5月21日。
2時半に誰かのアラームが鳴り続けているのに、全然起きなくて止まらないから、ご立腹の男性がイラついてHey!!!と大きな声を出したり、誰だよ止めない奴は…といった感じで近くの人と喋る声が聞こえていた。
自分は5時50分にアラームで起きて、えりこさんとシンが同じベッドで寝ていることに気付いたけど、いやらしいそれではないことは知っている。どちらも泥酔していて上段まで上がれなかったのだろう。
ちらっと目覚めたえりこさんに「6時に起きたら間に合う?」と聞かれたけど、その時点でもう6時は過ぎていた。眠たいけどまた寝たら起きれそうにないとのことだったので、6時半に起こしてあげた。その頃にはシンも起きて歯磨きをしていた。そしてまたiPhoneを落とす自分。
Girlの簡易お化粧タイムが終わって宿を出た。えりこさんはシンに気を遣って、ここでいいから寝ててと言っていたけど、彼が絶対来たいのはわかっていたので、おいでよと自分は声を掛けた。本人も一緒に歩くために起きたと。
ほぼ同じ身長なので難なく肩を組める2人。でも自分とシンのBoys~!は裸足サンダルだったので寒かった。Socks~!
さよならサンティアゴ大聖堂。
自分たちと同じように駅へと向かう巡礼者の姿も見かけた。ゴールの街は別れの街でもある。
駅の横にはカフェテリアが併設されていたので、もうちょっと早く来てのんびり過ごしてもよかったかもなと思った。
駅舎内にはのりさんがいた。でもホームの番号がまだ出ていない。
程なくして4番と出て、シンとハグをしてお別れをした。外国人ではあるが日本人と変わらない距離感で過ごしてきた仲間との別れにみんな淋しげだった。本当に楽しい時間をありがとう、シン。
簡単に渡せる日本っぽいお土産でも持ってくればよかったと思いながら、荷物検査を終えて、えりこさんと2人で電車を待っていたら、まだ乗り込んでいないのにコーラを開けてしまって笑った。なんで開けたんだろう今…と。
シンがいなくなった寂しさを感じながらも、新たなマドリードへの旅立ちにそわそわと浮足立ったり、上記のように笑っていたりと過ごしていたら、
突然低いトーンで「日本人ですか」と後ろから日本人のおっさんが話しかけてきた。お守りをつけているから話しかけたらしい。
今回ポルトガルの道を歩いて、今までに7回カミーノを歩いたという男性だったが、まあ、なんていうか、あのなつこ以上に感じの悪い、いや、最悪なおっさんだった。
何日で歩いたのか聞かれたので「フィステーラとか込みでだいたい40日ですかね」と明るく答えると、「僕は21日で歩きましたよ」と鼻で笑いながら返してきた。正直、動揺した。所要日数で明らかにマウントを取ってきたのがすぐに理解できたから。「すごいですね」とは返したけど、まさか、たった今会ったばかりの初対面の日本人から、そんな風に煽られるとは微塵も予想していなかった。
ほんの短い時間での接触だったのに、あそこまで印象を悪くできる人間も珍しい。すべての発言から人を見下した態度を感じたというか、人間性という点では、今まで出会った全人間の中でもワーストクラスだったと思う。一切の誇張なく、そう思った。
「(何度も来られるくらい余裕はあるのに)交流の旅でさっさと歩いて行くのって何が楽しいんですか?」だとか皮肉を言おうと思えばいくらでも言えたけど、面倒臭いし、何よりこれ以上絡みたくないタイプの人間だったから言わなかった。向こうも自慢を終えると何も言わずにどこかへ去っていったし。
受け答えは自分がしていたが、えりこさんも当然困惑していて、彼が去ったあとに目を合わせて、なに今の人…感じ悪かったね…というデジャヴ。あれか?なつこの父親なのか?
ただでさえ人数の少ない日本人のイメージを、ああいう人間が外国人相手に与えているのかと思うと本気でゾッとした。彼のことは嫌いになっても~ですよ、本当に。
気を取り直して乗車して、まだ薄暗い中出発した。
明るさが増してからもしばらくは霧の中だった。
Wi-Fiがないので今は調べようがないが、マドリードのことを全然調べていないということに気付いた。日本を発つ前に宿最寄りの地下鉄駅の番号を調べただけだ。
食堂車に行ってみた。楽しい時間。
ホットサンドしか頼まなかったが、とりあえずこれでお昼までは大丈夫だろう。
トレッキングパンツがやはり汚れすぎているのでなんとかしたい。宿の近くに店があると助かるんだけどな。早めにやるべきことリストのかなり上位だ。
車窓はなかなか綺麗だけど、つい最近カミーノで見てきた光景での感動に比べれば物足りない。そんな感じ。
席に戻ってしばらく経って、ふとスマホを見たらWi-Fiが繋がる…!?と驚いたら、えりこさんが自分の車両まで来ていた。のりさんも誘って3人で食堂車へ行って、これからの観光のことをメインに話した。
視線の先にはポルトガルの大地。カミーノを思い出しながら眺めていたが、えりこさんは(今までの景色に似ていて)切なくて直視できないと言っていた。のりさんは自分と同じく車窓を見るのが好きらしい。
のりさんは知り合いがマドリードの駅まで迎えに来て案内などしてくれるらしいが、自力で動くしかない若者2人は熱心に調べ物をしていた。えりこさんは帰りの飛行機が変更できたなら自分と回っていたかもしれない、という話しぶりだったが、それだと寂しい思いもせず楽しかっただろうな。
隣空いてるよとのことだったのでしばらく彼女の(自分よりグレードが上で快適な)席にお邪魔していた。乗客がそれなりに待っている駅に着くと元の車両に戻ると、隣だった女性が窓側に移動していて、あ、そのままでいいよというやり取りがあった。
後でのりさんの席にも行って少し話したが、聞いていたとおり、4人のボックス席で屈強な体の男たちが3人揃っていた。なんという不運…。
到着予定時刻の13時6分を過ぎても到着しないので、えりこさんが不安そうな表情でやって来た。でもまだまだです。スペインの鉄道っぽいわ。これからも余裕を持って行動しないとな。
結局13時17分にマドリード・チャマルティン駅に到着した。えりこさんに顔がわくわくしてると言われた。
のりさんとも別れて、ここからは地下鉄で移動。
