Tales Of The Pilgrim

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サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 32

2019.01.17

5月13日。
6時のアラーム音で起きたが、あれからまた少し眠られてよかった。しかし寝る前から感じているのだが、寒い。広い部屋はデメリットだらけだ。
海外にいて距離があるからこそ、クサいくらいに感謝の気持ちを文にして、誕生日と母の日のメッセージを送った。微弱の電波ではあったが、wi-fi caminoみたいな名前のWi-Fiならベッドルームからも通じたので送れた。セブレイロの山の上でシンが手伝ってくれたシステムだ。シンにもありがとう。

外からは激しい雨の音が聞こえる。隣のカナダ人姉弟は韓国系だけあって朝が早かった。おっちゃんの方は後で耳栓を探しにまた来たけど。
五本指はほぼ乾いているけど、トレッキングソックスが乾いておらず、急遽穴が少し空いている予備を取り出した。緊急事態なので仕方ない。

ベッドの片側を完全に空けるくらいくっついて寝ていたポップの携帯がベッド下に落ちていて、6時25分にびっくりするくらいの音量でメロディが流れた。毎朝やられるとストレスが溜まりそうだ。
自分のストックを置いていたベッド下を見るとこちらにも誰かのスマホがあった。夜中何かが落ちる音がしていて自分のかと確認したが、多分アーロンのだろう。まだ彼は寝ているので見つけやすいようにベッドの上に置いておいた。

1階に下りて、キッチンの電子レンジでパスタを温めて、りんごを丸かじりした。ドーナツも食べたし、カフェでのスモデナランハタイムは今日は無しかな。ボトルに入ったオレンジジュースも普通に美味しかったし。

昨日より距離が長いか、短いかが朝のモチベーションの基準。今日は、長い。
えりシンも今日アルスーアまで来れたなら最高だけど、多分難しいよなと思っていたら、えりこさんからアルスーアまで41kmというメッセージが届いたので、それはやめとこ!と送った。

アミノ酸のドリンクを作り終える頃に、アーロンがカップヌードルを作りにキッチンに来たので、スマホをベッドの下で見つけたんだけど、あれアーロンの?と聞いたら、ああ、そうだよ、ありがとうとお礼を言われた。
まさしさんも来て、数セット余っていた昨晩のパスタを指して、これ誰も食べねえなと呟いた。食べていいなら食べればよかった。
小悪魔ちゃんは自分を見つけてキラキラの笑顔で挨拶してくれた。これは勘違いしますわ。すきっ歯だけど可愛い。彼女を含めて、昨日ディナーで一緒だった人たちはもう顔馴染みだ。 

レカも下りてきた。でもレカとの立ち話は他の人たちより長め。「もう出るの?」「出るよー」「外寒いよ絶対」「大嫌いなんだよね寒いの」「わたしも」まあ、お互いに寒いの苦手なのは知ってるんだけど。
今日は彼女はアルスーアの手前のリバディソという町までらしい。モデルプランもそうだし、予想はしていた。でも道中のバーかカフェで会えるわきっとと声を掛けてくれた。

昨日とは逆の形で、吹き抜けの上にいたアマンダから話しかけられた。「明後日(サンティアゴで)会えるかな?」 「わかんない」「そっか、でも良い旅を」
これが別れになったけど、本当に2人に出会えてよかったと思う。本人の人柄なのだろうが、特にアマンダは優しく接してくれたし、このアルベルゲでの時間で自分のカミーノに一味違うテイストが加わった。良い出会いだった。心から感謝している。
 
誰かと話すとやっぱり楽しいなという7時過ぎのスタート。

バケツの餌をぶちまけるお馬さん。

こっちは黒猫。初っ端から左の足首に違和感があるが、すぐに消えるだろう。


地元民に挨拶をしたり、ブエンカミーノにお礼を言ったり、バンダナっぽい物を被っている巡礼者がケイ君の後ろ姿に見えたが違ったり。
笑顔が爽やかなおばちゃん巡礼者とも挨拶をした。多分サリアスタートの3人家族。

