5月15日。
5時50分に起きるとシンが昨晩言っていたのでアラームはその時刻に設定していた。しかしアラームを止めようとしたらガンッと頭をぶつけてしまったし、シンが起きたのはもう少し後だった。
準備を進める中で、バスルームの洗面台で日焼け止めを塗って戻ると、部屋ではえりこさんがヨガっぽいストレッチをしていた。
(大抵の犯人は東アジア人だが)バスルームから誰かが痰をカーッ!とやったり、ヴォェ!というえずきが聞こえてくるのも残り僅かかなと言うと、あれはシンの確率が高いと思う…と彼女が言っていたのは笑ってしまった。
韓国男子たちは到着の朝になってもまったく楽しくなさそうだった。でもシンが忘れていた帽子を持ってきてくれる子もいたし、決して悪い子たちではなかったと思う。ただちっとも楽しそうではなかったというだけ。
朝食は昨晩食べ切れなかった分をこっそりレストランから(自分が一時的に妊娠して)持って帰っていたパンがメインで、えりこさんが持っていた辛ラーメンも分けてもらったりした。
2人からちょっと遅れての7時20分前の出発。ムシアからにしておけばよかったという後悔を未だ引きずっている。申し訳なさも含んだ感情だ。
火事かな…?
この線路はマドリードへ繋がっていたりするのかなと思いながら見ていたら、ちょうど電車が通った。写真には写ってないけど。
結んだ靴紐をシンが解こうとしてきたり、学生ノリなふざけあいは今朝も続いている。You’re Beautifulネタもシンが歩きながら続けている。
SNSを見るとこれの前で写真を撮っている人の多さに気付く。というか何人かの知り合いもアップしていた。
8時から9時の間に大聖堂前に着くと思うとリーには伝えていたが、このペースでは8時には着かない。待たせるのも悪いからペースを上げて2人より先に行くしかないか。Wi-Fi以外の通信環境がないのは不便でしかない。
地元の人は巡礼者をうんざりするレベルで見飽きているのだろう。視線すら合わさない人が大多数。といっても道中の田舎町にやってくる巡礼者も少なくないわけで、都市の市民が(無関心で)冷たいのはあるあるだ。
藤棚は綺麗だが、大聖堂はまだ見えない。
400mを残して8時になってしまった。ごめん、待たせるだろうな。
グーグルマップを見ながら急ぎ足で歩いていたら少し道を間違えた。地元のおっちゃんにオラと挨拶したらオラ、ブエンカミーノから、道はあっちだよと教えてもらって、グラシアス!とお礼を言ったらチャオと返ってきた。
優しい地元の人ももちろんいる。でもこの間違い+信号待ちで結局2人に追いつかれたし、後ろに戻ってきたときにはえりこさんがめちゃくちゃニヤニヤしながら自分を見ていた。恥ずかしい。
旅を終えたように見える巡礼者も挨拶無視率が多くて不思議だった。なんでだ。心が洗われるような感覚はないのか。
早く着きたい。でも大聖堂(カテドラル)の3本の尖塔は見えてきた。笑顔の巡礼者ともすれ違った。何事もある程度の量は見た方がいいらしい。
『ヨーロッパはコンポステーラへの巡礼路で創られた』 強気な姿勢良いと思います。
確認しづらいが、インフォメーションセンターにフィステーラとムシアのポスターが貼ってあった。それを見ていると、ムシアが後でも別に問題はなかったかなと思えた。
昨日レストランに行くときにすれ違う自転車巡礼者を3人で応援したことをふと思い出した。
素敵な建築物が沢山あるけど、どうせサンティアゴにはまた来るわけだから写真は二の次!と思っていてもそりゃ撮っちゃうよね。
そして8時16分に到着した。広場の名前はオブラドイロ広場。
工事のエレベーターの音でお出迎えだった。心理的にバタバタしていたというか、焦りの感情が大きかったからか、達成感はほとんどなく、ここか…という冷静な反応になった。でもきっと嬉しいはず。800km歩いてきたわけだから。
大聖堂を正面から見ると、左にはParador de Santiago de Compostelaという高級ホテルと、併設のレストラン。このパラドールでは証明書を持っている先着10名に食事が無料提供されるらしい。