後でまた会うが、えりこさんとも一旦ここで解散。シンの真似をして「ゼンゼンダイジョブ」と言ったら、「悲しくなるからやめよ」と言われた。
乗るにはカードが必要だったので購入した。そんなに何度も乗らないから切符の方がよかったんだけど。
もう1ヶ月以上スペインにいるので、地下鉄の駅から地上へ上がってもドキドキはそんなに感じなかった。でもバルセロナに着いたら違うかもしれない。
チェックイン時刻はまだなので、ホステルではとりあえず荷物を預けた。受付には女性が2人いて、口コミ通りフレンドリーな対応だった。マギー似のソフィアは可愛いかったし、英語が通じるのも助かる。
アフターカミーノなんだと言ったら、どうだった?どこの道が綺麗だった?と質問が続いたのだが、もう1人の黒髪パーマの女性が、わたしも行ってみたいとのことだった。行くべきだよ!と言っといた。
マドリードは始めて?という質問からはマップを使った案内もしてくれて、Wi-Fiも繋げてくれた。
荷物置き場。多いな。
えりこさんに連絡を取って、待ち合わせ場所になっている飲食店へ。
ここはマヨール広場。宿と街の中心部の間にあるので、滞在中は繰り返し通ることになった。
はい、着きましたラーメン屋。日本食が食べたいと話していたのでね!前々から!
行列もできていた「らーめんかぐら」
並んでいるときに「めちゃくちゃすするよ、つまりジャパニーズを見せつける」という宣言を聞いていたし、レオンのうどんでもそうだったので自分は驚きはしなかったが、えりこさんの麺をすする音を周りのスペイン人たちが気にしていたのでちと視線が痛かった。 隣のかなり太ったタトゥー女子2人なんて頻繁にチラ見してきていたし。
自分は国内にいてもできるかぎりすすらない変態だし、郷に入っては~も結構気にするタイプだからあれだけど、でも難しい問題だよね。本場の食べ方が彼女のそれなわけだし。うん、難しい。
とりあえず日本の味に飢えていたし、お腹いっぱいになれたので大満足。ちなみにキャベツにはとんかつソースがかけられていた。
それから一緒に太陽の門(プエルタ・デル・ソル)に行ったが、何やら人だかりができていた。
この場所には大勢の観光客が集ってはいたけど、言ってもただの広場なので、特に何かがあるわけではなかった。
ちなみにこれは最も有名なクマとイチゴノキの像。まあ、うん。
しかし!!!!人だかりの目的はレアル・マドリードの登場を待っていたからだった!!!え!!!まじかよ!!!クリスティアーノ・ロナウドやベンゼマがいるのか!?!!?!?なんてラッキーなんだ!!!!
と期待が高まったけど、レアル・マドリードはレアル・マドリードでも、バスケットボールの方だった。外国人観光客はさぞガッカリしたことだろう。悪いが自分もバスケの方は誰も知らない…。
続いてやって来たのは王宮。
写真を撮ろうとしたら高確率でアジア人観光客が写り込む問題について話そうか…。(話さない)
入場しました。
全焼していたが1755年に再建された王宮。でも現在は王族は住んでおらず、国の行事等で利用されている場所なようだ。
撮りたくなる綺麗な部屋がいくつかあったが写真撮影は禁止だった。特にシャンデリアが美しかった。
首都なんだから当然だけど、KFCだけでなく、スタバやマック等有名チェーン店が何でも揃っていることが衝撃だった。この1ヶ月ほとんど見かけなかったから。
んでZARAに行ったわけですけどね。そこで悲劇が起きるわけです。
はい、iPhoneを派手に落下させてしまってね、本気の破損ですよ。いやー、やらかしたね。ダメージジーンズを見てたらダメージiPhoneができるとはね。 傷が左端に集中しているのが不幸中の幸いだけど、保護シールを貼ってなかったら終わってた。次落としたら本当に終わる。いくつか線が入っているけど今更ケースつけても遅いよなーと思っていたらこれ。(写真は後でえりこさんに撮ってもらったもの)
入力しづらいし、見づらいし、めちゃくちゃストレスだった。ズボンとシャツが汚過ぎる問題は購入したので着替えれば解決だが、画面が粉々になった事実はどうしようもない。
実はかなりショックだし、(えりこさんに使わせてもらっている)Wi-Fiがなくなることも不安だし、予定に入っていることもいろいろとわからないことだらけで嫌になるし、スーパーも行かないといけないし、とこの出来事をきっかけに極度のストレスが襲ってきた、というか、もはやパニックに近かった。
でもまあ、1人だと自分でなんとかするだけで、なんとかなるだろうという気持ちはある。余裕を持って行動するだけだ。とりあえず画面に関しては急いで慣れるしかない。うん。早く自宅に帰ってiPhoneの画面を修理したい。
女子の買い物()を待って、そこから裏路地を抜けて、次の店へ向かった。
多くの観光客が集う老舗のチョコラテリア「サンヒネス」。人気店だけあって、客が多すぎて外も一階の席も空きがなく、地下に行くしかなかった。
日本人にも人気の店なので日本語メニューもあるのです。
名物はホットチョコと揚げたてのチュロス。サンティアゴ巡礼が終わったら食べようと考えていたけど結局途中で食べちゃったよね。味はもちろん美味しかった。また食べたいな。
でも手前のはあれ。バニラシェイクと書いてあったから(マックのそれをイメージして)頼んだのに、全然違ったというあれ。ただのバニラ風味のゲロ甘ドリンクなあれ。
お昼辺りに回っているときは、マドリードは観光地の距離もそう離れてないし、そもそも名所も大したことなさそうだから2日で充分だなと思っていたけど、考えてみたら、美術館は時間を食うだろうし、意外と忙しいということに気付いた。正直時間・日数が足りないので、いくつの観光地を諦めないといけない。
店を出ると、えりこさんの提案で、寂しがってないかとシンに電話をしてみた。でも彼は台湾の巡礼者に会って、中華のあの店にまた行ったと、意外と元気で楽しそうな様子だったので、えりこさんはなんだかガッカリしているようだった。でも気持ちはわからんくはない。こっちが振った元恋人があっさり新しい恋人を作って楽しんでるみたいなね。あれ、違う?