サン・ティルソ教会。パラス・デ・レイはかつて宮廷があったと言われている町だが、何も現存してはいないし、どんな宮廷だったかもわかっていない。


飛行機雲が街灯に弓を張った。

トイレは左に5mという野外プレイのすゝめ。

世界は愛に満ち溢れている。

カップルではなくても、ジーザスが僕を愛してくれている。いや、どうやって書いたんだそれ。


歩き続けていたら、8時2分に小雨が降り出して、前を歩いていた男性も考えたことは同じ。レインカバーをつけたいと。だがすぐにはベンチがなかったので、2人並ぶような形でこの高床式倉庫でレインカバーをつけた。

杖の音は聞こえていたが、その音の主のアーロンが後ろから来ているのがわかった。21歳らしい結構な早さだ。

さきほどの男性を追い抜くときに、雨止んだねと声を掛けたら、It’s goodと。

後ろの知り合いに追いつかれたくない欲は出るもので、ちょっとペースを上げた。

腰の後ろが少し痛いのだが、多分虫刺されの部分が当たっている。蚊なのだろうか。地味に複数箇所ある。

カサノバのカフェにはポルトマリンで同部屋だったカリブ系の男女がいた。混んでいたし、朝食はわりとしっかり食べているので、そのまま進んだ。

この旅で何度も繰り返してきた、よく眠れたー?っていうレカとの会話も、さっきのでもう最後だったのかもな。最悪もう会えないかもしれない。

右足を引きずるように歩いてる人がいた。最初からあの状態なのか、悪くなったけど意地でもサンティアゴを目指すのか。追い抜く際にブエンカミーノと言ったらグラッチェと返ってきた。

止んでいたが、8時55分にまた小雨が降り始めた。

カフェの半屋外の席には3人いて、透明のビニールシートが張っていたから顔馴染みなのかはよくわからなかったけど、ぼんやりと見ていたら、奥のメガネを掛けたアジア系の女性と、以前えりこさんと絡んでいたナイフチンチンマンがいて、どちらも手を振ってくれたのだが、ほぼ同時だったので手前にいた人が、あれ後ろに振ってる!?ってな感じなり反応で笑った。
自分が挨拶ビッチなもんで、これに似た出来事は前にも起こったことがある。2人の右には白人女性もいてニコっと微笑みあった。


もうすぐ10km。

ゴミ箱にティッシュと塩キャンディーの袋を捨てようとしたら、塩キャンの袋だけ柔らかくて、ふわっと空中を漂ってしまい失敗した。そしてそれを拾うために下に手を伸ばすと、棘のある草に触れてしまって痛かった。

あれ、前にいるのソノコじゃないか…?隣も背の低いアジア系女性っぽいが、モンベルガールだったら面白いぞ…と距離を詰めた。

はい、あいこさんという新たな日本人でした。彼女にとってはそのこ氏が初の日本人で1週間前くらいからちょくちょく会っているとのこと。
スタートは4月8日。合唱部とかずっと文化系で、運動なんてほとんどしてこなかったけど来ちゃいましたと。序盤は特にゆっくりで、10kmでもう疲れた!と歩くのを止めていたらしい。そのこ氏並に小さいのに、ここまで頑張ってきたんだな。
熊野でも四国でも会わなかったのに、同郷の大分出身の人で驚いた。27歳と2学年上だったが、トリニータU-15で1年被っていた、彼女の中学(大分市内)の同級生(自分にとっては先輩)の名前が挙がって面白かった。
今は京都に住んでいて、仕事は辞める前はサントリーの工場のお姉さんをやっていたらしい。お姉さんっていうのはあれですよ、あれ(どれ)。

レオン以来ぶりに会うそのこさんに、昨日はアマンダたちと一緒だったよと伝えると、アマンダは聖母みたいに優しかったけど、あのクラブみたいな雰囲気は毎日は無理だと日にちをずらしたと言っていた。まあ、ディナーは楽しかったけど、言いたいことはわかる。まさし&アマンダが一緒に来たわけじゃないというのは知らなかったようで驚いていた。カップルだと思ってましたと。
ケイ君はもう先に行ったということを教えてくれた。ヨーロッパ後にインドやネパールに行きたいから飛ばしたらしい。うん、それも良いね。彼とも出会えてよかったと思う。

