フォーエバー!

先程から聞こえる鳥の鳴き声が「オッ オーイタ!」のメロディだ。今年は優勝してもらいたい。この記事を清書する頃にはもう結果が出ているだろうか。(はい、優勝はもう少しのところで逃しましたが、我が大分トリニータはJ1昇格しました。やったぜ)

あ、ディアだ。スーパーがある町自体少ないからなんだかホッとする。

巡礼路は左のようだが、アルベルゲがあるのは右らしい。

Wi-Fiシールが貼られている。基本的にどのアルベルゲもあるはずだが。

うーん、わからん、どこだ。もっと奥に行ってみるかと悩んでいると、中国カップルを発見。

一番下のアルベルゲを目指してます。

はい、到着。14時半前。

ちょっと沖縄っぽい。

昨日ディナーで一緒だったドイツ人の下ネタおっちゃんが玄関前のチェアでくつろいでいた。
受付で10€を支払って部屋に行き、ふと隣の部屋(仕切る扉はないが)を見てみたらこれまた昨日のディナーで隣にいたドイツ人の女の子のゲリンダがいた。今日の調子はどうだった?と尋ねると、今日はベストな日じゃなかったけどまあ…という返答。自然と、また会えて嬉しいよという言葉が出てきた。日本でも使っていこ。モテそう。


自分のベッドの下はアレマンヤという名前の、太っていて足がちょっと悪そうなおばちゃんだった。国名を自分が答えたあとに、あなたは?と聞き返したのに、先程も自己紹介された名前の「アレマンヤ」がまた返ってきた。ちょっとぶっ飛んでる人なのかもしれない。でも憎めない笑顔だった。アレマンヤ国のアレマンヤおばちゃんさ。(Japanのことをヤーパンと言っていたので多分ドイツだとは思う)

シャワーは冷たくはないけどホットとも言えない水温だったし、水圧も弱かった。残念。

シャワーを浴びているときに考えたが、下ネタドイツ人おっちゃんとゲリンダが一緒に歩いているのであれば、もしかすると親子かもしれない。ただの歩き仲間という可能性もあるが、ゲリンダは多分20代だし、ありえる年齢差だ。でも彼女が見た目より年齢を重ねていたらまた違うだろうし、うん、ようわからん。

このアルベルゲにはマレーシア夫婦も来ていた。昨日は知っている人がみんないなくなったと悲しくなっていたが今日は再会もあってよかった。

ゲリンダと並んで洗濯をして、干して、手術をした。この手術で糸を通したが、上手くいってくれることを願う。ゲリンダは洗濯後にビールを飲んでいた。さすがドイツ人だ。

入り口から見た光景。

あのボーイズたちもまた一緒だった。子供たちより1人のお母さんの方が反応してくれる。このときはYou made it!と言われた。また会ったわね!といったニュアンス。

ディナーのメニューだ。

こっちは朝食。

猫のぬいぐるみ。

眠たくて、小腹が空いてた。とりあえず小腹の方はチョコのお菓子を食べて満たしたけど。
飲み物も欲しかった。サロンにあるちょっとしたバーにはいろいろと揃っていたのだが、でもオスピタレロのおっちゃんがソファで完全にくつろいでいたから頼みづらかった。

だから自分の背後にずっといた猫とガラス越しに遊んだ。こちらが動けば同じようについてくるという人懐っこさ。

 
 
 
 
 
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ある韓国人のおばちゃんが、オスピタレロにトレインステーションはどこかと聞いていた。明日レオンに行きたいみたいだ。でもおっちゃんは、何言ってんだ…みたいな感じの対応。パレンシアに行ってから、レオンに向かうしかないよと言っていたかな。お互いに英語は得意じゃなさそうで、というかおっちゃんは、電車ってどういうことだよ…みたいな面倒臭いというか呆れている感じだった。
さっきアニョハセヨと挨拶されたので、自分も韓国人と思われていそうな気はしていたが、案の定その後に韓国語で自分に話しかけてきた。残念ながら私はコリアンではないのだ。一応グーグルマップで駅の位置は教えたけど、まあそれくらいなら彼女も自分でできたか。