とりあえず彼女とは今日はここでお別れ。また明日。
(何日か前に、メモをまとめきれてないという自分の何気ない発言を聞いて、仕事の邪魔かもと気を遣って別の宿を選んだらしいが、いらないそういうの!と言ったら、ええ…よかったの?という流れがあった)
過程でチャンピオンを失ったマッシュルーム。
帰り道にスーパーに寄って、改めてホステルでチェックインをしたが、受付は(酒に酔って暴れている人がいたらきちんと対処できそうなガタイの)男性2人に変わっていた。片方の男性はとびっきりの笑顔でKonichiwaと挨拶してくれたり、名前を聞かれてRioと答えたら、ストリートファイターの名前みたいでCoolだ!と言ってくれたり、とても感じが良かった。
部屋に戻ってきてシャワーを浴びて、手洗いで洗濯をした。
悩んだあげくZARAではジーンズと白シャツを買った。シャツの色は特に悩ましかったが、中に着るスポーツ系の長袖Tシャツなどにも無難に合いそうな白にした。
不要になったトレッキングパンツは捨てた。屋久島に行く前に買って、熊野古道でも履いていた愛着がある物だったので、今までありがとうという気持ちを込めて、ゴミ箱に入れた。
帰り道で、購入した水が重すぎてZARAの紙袋が破れて、入れていた物が道の上に落ちて拾うという悲劇があったのだが、その際に購入していたクッキーとチョコを落として紛失してしまっていることに気付いた。結果的に誰かにプレゼントしたわけだが、有線イヤホンのカバーも片方見つからないままだし、今日はめちゃくちゃついてないな。最悪な日だ。
外で雷が鳴りだした頃、部屋にブラジル人と中国人の20代の女の子が戻ってきて対面して、握手を求められた。
中国の女の子はシン・ゴジラの石原さとみ風のかぶれっぷりで、Oh my godなどの独り言も英語だった。その彼女が積極的に喋りかけてきたのだが、「ヨーロッパを旅してるの?」と聞かれて「カミーノを終えたんだ、知ってる?」と聞き返したら「聞いたことはある。ポルトガルからスタートして〜」といった感じだったので、いくつかルートがあることを教えたりした。
誰かが話しかけてくれるのは別に構わないし、カミーノ中も多くの外国人と交流してきたわけだが、一般の観光客とこうして接することにはなんだか違和感があった。そういうもんかな。どうだろうね。
5月22日。
7時過ぎに起きたけど当然みんな寝ていたし、おまけに巨漢すぎる女性のパンツ姿も目に飛び込んだ。女性の下着を見て興奮しないのはレアなケース。
アップルストアに行くことも考えたがAppleCare+には入ってないし、マドリードなのできちんとした修理屋もあるみたいだけど手元に機器がない間は不安だし、写真が撮れないのも困るので我慢して使うことにした。
しばらくのんびり過ごして9時半過ぎに準備を始めたが、女性3人が部屋を出て、部屋には男性3人しかいなかったけど、感覚の麻痺が気になって着替える場所に迷った。出発は10時過ぎ。
レアルとバルサという偉大すぎる国産ブランド。マドリードでもアトレティコ以上にバルサが推されているようだ。
日本ではほとんど見かけないセグウェイツアー。
昨日とは反対側から王宮を見るということ。サバティニ庭園から。
地下通路を通って道路の反対側へ渡ろうとしたが封鎖されていた。
スペイン広場。しかし広場系が人気の観光名所になっていても、特に何かがあるわけではないのでやはり物足りない。
次はデボー聖堂という場所に来てみた。ダム建設のお礼にエジプト政府から送られた紀元前2世紀の遺跡らしいが、聖堂内部に入れるものと思っていたのに入れなかったので落胆した。(同時に30人以内、1人30分以内という条件下で入れる)
正直、何もかもがしょぼいなと感じた。フィステーラの夕焼けを越えてきてほしい。
グラン・ビア通りのライオンキング。
ライオンキングの近くにえりこさんの宿があるとのことだったが、まともなフリーWi-Fiがなくて連絡が取れずにストレスを感じたし、何より申し訳なかった。
昨日ZARAのWi-Fiは通じたので、距離はあったがこちらの方にある別の店舗に来てみたが、その店舗にはなんとWi-Fiがないというオチ。
さっさとスタバにでも入ればよかっただけなのだが、遠くまで歩いてきたのに嘘でしょ…と落ち込んだ。最悪な日はいつまで続くんだ。
路上で演奏しているバイオリンとギターによるハレルヤを聴いて本気で悲しい気持ちになりつつ、結局昨日のZARAまで来て連絡を取った。
彼女は今クマの像の近くにいるとのことで、この場所からの距離も離れてなくて助かった。出れるよというメッセージが届いてからかなり時間が経っていて、吐きそうなくらい心苦しかったのだが、電話越しの声もなんだか元気そうだったので救われたし。
そして合流。どうやら化粧品などを買っていたらしい。昨日話はしていたレティーロ公園は、もう行ったよね?と聞かれたが、まだ行ってないので一緒に向かった。
昨晩は同部屋に変な人がいて、夜中に独り言を喋りだしたりして怖かったので、朝方に部屋を変えてもらったらしい。