あいこさんは、1989生まれのJKから、自分とケイ君のことを聞いていたらしい。
各国の人々の印象について話したが、韓国人は良い方と悪い方がいるみたいなことをあいこさんが言っていて、確かに…と笑った。JKは良い方の韓国人というのはみんなの認識。

ここではカミーノTシャツを販売していた。スタンプも置いていたが素通り。

モンベルで統一エピソードはあいこさんもケイ君と一緒だった。トレッキング系に詳しい友達に教えてもらって、その友達にこの前、あと100kmと送ったらめっちゃ喜んでくれたって。

苔が生しているところだったかな。あいこさんがこういうの、もののけみたいですよねと言ったので、屋久島が呼んでますよと言ったら、そのこさんも屋久島に行ったことがあるというのが発覚。
熊野とか屋久島だとか、ニートのうちにいろいろしときたいとあいこさんは話していた。終身雇用が減ってきた時代ではあるが、仕事を辞めるってのもかなりの決断だったんだろうな。

ちらっと教会に寄ることになった。

サモスの修道院スタンプ、マジグランデ。

これから仕事何しようみたいな話もあったし、この旅で何が変わったかという話題もあった。でも何も変わらなかったと言うそのこさんに対して、それは自分を持ってるからだよーというようなことをあいこさんは言っていた。

話しながらやとあっという間やー、と呟いたのはあいこさん。京都弁で明るくて、(年上だけど)めっちゃ良い子そうってな印象を抱いた。いろんな人に好かれそうだなと。
もう少し歩きたいと思うことになるなんて信じられないと言っていたが、そのこさんもそれに共感していた。自分がフィステーラまで歩くという話をするとそのこさんが興味を持っていたというか、彼女もついこの間までの自分のように悩んでいる様子だった。

メリデという町はタコが有名なようで、店先で呼び込みがあったりしたが、その先のあいこさんが調べてくれた店に寄ることになった。

そりゃもうPulpoことタコさんをいただきますよ。ポルトマリンの前で出会ったヘススを思い出すな。まだ海には着いてないけど。

この手の料理は今まで全然なかったし、新鮮・目新しさという評価ポイントも含めて、美味しかった。
お酒が大好きというあいこさんから、コーラを頼んだ自分に対して、お酒苦手なんですか?という質問があった。敬虔な巡礼者なんで…とふざけて返したら、嘘ばっかしとそのこさんがボソッと言ったのはよかったと思う。うん。

並んでいるバックパックを指して、可愛くない??とあいこさんが言って、気付いたカラフルな光景。後ろの白人巡礼者たちも撮っていて、たまに見かけるスキンヘッドのおっちゃんが自分の肩をぽんと叩いた。

Wi-Fiがあったのでネットに繋いで、何気なくインスタを見てみたら、リーがサンティアゴの大聖堂前に座って、足を伸ばした状態から、最初は靴を写して、視点を徐々に上げて、最後は大聖堂が映るっていうなかなかキモい動画をアップしていて笑った。あいこさんはリーにも会ったことがあるらしい。 


日本人女性2人ともお酒を飲んでいて、もう今日は終了か、あともう少しってな雰囲気だったので、先に自分だけ出発することになった。
あいこさんが、また会ったら遍路や熊野の話聞かせてくださいとこのことだったけど、もう会わないような気がしたので連絡先を交換した。

11時40分頃、雨の中、ポンチョを着ての再出発になった。

人がやたらと多かった。

フリーマーケット(っぽい催し物)が行われていたのが理由か、はたまたこれらの店は常に営業しているのか。

前を行く巡礼者を抜いてしまったら、自力で街中のわかりづらい道を進むしかない。

わりとすぐに他の巡礼者が現れてくれて助かったが、顔に雨粒が当たるから帽子を被りたい。あれだったら膝下を守るゲイターも。

また巨人ダニエルがいて、君のこと覚えてるよと聞き覚えのある台詞を言われた。昨日も会ったしな!
雨が降ってるのも嫌だし、街中はうるさくて嫌いと言っていた。どこまで行くか、あと何kmかを聞かれて、そっちは?と聞き返すと、わからない、とりあえず歩くと。
目印がないねと話していたが、自分が先に進んだ後に見つけて、後ろを振り返ると彼も気付いていて、ああ、そっちだねという風に頷いていた。