大聖堂に面する形で建っているのは官公庁。
うん、ここまで来たんだ。一枚の写真では収まりきらないくらい巨大な、サンティアゴ・デ・コンポステーラのカテドラルが目の前にある。
自分と建物との間にあるのは距離だけでなく、荘厳さというのものが圧縮されていて、ふらりとは近付けそうにない佇まいだ。
上の写真と背景が違いすぎるのは、雲が早く流れていたから。こちらの青空の下の写真の方が綺麗。
3人で一緒にたどり着いたので、お互いの姿を写したり、せーのでジャンプをして記念写真を撮ったり、サンティアゴに到着したという喜びを分かち合った。
ってかリーがいない。まだ来てないのか、もう帰ったのか。広場前は遠くまで見渡せるからわかりやすいはずなのにな。
逆側にも何か人が待つような場所はないかと少し奥まで進んでみたが、リーの代わりに韓国人団体ツアー客がいるくらいだった。ATMがこのタイミングで使えたのはよかったけど。
まだ時間が早いので、お土産の出店も準備中。
観覧車が見えた。乗りたい。
広場で証明書を撮影する女性巡礼者。でも自分たちはまだ証明書は貰わない。
この大聖堂前の自分の後ろ姿はなんだか自分ではないように感じる。なぜだろう。(2人が撮った写真もたまに貼っていきます)
あれこれと記述しなくたって、この2人の横顔が一ヶ月の旅を物語っている気はする。
でも、気分はどう?と聞いてみたら、シンは「Good」と返ってきたが、えりこさんは「感無量、でも終わった感ない」とのことだった。ええ、自分も同じです。まだ終わってないさ。
まったく姿を見せないリーの完コピ。
嗚呼… pic.twitter.com/VrsPgZXGaI
— 末宗凌 (@SuemuneRyo) 2019年1月20日
昨日アルベルゲでモンベルっぽい服を着た東アジア系のおっちゃんがいた気がしていたが韓国人だった。彼にソニーのカメラで撮影を頼まれた。奥にはシガレットガールと一緒にいた男性もいたが、彼女と一緒ではなかった。
歓喜の丘に泊まっていないとこの時間に到着する人はほとんどいない。だが今ゴールをした人の数は多くなくても、満足気な表情をした人の数は充分だった。みんなどこか嬉しそうで、また感慨深い様子だった。
約40分の滞在で聖ヤコブに一旦別れを告げ、今後の道をインフォメーションセンターに聞きに行くと見せかけて、いや、もっと西に向かえばきっと道はあるはず、行ってみよう。と提案してみた。
すると広場からすぐ近くの場所に矢印を発見した。道はまだ続いている。
でも喉が乾いていたので、スモデナランハ飲みたい気分…と自分が呟いたらカフェに行く流れになった。最後に着いた人が払う!とえりこさんが言って、3人でダッシュした。
一番年下というのはあるが、ケーキとかパンとかいろいろくれたり、あまり支払いもさせてくれないし、ほんとに可愛がってもらってるなと感じる。
目的の品だったのになぜか超遅れて届いたスモデナランハ。(お皿が汚い状態で失礼)
目が合って手を挙げる巡礼者ももうフィニッシュの人がほとんどかな。iPhoneは昨日も落としてしまったから画面の傷が増えている。
El Carmen Hostelというアルベルゲが良さげで、シンのアプリと照らし合わせた。ここから19kmらしい。
あんまり1人で早く行きすぎても自分は連絡を取りづらいし、これからどう進もうかなという迷いはあるが、この楽しい感じでまだ旅を続けられることが素直に嬉しい。
歩きを再会するとまだこの先も歩く人が案外いるということに気付いた。
シンと似過ぎでしょって落書き。歯は寄せてるけど。
特別感のあるマイルストーンもあった。2つとも刻まれていたらもうどっちも行くしかないでしょ。フィステーラまでは89km。ムシアまでは86km。
石の割れ目に足を突っ込んだ人が昨日、フィステーラにある0kmのマイルストーンを撮りたいと言っていたので、じゃあそこで撮ってあげるよと言った。
フィステーラの距離が表示されるようだ。
フィステーラのF。サンティアゴまでしか歩かない人には決して見られない景色がこれからの自分たちを待っている。