キュベレーの噴水の奥はシベーレス宮殿。修復中なのか外観はフェイクだけど。
アルカラ門。
そしてここからレティーロ公園。マドリードの街中にある広大な公園で、市民にも観光客にも人気の憩いの場。
レティーロとはリタイアや隠居という意味で、この公園は隠居するスペイン国王フェリペ4世のために作られた公園なんだとか。
イサベル2世の誕生を記念して創られたガラパゴスの噴水。
美しい公園だ。
このカフェでしばし過ごすことに。
えりこさんも思わず「おしゃれ過ぎない?信じられない…」というほどに優雅な時間だった。
確かに、ほんの何日か前まで、汚れた靴を履いてストックをつきながら歩いていたということを考えると、現実とは思えなかった。
巡回中の警察が来ると自撮り棒を売っていた黒人が走って木陰に隠れていたのはあれだったけど、それすら楽しく感じるっていうね。
今朝は化粧をしていて遅れてごめんと謝られたが、こっちが謝りたい気分だったから、何を謝る!ってな感じだった。「これが900kmの先に見える景色、やり遂げたんたなと思う」と言うと笑ってくれた。
写真は彼女がお土産用や自分用に買ったセフォラ等のあれこれ。頭の片隅にも無いアイデアだったが、女性へのお土産で化粧品って大いにありだな…とこのアイデアを後にパクらせてもらった。
それでは次の場所へ。
世界で唯一(?)悪魔を題材にしたといわれる彫像。堕天使ルシファー。
えりこさんは美術館にはそんなに興味はないらしいが、本は読むとのことだった。レイモンド・カーヴァーやフィッツジェラルド等の純文学系を。~系というカテゴライズに囚われない女性ですこと。
マドリード・アトーチャ駅。
駅の近くにあるソフィア王妃芸術センターは今日は休み。その美術館が見えるカフェに寄ったのはおしっこちゃんが危険な状態だったから。
カフェ・コン・レチェだけじゃ寂しいかなと、リンゴを使ったケーキも頼んでみたけど、残念ながらえりこさんは林檎は苦手とのことで食べられなかった。
このカフェのおばちゃんウェイトレスが親切に、えりこさんに対して、テーブルの上に置いてあるスマホをポケットにしまいなさいと注意してくれた。とても優しい。でもその日本人女性はビビってきたらしい。
先程の公園にもいたが、テラス席の近くでアコーディオンだとかを勝手に演奏して、勝手にパフォーマンス代をせびりにくる男性も多数いた。気は抜けないな。
それから駅へ行ってえりこさんのトレドとバルセロナ行きのチケットを購入することになったが、受付番号的にかなり待ち時間があるようなので、時間を有効活用したほうがいいよと言われて、ティッセン美術館に行くことにした。
現在は午後2時半過ぎで、4時にまた駅に戻ってくる約束はしたが、移動時間を含めると本当に一瞬で観なければいけない感じだ。でも予定を詰め込んでるし、一緒に行動する相手がいるわけだし、こちらに通信手段もないから仕方ない。
小雨が降ってきたが、こんなときに限って傘を持ってきてないっていうね。
ティッセン=ボルネミッサ美術館はマドリード3大美術館の一つ。3時過ぎに到着したが、チケット購入の時間も少し必要だった。
他2つとは違って館内撮影可能だったので貼っていく。
ドメニコ・ギルランダイオの『ジョヴァンナ・トルナブオーニの肖像』はこの美術館を代表する作品。パンフレットの表紙もこの絵。
スペインの美術館でも惹かれるのはモネやシスレーなどの印象派。でもその印象派が揃う1階の序盤に、ここに置かれているモネよりもかなり好みの作品が揃っていた。
ライオネル・フェルニンジャー『白人の男』
ティッセン=ボルネミッサ美術館は、ドイツ人実業家のティッセン=ボルネミッサ男爵(親子二代)の個人コレクションを借りる形でスタートした美術館。
現在はすべてスペイン政府が買い取っているが、男爵のコレクション数はエリザベス女王に次いで世界2位だったらしい。
カミーノ中に見たような風景画もあった。
ルネry
現代アートも好みの絵が結構多くて、好きな美術館だな…!と感じた。
時間がなくて急いでいるのに、ついつい立ち止まりたくなるような、惹かれる絵画が多かった。
ロイ・リヒテンシュタイン『入浴中の女』
生着替えをするゴーヤ。
急ぎ足で午後4時前に鑑賞を終えたのはいいが、想像より距離があったので4時に駅は間に合わない。許して。こっちとしては相手がどこにいるかわかってるのは安心だけど。
こちらは急いでいるというのに、クロークルームの職員の男性は待っている自分にしばらく気付かなかったが、気付くと謝ってくれたし、どこから?と聞かれて日本だと答えると、長崎に行ったことがあるだとか、19世紀の日本の女性は美しいと思うだとか、ちょっと面白い会話ができたから許そう。
駅前には傘を売る(黒人ではない)有色人種が現れていた。肝心のえりこさんはチケットを確保できて、下調べも済んだようで、安堵しているのがわかった。
そして次の場所へ。
よく目にしていたこの建物がサンミゲル市場だったのか。
最初に目に入ったのが松竹梅っていうね。
Uno?