木の下でおっちゃんがバックパックにビニールを被せていて、自分はその隣で帽子を取り出した。ゲイターをつけなかったのは、本格的な雨が久しぶりで忘れていたけど、一番濡れる膝を守れないから。まあ、こちらの選択でも、うんざりするほど膝が濡れるというのにはもちろん変わりないが。

その先の教会から男性が大きな声でブエンカミーノ!と声を掛けてくれた。グラシアス!! と大きな声でお礼を言った。

家畜が多いがゆえに、残念ながら、ガリシア地方は悪臭の漂う地方だ。あまりに臭すぎて下水管の中を歩いているような気分になった。でもこれがカミーノの本編クライマックスらしい。
もう日本と比べる必要はない。日本は素晴らしいところだ。カミーノも景色が良い場所はあったが、日本の巡礼の道の素晴らしさには到底及ばない。もう今はスッキリしている。どっちがどうだとかの序列化は終わったから。
日本の巡礼路を歩いたことがない人がほとんどだったから遠慮していた。ご愛嬌だと思って、今まで目をつむり、鼻もつまんで、決め込んではいけないと我慢していた。でももう結果は出た。

数人が黄色いベストを着た5人グループが急いで前へ進んでいって、何なんだろう?レスキューか?と気になった。でもレスキューならば、ここまでだったら車で来るか。

後方から、先程の町の方から、花火を打ち上げるような音が聞こえてきた12時20分。しばらくドーンドーンと鳴り続けていたが、こんな雨の日に何をやってるんだ。

キットカットが美味しくて、半分だけのつもりが全部食べてしまった。ペースはかなり遅い気がする。この天気じゃ洗濯物も乾かない。

元気な3人を追い越すときに、どこからかを聞かれた。日本だと教えると、Beautiful country!と言ってくれた。東京広島京都だとかに行ったことがあるらしい。アメリカからの夫婦ともう1人の3人組だった。

最近自分の出発時間がそれなりに早い。もうレカとは会わないかな。同じくらいの時間や、先に彼女が発つときは休憩中に会ったりしていたけど。

まだいた。結局どういった人たちだったのかはわからずじまい。

天ぷらRio。勝手に揚げないでくれ。

あと5kmなのはいいが、サウナ状態で最高に気持ち悪い。でも脱いでまた激しく降り出したら困るのは自分だし、どうしていいのやら。

この分かれ道で前のおっちゃんは迷って立ち止まっていた。自分は左を選んだ。地面にも矢印があったし、天ぷらリオコースだし。

しかしまた糞の臭いがした。悪臭カミーノめ。サンティアゴ以降はマシだといいな。

完全に邪魔な状態に耐えられず、ポンチョは脱いで手に持った(後にバックパックの左の紐に引っ掛けた)。

右の道を選んだ人たちの姿が遠くに見えた。


韓国の顔馴染みの夫婦がいて、ユアフレンド?と言ってきた。どんだけその質問すんねん…。

そしてまた降ってきた13時40分。

サンティアゴまでフルマラソン1レース分。

口呼吸をしながら、息を止めるように歩かなければいけない道は良い道とは言えない。カミーノ最高!ってな人がいるなら、それは多分他の巡礼の道を知らないか、悪臭フェチの人だろう。それを確信する1日だ。
でもある意味、修行っちゃ修行だったな。意図せぬ形で、巡礼者としての修行を積んでしまった。
(今振り返るとこのとき完全に、くっせーな…とイライラしてるけど、でもスペインのチョコは最高だ、という可愛いメモもあったから大目に見て)

リバディソに着いてしまった。さよならレカ、まさし&アマンダ。

前の犬連れ2人は道を逸れたが、もうちょい歩く人もいます。左へ曲がります。


まだ登りも待っていたが、距離はあと3kmくらいかな。ってかもう2時か。タコタイムで結構ゆっくりしてたからな。
そして先程左に曲がった道は、ただ迂回しただけだった。犬連れは離脱したわけではなく近道を知っていたんだ。そんな気はしていたけど。