馬鹿やりながらを歩いていた。89kmとか1日で行けるわ!と自分が飛ばしたら、シンは1時間で行けると言うので、タクシーやん!!と下り坂をクネクネ下りながらツッコんだ。
テント前に掲げていた文字を読んでいない(写真にもきちんと写ってない)からわからないが、多分物乞い系かな。貼るべきではないのかもしれないが、サンティアゴというゴールのすぐ先にいることに驚いたので…。
坂道を登った後は3人とも上着を脱いだ。暑い。
また会おうサンティアゴ。
シンが歩きながらストックを回すも落としたのでブーイング。その次に回したら自分も落とすという華麗なオチを、バックパックの左にギリシャ国旗を付けた男性が後ろでニヤニヤと見ていて笑った。
明日は33kmという予定に、今日伸ばして明日短くはできないの?とえりこさんから質問された。この先はアルベルゲがきちんと存在する町も減るので難しいのです。
シンは今日はエナジーが有り余っているらしい(とか言いながらちょっと遅れたけど)。自分はそれなりに疲労を感じると言ったら、りょう君は背高くて足も長いから上りとか下りは苦手だよねと。
思ってたより人いるし、アップダウンもいっぱいある、とえりこさん。目印となるマークもしっかりある。うん、フィステーラとムシアはエキストラじゃないんだ。サンティアゴが八合目なんだ。
これといったベンチはないし、カフェも少ないので、バス停で休憩する人の姿を何度も見かけた。
今日のご機嫌ガールは「こ~ころを何に例えよう〜」と手嶌葵のジブリソングをよく歌っている。線路はつづくよ~だとか、トトロのさんぽも聞こえていた。
一昨日の宿がベッドコンプリートで、次の町まで3km進むしかないという事態になったときは、初めてだったから逆にテンションが上がったらしい。
コンセントアフロ男性を発見。天パかもしれない。
手にマメができそうと呟いていたから、なんでそれ使ってるの?と聞いたら、気に入っちゃって…とのこと。遍路で鈴を鳴らしながら歩くのは気持ちよかったという話をしたら、今日鈴を探そうと言っていた。ちなみにこの杖はフィステーラまで持って行くらしい。
シンは後方にいたので、しばらく2人で話しながら歩いた。
日差しはあるし、道も平坦ではないので、涼しい風が救いだった。
カッコウどこにでいる説を自分が唱えたら、えりこさんからはヘミングウェイゆかりの地ありすぎ説が挙がった。
カフェとか全然ないねーと話していたが10時50分前に発見。急いでも仕方ないかってことで寄ることにした。他の巡礼者も沢山寄っていたし、シンもすぐに合流した。
外の席でいただきました。
天パ君はオレンジを自分たちに二個くれた。最後だけ相席になった白人夫婦の奥さんは、えりこさんの木の杖を指して「素敵ね、彼(僕です)が持ってるような物より好きよ」と言ったが、でもわたしそういうのも持ってる!とえりこさんが自身のストックを指差したら、何も見てないわ!と自らの手で目隠しをしたので面白かった。
再出発は11時15分頃。
鶏が鳴いていて、香港では(コケコッコーを)なんて言うの?と聞いたらコーコーケーだったかな。
ちなみにチキンはセックスワーカーって意味らしい。えりこさんが前に行ってたし、その流れでシンに日本のAVは見たことある?と何気なく聞いてみたら、みんな見てるさと返ってきた。
波多野由衣がリンチーリン似で人気ってのは聞いたことがあったから、知っているか聞いてみたら、大人気とのことだった。名前は中国名だったから覚えてないけど、シンの友達の会社に来て、その友達が写真を送ってきたこともあるらしい。どうやら本当に日本のセックスワーカーは世界で輝いているようだ。
前にいたえりこさんに追いついたので、今度はこちらの2人で話しながら歩いた。
例のなっちゃんは看護士らしい。あの失踪事件のせいで、えりこさんにとって大切な存在であるゆみこさんのカミーノに、憂慮するような出来事を作り出した人がいたことを、とても残念に思っている様子だった。