なんていうかBAEの極みのような市場で、えりこさんがめちゃくちゃワクワクしているのがわかった。もちろん自分のテンションもかなり高かった。
脱走した蟹が足元を見ていなかった客から蹴っ飛ばされるというハプニング。いやになっちゃうよ~。
サンミゲル市場の可哀想な蟹 pic.twitter.com/AGlchnFk32
— 末宗凌 (@SuemuneRyo) 2018年5月24日
建物の隅っこのカウンターに購入してきたメニューを揃えていった。片方が見とけばもう片方はその間に何か買ってこれるし、1人だったらこんなに楽しめてないとお互いに言っていたように、本当にこの市場での時間は2人とも大いに楽しめたと思う。(買った次の日に白シャツの袖をミートソースで汚すキッズが紛れ込んではいたけど…)
カミーノTシャツを着ていた女性2人と話すことになったが、アストルガからスタートの人たちだった。彼女たちが去ったあとえりこさんは、やっぱりああいうグッズを欲しがるのは途中から歩いた人たちだと言っていたが、確かにそうなのかもしれない。えりこさんも最初は欲しがっていたようだが、途中から参加する人の方が(後ろめたさから?)よりわかりやすいカミーノ感を欲する説。
その次は、こんにちはとえりこさんが小さく言ってみたら反応があった日本人のおじさん二人組。リタイア後に世界一周していて、ブルガリア付近で出会ったとのことだったが、中年の男性2人の組み合わせは珍しいなと感じた。他にもおばちゃん2人組だとか、日本人っぽい人も少しはいるのがわかった。どうやら有名観光地にならいるようだ。
自分たちが陣取っていた場所の一番近くにあった店が日本風の店だった。そこで何かを物色する日本人女性。何を買うのでしょう。
焼きそばでした。
締めのデザート。ヨーグルトだったっけな。忘れた。
(部屋を急遽変更していたから)荷物を移動させたいとのことだったので、一旦彼女の宿に戻ることにした18時45分。
闘牛を見るのも面白そうだなと候補には入れていたが、19時からだったのでもう厳しい。動物愛護団体からの抗議などで、時代の流れ的に各地で廃止の傾向にあるようだが、また来たときにもやってることを願うしかない。
途中で見つけたカミーノマーク。
まだ解散するには早い時間だったので、平日は18時から20時までが無料入場できるプラド美術館に行くことにした。もう19時だったし、えりこさんは友達が数時間費やすところを数十分で満足できるとのことだったので、途中からは自分だけ先に早歩きで移動した。ある広場で着ぐるみから顔を出すミニーマウスに言葉を失っても。
政府機関の前でデモが行われていたけど、何のデモだったのかはわからない。ハゲワシ…?銀行…?
そしてプラド美術館。ティッセン=ボルネミッサ美術館、ソフィア王妃芸術センターと並ぶマドリード3大美術館の一つで、歴代スペイン王家のコレクションを展示する美術館。
係員はチケットを手に持って、Free nowと言いながら、流れ作業のように配布していた。
サイズの大きな絵画も含めて作品数は多かったが、先程のティッセンと比べると、予備知識無しで鑑賞して足を止める作品は少ないと感じた。宗教画や偉人の肖像画ってありふれてるからね、厳しいよね。サンティアゴ巡礼特集でもあればもっと楽しめただろうけど。
写真撮影は禁止だったので見せられないが、ゴヤの部屋が最も良かった。警備もその部屋だけ厳しかったので人気があるスペースなのだろう。
19時51分にベルが鳴って退館の指示が出た。30分ちょっとの滞在で、プラド美術館を満喫するには時間が足りなさ過ぎたが、無料でゴヤ等が観られたと考えると贅沢な時間だったと思える。ってか最初からその0階に行けばよかった。ラファエロなどのイタリア絵画も展示されていたし。
えりこさんはどこにいるかなーと探したら外にいたが、なんと、彼女はゆっくり移動しすぎて閉館30分前を過ぎていたので入れなかったらしい。見るからに落ち込んでいる様子だったからスタバを奢ることにした。
店内に入る前にカバン開いてるよ!と指摘されたが、直前におばちゃんにつかれたのはわかっていたのでそこまで衝撃はなかった。でも普通に地元のおばちゃんっぽい人がスリに来るんだな。まあ、残念ながらそこに取られて困るものは入ってないのだよ…!モバイルバッテリーはさすがに重さで気付くし。
えりこさんが更に怖がっていたので店内で飲むことにした。カバンからS字フックを落として、そんな彼女を爆笑させる紳士が僕です。
名前を答えてWioと書かれたのは抹茶クリームフラペチーノ。味は日本で飲むものと全く一緒だった。ってかWioて。Wioて。
帰り道でもまだデモは続いていた。
明日の朝は、マヨール広場のマヨールさんのお尻のとこに7時半に集合することにして、おやすみと別れた。
各部屋にこんなバスルームがあるホステルだった。
シャワー後に、ドア付近に設置されてあるドライヤーで髪を乾かしていたら、誰かが入ってくることに気付かず、開くドアでガンッと肩をぶつけた。そのとき部屋に戻ってきたのは昨日の女子2人とインド系男性の3人だった。
その後に戻ってきた他の人を含めて、なんていうか、めちゃくちゃ交流が盛んな部屋だった。
特に絡んだのはチャイナガールと、インド人のアシェと、アルゼンチン人の太った女性かな。みんな20代だったと思う。
インド人のアシェはロサンゼルスに留学しているらしく、「イクゾ」などいくつかの日本語を知っていた。Let’s go的なニュアンスだとは思うけど、でもイクゾってどこで覚えたんだろうね…(意味深) 彼はカミーノについて少し知っていたのでそれについても少し話した。観光では1日10km歩くけど、重い荷物を背負って毎日25km歩いてたなんて凄いよと。