次は40kmを切るなと思っていたらまさかの7m残し。   

さんきゅううううう。


あと一町。

着いた。

はい、最初の宿に行きます。

入った瞬間に、おっ!めっちゃ綺麗じゃないか?とテンションが上がった。受付の女性からは、ちょっと電話するから待ってと謝られたけど、まったく気にしない。思わず、大丈夫!綺麗なとこだし!って言いそうになるくらいだったから。

なんかカーテンある!という喜びもあった。

まあ、中は個室というわけではなかったけど、4人部屋のようになっていた。アンダーベッドも使っていいと言われたし、部屋は温かいし、毛布も棚に用意されてあった。

バスルームでスマホをがしゃんと落としてしまって、拾い上げるのが怖かったが、特になんともなくてよかった。右上に傷が増えたけど。

シャワーは裸祭りの開放型。先客は1人(もしくは2人)で今日何度か会った男性しかいなかったから、他の人に裸を見られないで済んだが、シャワー温度は調節できないタイプで、もっと水温を温かくしたかったので星3に降格。

コンセントは2つだけ、下のベッドからは届かない。でもここは当たりに入ると思う。綺麗というのは素晴らしいこと。

腕の虫刺され。

乾燥機は手洗いした物は入れないでと注意書きがあったので、洗濯機も使うことにした。本当は明日えりシンと合流するならシェアしたほうがお得なんだけど、合流できるという確証はないし、彼女たちが洗濯機を使う日とも限らない。前の男性も1人で利用していたようなので自分も続いて機械を回した。

髭を剃りたいけど面倒臭かった。男性専用の洗面台ではないというのもちと気になったし。

スーパーに行きたいけど、外は寒いだろうから行く気が起きなかったし、眠たいけど乾燥機がまだ残っているから眠れなかった。
そして今日は日曜日か、大丈夫かな…と調べてみたら、予想通りスーパーは営業していないようだった。アルベルゲの朝食を頼もうか。

えりこさん(+遅れてシン)はリバディソに着いたらしい。まじか…すごいな…ほんとに追いかけてきた…と喜び以上に驚きの方が大きかった。それに38kmも歩いて明日は大丈夫かな…と心配にもなった。
どういう会話をしていたか文字に起こすより、もうスクショ貼った方がわかるっしょっていうあれ。画像の部分以外の会話では迂回路について教えたりもした。(書くの忘れてたけど、スクショは基本これを書いている現在のものだから、時間は日本時刻です)

 



はい、そうです。シンにタコアピールしたのはこのわたしです。

ほんの少し散策することにした。スーパーは案の定営業していなかったが、アルベルゲ付属のレストランなどは思いの外開いていた。そして午後5時でもまだ歩いてる人が沢山見かけた。

自分のアルベルゲに戻ると、ちょうどブラジルのおばちゃんが受付をするとこで、おお!ってな感じでお互いに目を丸くした。
久しぶりだな。レカが目の前に座っていたあのディナーを思い出す。ジョンも確か一緒で、街の名前は忘れたけど、橋の手前でスウェーデン夫婦もいた。ああ、ログローニョだ。
そのこ情報では、軍隊のような雰囲気で黙々と歩き続けるスウェーデン夫婦に、わりと頻繁に会っているらしい。近くにいるということだろう。あいこさん繋がりで話したサントリーウィスキーの投げキッスは席の位置的に見えなかったようで知らない様子だった。

えりこさんから明日ベッドを2つ確保しといてというお願いが届いていた。そしたら同じ場所まで行けると。


愛されてると返信したのとほぼ同時に、「愛してるtoo」とシンから届いたので、「愛されてるtoo」と送った。
明朝少し待って合流しようかと思っていたけど、先に自分が行く感じかな。となると3人でフィステーラに行くのかな。2人がムシアをどうするかは知らないけど、一緒に行けたらいいな。

宿の朝食を頼んだ。受付のお姉さんに、スーパーがどっこも閉まってて頼むしかないって話すと、あなたが今日通ってきたMelideは日曜も朝なら開いてるスーパーがあるけど、この町は日曜はすべて閉まってるわと教えてくれた。笑うよね 。まあ、にこやかにコミュニケーション取れたからいいってことにしとこう。
それから先程撮っていたレストランのメニューの写真を見返していたら、爆音でお腹がぐるぐると鳴った。特別お腹が空いているわけではないんだけど…すみません…鳴りやすいんです…。