ゆみこさんは自分にも親切にしてくれた人でもあるし、そういう人に無礼な態度を取って、去った人間にため息が出る。でも改めて考えてみても、30歳であれはないよな。結婚したい彼氏がいるらしいが、その男性も気の毒だ。あんな女に引っかかって。
とても感じが悪いというのは一瞬での印象だったので、それは外れていてほしかった。そのこちゃんはフリーダムではあったが決して悪い子ではなかった。たった一人、残念だ。
シンと2人で歩いてたらそうはならないけど、りょう君もいたら完全にシンがおもちゃになるよね。どっかで隠れてイタズラしようよと提案があった。
カミーノのトラウマを挙げてみた。ホースパワー(糞の臭さ)と、吠える犬、あと一個あっていいな。あ、冷たいシャワーを加えよう。
とても良い気分だった。天候にも恵まれて、人も多過ぎない。しかし歩いている巡礼者たちからは連帯感を感じる。(今まではスタート地点等もバラバラだったが、ここを歩いている人たちは。サンティアゴの先を歩く決心をした人しかいないから)
さかむけが痛い…と自然に西日本の方言が出てしまったが、でもりょう君九州感ない、わたしより標準語と。
方言どんどん使っていこ!と言ったら「そんなこと言っても全然わからないからね」を茨城弁の訛り全開で言ってくれて面白かった。有村架純もネイティブには勝てない。
1人で歩いていた女性が韓国語で話しかけてきた。多分、同国の人を見つけた!と思い、韓国人ですか?と尋ねてきたのだろう。そういえばサンティアゴ以降韓国人を全然見かけなくなった。あれだけ多かったのに。
野良ヒツジと野良ヤギ。
いかにも牧場っぽいところにいればもう驚きはないが、住宅街の雑草が生えたような場所にいるとさすがに戸惑う。
わんわんわん。
昨日より確実に登っている。遥かに多いし、長い。歓喜の丘やサンティアゴで減ってしまったカタルシスポイントを一気に稼ぎに来てる。
完全に登山ですよ。ずっと登山ですよ。標高等の予備知識を全然頭に入れてなかったから驚きでしかない。22kmだから短くて楽な日と予想していた。ちゃんとガイドブックを読んでおけばよかった。
えりこさんも頑張ってます。
登りが終わる頃に、バックパックに名前を入れてるおっちゃんがいた。
今日の目的地であるネグレイラまであと7km。海を目指してはいるが、大海原など見える気配は一切ない。
もしアルベルゲを経営するならって話もした。えりこさんは経営したいらしい。自分も同じことを道中で考えたし、ゲストハウスなどで似た妄想をすることもある。(結局ゲストハウスも民泊もやりはしないんだけど)
庭に犬がいたり、ウェルカムドリンクを出したりしたいと言うと、彼女はミニバーが欲しいと言って、どこかのアルベルゲでバナナに練乳をいれた美味しいウェルカムドリンクが出てきたというエピソードを教えてくれた。
そして、あれだったらムシアはB&B(ホテルなどではなく、一般人から部屋を借りるようなサービス)を使ってもよかったかもね。あ、後でチェックしていい?と聞かれた。自分にはまったく浮かばなかったアイデアだ。
奥に見えてるあれ東屋じゃない?と近付いていったが、廃屋でした。
頭上に藤棚がある休憩スペースで、靴を脱いで足のリリースタイムを取っていたら、遅れてシンもやって来た。
ムシアは部屋を貸し切って、周りを気にせずくつろごうということになった。アルベルゲの予約はキャンセルすることにはなるけど、3人で過ごしたかったからオッケー。朝もゆっくりできるし、素晴らしい提案だ。
青空と緑。サンティアゴ以前のそれとは少し違うように感じるのどかさ。
なんか、しょぼん…(´・ω・`)ってしてて可愛い。悲しいことでもあったのか…。
後ろの奴はやたらとうるさかったけど…。
あと3.5km。サンティアゴからは17km歩いてきたらしい。
この美しい村のことはとても印象に残っている。長い石橋が幅の広い川の上に架かっていて、その橋を対岸へと渡る間に見た風景は、旅全体を通して考えても、最も美しかった情景と表現しても過言ではないかもしれない。
川の流れ自体にも迫力があった。
橋を渡った先には小さな教会。