チャイナガールは明日セゴビアへ行くらしいが、セゴビアはノーチェックだったな。正直、水道橋の話をのりさんから聞くまで町の名前も知らなかった。彼女がその町までの行き方をノートパソコンで調べていたので、彼女がわからない地下鉄の番号などを教えてあげた。ちなみにチャイナガールは「チクショウ」を知っていた。
アルゼンチン人の女性はタマラという名前だった。あまり英語は話せなかったけど、自分がほんの少し覚えているスペイン語と、チャイナガールが翻訳アプリを使ったりしたので交流はできた。
部屋の電気が落ちるという事件があったが、隣の部屋も落ちていた。直ったときにはタマラがフォー!!と声を上げた。
彼女がアルゼンチン人10人知ってる?と聞いた流れで、メッシ〜マラドーナ〜と彼女が先に挙げて、アシャがアグエロ〜と言ったから、決めるしかねーだろ!と大好きなパブロ・アイマールなどを挙げたら、タマラは喜んでハイタッチを求めてきて、アルゼンチンでよくやるというハイタッチ&グータッチも教えてくれた。
アシェには「アニメは観る?」と聞かれた。彼はコールドギアスや東京喰種が好きらしい。チャイナはナルトとブリーチが好きと言っていた。自分は何が好きかと聞かれたので、挙げられていない中で海外の人でも知っていそうなワンピースを挙げると、ワンピースはlongだよ!と言われて、そうさ、too longさ!と笑った。
2人とも大絶賛だったのはYour name.(君の名は。) 本当に最高!とアツく語るのを聞いて、やっぱり日本のアニメはすごいわ…と感動した。ブラジル人の女の子はアニメは観ないから会話に入れないわと苦笑いしていたけど。
カミーノは年上がほとんどだったからこういう話も皆無だったが、なんだかカミーノのそれが続いているみたいで楽しかった。他の話題でも笑いが起きまくっていたし。
えりこさんの部屋は快適だけど、会話は電気を消すかどうかの確認だけと言っていた。でもホステルってそれが普通だと思う。うるさいくらい絡むときもあれば、Hiだけのときとかもあるし、本当に運次第。
下のバー(クラブ)に飲みに行こうというお誘いはあったが、アシェがコーヒーとスプライトしか飲まないと言うと、タマラが嘘でしょー!ってなリアクションだった。結局ついてはいってたけど。
自分は行かなかったが、チャイナガールが忘れ物に気付いて戻ってきたとき、テクノは好かないと言う彼女とまた少し話した。「Have a nice night!」 「You too! good night!」
タマラほどではないが太った白人男性がその後に戻ってきたが、彼も感じの良い人だった。
明日は早起きしないといけないし、えりこさんもとっくに寝ている時間だろうに、またまたメモに追われて寝るのが遅くなってしまった。
でも巡礼の疲れをほとんど感じないことは嬉しい。まあ、常に忙しいし、これから寂しくなるだろうし、いろいろ大変は大変だろうけど。
早く家に帰りたいとは思う。目一杯、楽しんでから。
5月23日。
自分が7時15分に出発する際まだみんなは寝ていた。2日まったく一緒のメンバーだったけど、さすがに今日は誰か去るかもしれないな。
バッグに貝殻をつけてみた。
明日から寂しくなるだろうけど、それもいいかもなと思った。異国の地で感傷に浸るというのも悪くはないだろう。カミーノを振り返ったりもするだろうし、これから先のことも考えるだろう。
待ち合わせ時間の5分前にはえりこさんも来たので駅へと向かった。
電車の時刻までは朝食タイム。
座席の番号は1列違いだったが、柱のような物を挟んでいたので少し距離はあった。隣がいなかったから移動できたので問題はなかったけど。
約30分でトレドに到着。この近さなのでマドリードからの日帰りも容易い。
駅舎から気合いが入っている。
香港レストラン&スーパーマーケットがあったので後でシンにこの写真を送った。
それっぽい旧市街の街並みが見えてきた。
もうね、いきなりBAEすぎてね、橋を渡るのにも苦労しましたよ。
橋の名前はアルカンタラ橋。
一つの橋を渡るまでにいったい何枚撮るんだよってくらい撮ってしまった。
城壁の上に登ることもできた。
岩山に築かれた要塞都市なので、ご覧の通り、階段を登っております。
登った先は展望台のような場所で、見晴らしの良すぎるカフェもいくつかあった。
街の中心部的なソコドベール広場。
軍事博物館もあるような街だし、鉄製品の生産も有名なので、お土産屋もナイフや剣などが多かった。男子中高生とかたまらなさそう。
女子が憧れるお店もありましたよ。ええ。
現代は剣ではなく消火器を常備して戦うのが現地の人々のスタイル()
「もしスペインに1日しかいられないのなら、迷わずトレドへ行け」という言葉もあるくらいで、景観は16世紀から変わらないとも言われている。古都トレドとして世界遺産に登録されているのも納得だ。
いろいろアート。
左の建物でチケットを購入して、右のトレド大聖堂へ入った。
これはチケット売り場が入っている売店の写真。列に並んでいる間に買いたくなるやつ。
大聖堂に入った瞬間に「思ってたよりずっと綺麗…ちょっとメガネかけさせて」とえりこさんが言ったように、2人とも一瞬でトレドに来てよかったと感じていた。
しかしベルタワー(鐘楼)合同ツアーの集合時間が迫っていたので、急いで聖堂内を抜けて、集合場所である階段前へと移動した。
当然昔は人力で鳴らしていた鐘も、今では機械で自動で鳴らされるようだ。
人生で最も狭い階段を登ってここにたどり着いたのだが、ツアー参加者はみんな息を切らしていた。そして、思わず笑い合った白人のおばちゃんに、カミーノを歩いたの?と聞かれた。
その女性は夫婦で来ていて、自分たちが日本人だとわかると、以前米軍のMisawa Basecampで暮らしていたことがあると教えてくれた。