しばらくして若い女の子集団が宿に入ってきて、彼女たちと一緒に来たドイツ人のおじいちゃんが隣のベッドに来た。まだ空いているスペースはあるはずだが、これで個室状態は終わり。誰も来ないもんとロッカーの上に荷物を置いていたから慌てて退けた。
レオンからスタートしたという彼はかなり英語が話せる男性でいろいろな話をした。
アイスランドで出会った日本人夫婦の話や、日本語が書かれたドイツの街(デュッセルドルフ)とその街で行われる日本的なお祭りについてなど。
彼は日本とオーストラリアに来年行こうと考えているとのことだったが、日本の方が面白そうだと言っていた。
弟はドイツ勤務ながら、日本の会社で働いていたらしい(社名も教えてくれたが大手ではなかった)。

ああ、そうだ、知っているジャパニーズの文化の一つ、マスクをする習慣は知っているよと言われて笑うしかなかった。あれって他の国の人から見たら奇妙でしょ?と聞いたら、「君も気をつけたまえ、他の国では」と笑いながら言っていた。(外国人には奇妙に映るというのは知っていたけど、帰国してからもどうしても気になっちゃって、今も病院に行くとき等以外は極力マスクをしないようになった)
長々と話したことに対して、邪魔して悪かったねと詫びを入れるような紳士だった。何をおっしゃいますか、楽しかったですよ。ジョークも時折混ぜてくるお喋り上手なおじいちゃん。
ベッドのシーツを広げるの手伝いましょうか?という提案は大丈夫と断られたが、日本を褒めてくれたことに対して、ダンケシェン!とドイツ語でお礼を言うと、ははーっ!という時代劇っぽい声出しの後に、敬礼をされた。

やっぱり室内は寒かった。毛布ありがとう。
18時50分過ぎに外食へと向かった。お金を下ろしたかったけどATMは見当たらないのでサンティアゴまで我慢かな。

最初メニューを持って来てくれた男性はお喋りで忙しく、おばちゃんウェイトレスを呼んだ。

ドリンクはSodaと(多分炭酸水のこと)書かれていたので、コカコーラはダメ?と聞いたら、最初はなんだかスペイン語でよくわからなかったけど、良しとしよう!みたいな対応をしてくれた。すんなり行くと思っていたからなんだか申し訳ない。完全に日向小次郎なことも許して。

このレストランには初めて見るワンコースメニュー(1st+2ndではなく、どれか1品だけ)があったのだが、運ばれてきたカルボナーラの量を見て、それにすればよかった…と悔いた。でも注文をするときはパスタだけじゃ足りないだろうと思うわけで…ええ…。

隣に来たおっちゃん巡礼者グループと目が合って、ニコっとしたらボナペティと言ってくれた。彼らはそのままフランス語で会話をしていた。

チーズソースのチキン(余談だが、この町の名物にアルスーア・ウジョアというチーズがある)。ポテトもいつもの苦行フレンチフライではなく、ポテトチップスのような薄切りだったので嬉しくて号泣しかけた。

レモンムース。

店員はどちらも感じが良かったし、今までとは変わったメニューも多く、味も美味しくて、自然と評価したくなるレストランだった。
スタンプも押せたけど、そもそもクレデンシャルを持ってきてないという失敗。まあ、教会じゃなくてカフェだとかレストランではあまり惹かれないからいいんだけど。
帰り道は左足首が痛いなと感じた。でもえりこ&シンの2人の方が心配だ。

背が低くて眼鏡を掛けた宿のお姉さんは毎回ニコっと微笑んでくれて、それだけで少し幸せな気持ちになる。
宿に戻ってからは特に何をするでもなく、淡々と寝る準備を進めた。明日はどんな一日になるか。残りの日数が減っていく。
携帯はベッドからほんの少し離れた位置で充電することにした。現在の10%台から回復させるために。


今日の歩み
Palas de Rei – Arzua / 28.7km

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