気分は悪くないけど、腰に違和感がある。痛みというよりは、スパッツ生活から早くおさらばしたいという願望。
また美しい風景の中に放り込まれて、前にいる女性は癒されるねという言葉をこぼしていた。うん、歩いてよかった。
誰かと一緒にゴールしたかったからできてよかった。ひとりだけどひとりじゃない。と彼女は言っていて、それにとても共感できた。漢字にすると、一人だけど独りじゃない、がいいだろうか。今は完全に一緒にいるけど。
一人だったらフィステーラまで歩いてなかったかもとも呟いていたので、自分もえりこさんに急かされて(後ろから追いかけられ)なかったら歩いてないと思うと言った。
あれだけ余裕ぶってたシンがやる気を失ってると自分から聞いたから、ケツを叩きにいかなきゃとやる気が出たらしい。シンはシンでお前らが追いつくの待つためにゆっくり歩いてたんだと言ってたみたいだし、みんな一人だったら歩いてないのかもねって。
それでも今はこうして3人で地の果てを目指している。最高な締めくくりじゃないか。
今日は良い道だったね、昨日はつまらなかったという言葉が聞こえた。間違いない。
#meltydog
どっちだよ。
そしてネグレイラ突入。
このインフォメーションセンターっぽい小さな建物の裏に隠れてシンが来るのを待った。それで彼が来てからは気付かれないように後ろをついていったというイタズラ。
爆笑しながら尾行したから写真は上手く撮れなかったけど、反対側の道をシンが歩いていた。途中で可哀想になって止めたけど。
「こういう町もいいよね。オスピタル(デ)オルビゴみたいな。程良い感じ」とえりこさんも言っていたように、程良い感じの町だと思った。町の規模としてはこちらの方が少し拓けてそうだが。
チェックしていたアルベルゲへ。14時半到着。
自分たちの前に受付していたのはおっちゃんたちだし、ベッドルームにいた人たちの中にも、若い巡礼者はいなかった。(前の人たちは荷物サービスを利用していて、まだ使う人がいるんだという驚きはあった)
手持ちの残りが少ないとのことでえりこさんにボディソープを貸した。Dove Menは別に嫌な匂いではないけど(好きな匂いとは彼女も言っていた)、女の子も使うことになるならMenじゃない方にしとけばよかったなと。ちなみにシャワーは温度調整はできなかったが最高の温度だった。
シャワー後の部屋に2人の姿はなくて、下のバーでお酒を飲んでいた。でもシンの足がかなり腫れていて、大丈夫か…と心配に。
そのこちゃんから、 夜8時に会おうってソナたちが言ってると連絡が来たが、もう遅い。そのままフィステーラに行くことはリーに伝えてたんだけどな。でもミサに出て会うらしいので、きっとそちらも楽しいだろう。
彼女は帰国の便を伸ばして(それが可能なチケットだった)、数日休んでからフィステーラまで歩くかもとのことだった。自分がそのまま歩き続けていることを伝えると「クレイジーか」とツッコミが入った。
ちゃんとLINEをやりとりしたの実は初めてだけど、なんだか可愛く思えた。思えば出発前に出会った子だもんな。
スーパーへ行った。自分は飲まないが、プレゼントしようとワインをレジまで持って行ったが、シンに奪われて結局支払えなかった。
こちらが泊まっていたアルベルゲ。右は薬局。
チョコを買ったのはいいけど、これ普通に日本のスーパーで売ってるのをこの前見かけたっていうね。
それから(ランチとして)食事に行ったが、17時前なのでほぼ夕食の時間。めちゃくちゃ中途半端。
シンのゲップに対する「ナンダヨ」等のツッコミパターンに、気にしないよ的な「イイヨ」の逆パターンとして「良くねえよ」が追加された。
アプリで明日の標高を見せてもらったら引いた。また山かよ!それで33km…?と。
これは明後日の分だが、ガイドブック情報からすると大西洋が見えるのはCeeの前辺りみたい。
明日のアルベルゲはこちらをチェック。
帰り道にヒッチハイクしようかみたいな話があって、自分はじゃあ可愛い犬連れてくるわと言った。バスやタクシーは楽しくないけどまあヒッチハイクならありなのかな…?