では下ります。これはまだマシな方の階段。
ポンフェラーダやセブレイロなどの馴染みの地名が目に入った。日本で生活していてもこういった地名を見れば、その地での光景や出来事を回想することだろう。
この聖体顕示台はコロンブスが持ち帰った金を使用しているんだとか。
1226年にフェルナンド3世の命により建築が開始され、1493年に完成したトレド大聖堂。ブルゴス、セビーリャと並ぶスペイン三大大聖堂の一つであり、スペインカトリックの総本山。
聖歌隊席を見ていると日本の団体ツアー客が入ってきて、ガイドさんの説明を自然と聞く形になった。多分このツアーともう1つ別の日本人ツアーもあってなんだか面白かった。日本人だ…と。
真ん中から左側に旧約聖書、右側に新約聖書の登場人物が並んでいる。右へと数えて3番目がヤコブ氏。
豪華絢爛な主祭壇。
カテドラルを出ると、この人集り。
そんな群衆の中で、片方が今日誕生日という女の子2人組の写真撮影を頼まれた。人が過ぎ去るタイミングがなかなか来なくて難しかったけど。
次に行こうとしていたサント・トメ教会には尋常ではない行列が…。
並ぼうとしたら日本人ツアーに巻き込まれる形になったが、また盗み聞きになっちゃうわみたいな話をしていたからか、ガイドのおばちゃんが自分たちを団体の前へと誘導してくれた。
でもあまりに人が多いので、一旦ベンチに腰掛けて休憩することにした。からのうんち。犬のうんち。
再チャレンジ時の混み具合は幾分マシだったが、教会内はエル・グレコの『オルガス伯の埋葬』という絵画が展示されているだけだった。正直、教会の方も見たかった。違うルートがあったのかもしれないが。
トレド土産といえば陶器も有名。
天気が良いとね、そりゃジェラートも食べちゃいますよ。
食べる方のお土産で有名なのはトレドの伝統菓子であるマザパン。アーモンド、砂糖、卵白を練って焼き上げるお菓子らしい。
最初に来た際に羨ましそうに眺めていたブティックで買い物をするらしいので、自分は周囲を散策することに。
と見せかけて、大聖堂前の売店に来て、ミサンガや今までいろいろしてもらったことへのお返しのプレゼントを選んだ。読書家には実用性もあるかなとカテドラルの栞を。
ブティック付近で待っていたら、突然頭上からパンの欠片が落ちてきた。
え…?誰もいない…。小鳥でもいたのか…?
お昼はマックを食べた。アメリカ人以外にも安定安心の味です。さすがにてりやきとかはないけどね。
それから、チケットを購入していたソコトレンという列車型ミニバスに乗った。午後2時の便を選んでしまい、あ…これだとバタバタしてしまいそうだな…もうちょい遅いのにすればよかった…と購入直後に後悔していたが、2時になる直前にちょうど雨が降り出したので結果オーライだった。先頭の座席も手に入れられたし。
以下は街を一周するソコトレンからの景色。街中にある石畳の道はガッタンガッタンと揺れまくって遊園地気分で笑えた。
絶景のホテル(パラドール)の下にある「Mirador del Valle」という展望台で10分ほど停車。要は写真撮影のための自由時間。
これが車両。可愛い。
やる気をあまり感じられない音声ガイド曰く、どこから眺めても美しいトレドは西のエルサレムとも言われているらしい。イスラム教・キリスト教・ユダヤ教の3つの文化が混在した博物館のような街だと。
キオスクような店で売っていたポストカード。このお尻どアップのシュールなカードに2人でメッセージを書き込んでシンに送った。
戦略的互恵映え関係なので写真を撮り合います() 普通に撮っていたら後ろ姿が写り込んでて~パターンも沢山あったけど。
シャツのシワと髪のもさりっぷりを本当どうにかしたいけど、どうにもならない。過ぎ去ってしまった過去のことだから…(?ω?)
中国男子がExcuse meと話しかけてきたので、写真を撮ってほしいのかと思ったが、撮ってあげましょうか?の方だった。そりゃ完全に日本人カップルに見えますよね。そう言われたらもう撮ってもらうしかないですよね。
大学生くらいの彼は日本語を勉強しているとのことだった。ありがとう!シェイシェイ!と握手をした。ソコトレンの後ろの方に乗っているからまだ別れないけど。
ソコトレンからの写真は以上。約45分間の楽しい時間に大いに満足できた。そしてまた歩いてのぶらり旅再開。
聞く言葉(使われる単語)もなんか変わったねーとえりこさんが言っていたのに同意した。どの国でもそうだと思うが、やっぱり地域によっての差があるんだろう。
ソコトレンから見て気になっていたサン・マルティン橋に来た。スゴイスゴイ!を連呼しながらもお互いにあくびが出ていたが、多分スペイン(で過ごす時間)に対して元々抱いていた印象は、こんな風に穏やかな日差しに恵まれた時間だ。
橋に並走する形でフライングトレドというターザンロープのようなアトラクションが設けられていて、なかなか楽しそうだった。
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いや、暑いね…となったのでカフェを探したが、橋の向こう側にはなかった。小さな公園はあったけど。
これもなかなかのBAEで、SNSのアイコンに使ったりしてるんだけど、バッグのストラップがねじれているという痛恨のミス。
木陰になっているベンチで休憩することにした。
電車の中でも話していたが、えりこさんは飛行機嫌すぎと言っていた。行きの便で揺れたことが影響しているんだろうけど、苦手なものに何時間も乗り続けるのって考えてみたら拷問レベルだ。どうかあまり揺れないで~ry
栞のプレゼントは喜んでもらえてよかった。かさばらず持ち運びやすいという点も評価大。読むたびにりょう君とトレド来たこと思い出すねと言ってくれた。素敵やん?