最初に頼んだNesteaのレモンティーは冷蔵庫に在庫がなかったので、KASのレモンにした。さっきの韓国おばちゃんみたいな対応をされたら悲しいなと思っていたけど、普通に感じ良く接してくれて嬉しかった。

眠気を感じながら音楽を聴いていたが、充電が減ってきたので無音にして、インスタに16日目までのまとめをアップした。SNS疲れ良くない。まあ、中途半端な感じになってしまったが、なんだか気掛かりだったので投稿したかった。でも次はもう終わってからでいいや。
右手を休ませているはずなのに治らないのはなぜなのか。わからない。

アルベルゲのレストランは7時になっても開かなかった。自分以外にも待っている人がいたが、結局時間を過ぎて聞いてみたら、ここではやらない、でも向こうに2つレストランがあるよと。
なんだよ。それなら待つことなかったのに。ってか写真付きの看板を出しておいて、ディナーの時間を過ぎてから撤去するってどういうことよ。

アルベルゲへ来る前に通っていた、砂場の公園が目の前にあるレストランに来た。入り口付近にいるのはアレマンヤ。

うーん、パエリアとシュラスコぐらいしかわからねえ…と困ったが、Wi-Fiはあったので調べた。しかしここは7時半かららしい。でもウェイターの眼鏡のおっちゃんは優しそうだった。あと10分待つことにした。
メニューは一応全部調べてみたけど、結局パエリアとシュラスコが一番美味しそうっていうね。なんだよなんだよ。

そして一番乗り。

ここでパエリアの出番。バレンシアで食べようと考えていたけど、パレンシアで待てなかった。でも久しぶりのお米料理だ。
味は、まあ海鮮だねって感じの味だった。エビの食べ方はよくわからないまま。

シュラスコは最強クラスに切りにくかったし、味も日本で食べたシュラスコの方が美味しかった。というか、こっちに来て初めて(いや、今まで我慢していた部分はあったか…?)美味しくない、不味いと感じて、一切れ残してしまった。どうしても食べられなかった。

でもプリンは美味しかった。ほとんど生クリームの力だけど、終わりよければなんとかだ。

レストランにはさっきの韓国おばちゃんも来ていて、店の人がスマホのアプリを使ってメニューの翻訳をしていたのだが、何だか無駄に言葉が繋がってカオスなことになっていた。
デザートは何にするか決める際には自分にもその翻訳を使ってくれた。コリアン?ハポン!まあ日本語も性能はお察しです。
テレビではスペイン国内の女性中心のデモや朝鮮の南北会談の様子が放送されていて、後者の方は特に、おばちゃんは食い入るように見ていた。
食後は苦しいくらいの満腹だった。シュラスコではなくステーキにしていたら違っただろうか…。
いちいちとびっきりの笑顔で接したから日本人の好感度は上がったと思う。協力プレイです。次の方よろしくお願いします。

レストランからアルベルゲまでは徒歩1分以内で、移動する間のWi-Fiもどちらかが繋がったままだった。
帰りに口直しに自販機でも探そうかと少し考えたが、お腹が苦しかったのでやめた。飲み物はアルベルゲでもまた買えたけど、結局買わなかった。
洗濯物はトレッキングソックス以外乾いていた。素晴らしい。
歯磨きはゲリンダと並んですることになった。彼女が1人だったらレカと同じように仲良くなってそうだと思った。最後はおやすみを言い合った。スカーレット・ヨハンソンに似ていて可愛い。

明日は20kmだからそう焦ることはない。(充電の関係でスマホは遠くに置くしかないが)目覚ましを設定しなくても構わないといった余裕が持てる。
でもここの朝食は8時からだからどうしようかな。いや、もしかしたら朝食もやらないんじゃないか。困ったもんだ。


今日の歩み
Castrojeriz – Frómista / 24.6km


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