回していた乾燥機では乾き切っていなくて、ランドリールームの物干しスタンドに干した。外に干せばすぐ乾きそうな天気だが、町中なので外に干す場所はない。
どうやら冗談ではなくて、本当にヒッチハイクをするみたい。最後の5kmくらいは歩くと言ったのはえりこさん。
でもヒッチハイクでもいいと思う。えりこさんは腰を痛めているし、シンはスネを真っ赤に腫らしている。自分も遍路のときに痛めた箇所が危ない状態になるような気がするし。
明日海が見えるわけでもないし、もう楽しければいいだろうみたいな感じで受け取れる。サンティアゴまでも全部歩いたんだから。
まあ、多分30km以内なら2人も全部歩いたと思うし、自分は明日も歩けるけど、楽しむ方がいいさ。
18時に2人とも寝ていた。自分も先程から眠気に襲われているけど、寝すぎるのが怖かったので、パワーナップよりも短い仮眠を取った。
Wi-Fiが遅くなってきてほとんど繋がらない状態になったので、アルベルゲではあえて避けていた音楽鑑賞をした。18時半を過ぎても2人も他の巡礼者もまだ寝ている。
この時間に大聖堂前にいたらきっと楽しいだろうな。再会&再会でね。でも今この2人と一緒にいるのが一番楽しいのは知っている。
歓喜の丘のレストラン前後に香港に今年2人で行くわとえりこさんが言っていたのを思い出した。(結局行ってないけど)
プランも変わってくるので、2人が寝ている間に、ヒッチハイクをする場合の計画を煮詰めた。日本のガイドブックは本編より情報が少ないが、アルベルゲリストが書かれた紙には地の果てまでの宿情報が載っていたので、マップを見つつ、距離を計算したりした。O Logosoという村に1つアルベルゲあるから、そこまで行った方が翌日歩く距離は短くなるぞ…とか。
しかし2人が起きると、ヒッチハイクはやっぱり冗談で明日も全部歩くということだった。まあ、全部歩くなら、全部歩くさ。
ピザ屋に行くことになったが、じゃんけんで負けた人が買いに行くという流れで負けた。でもそれもノリな発言で、2人も食べに行くとワインを持って行った。(出発するときに、あ、ミスったとえりこさんが言って、どうしたの?と聞いたら、ノーパンだということに気付いていた。どういうこと)
いろいろあるけどピザを食べます。
王心凌についてシンと話していたが、自分が知っているHoneyにMr.は要らない…。
えりこさんはサンティアゴへ着いたことに家族や友人からおめでとうというメッセージが届いているらしい。でもまだ歩いているのはきっとみんな不思議に思っているだろう。
店にWi-Fiのパスワードはないし、シンの新しいSIMカードものろのろみたいだから、えりこさんがポケットWi-Fiを使わせてくれた。できるだけ抑えて使います。
サンダルで来ているので関係ないが、靴は脱ぐなという注意書きがあった。ここの店員のおばちゃんたちは冷たい印象を受けた。まあ、ワインはあれだけど…。
空き家で寝る俳優がいるという話は今日聞いていたが、そのスロベニアのジョシュアという男性が店の前を通って、えりこさんとシンがヘーイ!!と呼びに行った。シャワーを浴びたいときだけアルベルゲに泊まるという彼は午後9時前なのにまだ歩いていた。
彼にアルベルゲの名前をえりこさんが教えていたが、でもわたしたちの名前覚えてないよねという流れで、Erikoは難しい。Rioは簡単で羨ましいと言っていた。
帰りに喉が乾いていたからまたスーパーに寄って飲み物を買って帰った。
2人はストレッチ&メディスンタイムの後、そのまま自分のベッドに襲撃してきた。ふざけ倒しまくりで、シンが3歳児レベルというdisりネタも、台湾人のボボの変な発音の「ソウナンデスカ?スゴイデスネ」ももはや鉄板ネタ。
22時を過ぎた。寝れるかな。えりこさん曰く自分はいびきをかかないサイレントスリーピングらしい。逆じゃなくてよかった。
リーはもうバスでフィステーラに着いたようだ。会えそうにないな。
22時半頃に携帯を置いた。明日は多分今まででトップクラスにキツい1日になる。でも残り3日。頑張るしかない。
今日の歩み
Monte do Gozo – Santiago de Compostela – Negreira / 26.5km