階段に腰掛けて、フライングトレドに挑戦する人々も眺めていた。怖気づく女の子がなかなか飛べずに、友達に先に飛んでもらっていたが、結局その子も飛んだ。おめでとう。
そして駅の方へと戻ることにした。自分もそうだし、えりこさんも「素晴らしかったね、評判通りだった」と満足気だった。
こんな街での子育て、過ごす少年期ってどんなものなんだろうなと想像してみたり。
しかしふらっと寄った石鹸のお店で事件は起きた。えりこさんがWhat the…!と驚いていて事態に気付いた。
店内には自分たち以外にジプシー系の男女がいたのだが、どうやらそのカップルが財布をスろうとしてきたようだ。えりこさんが直前で気付いたので、財布そこに落ちてるよといった感じで男はごまかしたが、もし気付かれていなければそのまま盗んだのだろう。
手口としてはカップル風に行動して、男が実行犯、女が見張り役で、バレたときにはきっと女が「彼は盗んでいない」と加勢もするのだろう。
カバンのチャックを気付かない間に開けられていたようで、えりこさんはかなりショックを受けていた。
でもスタバ前の自分もそうだが、スペインの街には物乞いがいることは知っているんだから、決して2人とも用心していなかったわけではない。本気の奴らがいるということだ。(当然、この後はより注意深く荷物を持つことにした)
帰りの列車の時刻までもう少し時間があるのでカフェに寄った。バッグに入れていたチョコは溶けていて、結局リベンジ失敗だった。冷やす手段もないし、更に溶けるのを待っていても仕方がないから、もう柔らかいまま食べてしまった。
えりこさんは途中煙草を買いに行ったがなかなか戻ってこなかったので、店が見つからないんだろうなと思っていたら、先程の石鹸のお店でお土産を買っていたらしい。オシャレな店ではあったもんね。
カミーノの貝殻は一人だったら浮くし、(肌の色から地元民感を出すのは難しいが)観光客感出ちゃうし、バッグの中に戻すことにした。大聖堂で話しかけてもらえたので役目は果たしたはずだ。
それじゃあ、さよならトレド。
ゆみこさんはサンティアゴの後はパリに移動していたのだが、ホテルではなくなんと自分が泊まったホステルでの滞在だった。でもどうやらWi-Fiが繋がらなくなったみたいで、えりこさんは連絡が途絶えたととても心配していた。(結局大丈夫だったようだけど)
マドリードに戻ってからは三大美術館最後のソフィア王妃芸術センターに向かった。
長い長い行列に並んで。
昨日と同じく無料配布のチケットは流れ作業だった。
多くの時間をピカソのゲルニカに使った。最前列で鑑賞した後は、壁にもたれて全体を見るような感じで観ていた。ゲルニカを生で鑑賞できるという喜びだけで満足だった。
写真は昨日のゴヤほど厳しくはなかったので撮っている人もわりといたけど撮影禁止。だから、これならセーフか…?と解説を撮った。
トートバッグが良さげなデザインだったのでお土産用に買った。えりこさんも買って即利用していた。(用心深く、ぎゅっと結んで使っているとこがポイント)
iPhoneのCMで使われそうなダンスをしていた男女。
日本っぽいもの写真に撮りがち。パスポートとか。パスポート…?
んで夕食はまたあのラーメン屋に来たっていうね。並んでいる間に買っていたマザパンをちょっと食べた。
特別美味しい…!!とはならなかったけど、甘い物好きの人は嫌いではないと思う。
なぜマドリードの締めで混ぜそばを頼んだのかは覚えてない。
暗くなってきたので、軽いハグはしたが、あっさりとお別れした。日本人同士だし、またいつか会うでしょってな感じで。
数日間疑似カップルのように一緒に行動していたが、巡礼を終えた直後に一人で観光していても、きっと気持ちの切り替えが上手くできず、めちゃくちゃ寂しい想いをしていたと思うが、2人で行動できたことでそんな想いはせずに、楽しく過ごせて本当に助けられた。
カミーノを通しても彼女にはいろいろとお世話になって感謝しかない。とても良い出会いだった。またいつか!(報告会で再会しました)
部屋に戻るとアルゼンチン女性タマラと新しい男性がいた。タマラが自分の名前を覚えてくれていて嬉しかった。彼女の巨大なキャリーケースを見ると洋服などの買い物をしまくっていて、もう帰りの荷造りをしているのかなと「Mañana(明日)去るの?」と聞いたが、もう2泊するらしい。
ブラジル人の華奢な女の子とは、今日は何してたー?という話題で話した。彼女は今日サンミゲル市場とプラド美術館に行ったらしいが、二日酔いでLazy dayだと言っていた。昨日飲みに行こうって流れのときに嫌々行ってる感じはあったもんな。
自分がトレドに行ったと話すと、行きたい!と言っていたのでオススメしといた。タマラは以前トレドに行ったことがあるらしい。
ソコトレンで貰っていたイヤホンのスポンジ状のカバーを手持ちの有線イヤホンに代用してみたらぴったりサイズだった。ナイスアイデアだ。
でもiPhoneの画面の割れ具合が悪化している気がする。あれからは落としていないのに。
23時半前に自分が電気スタンドを消して、外からバースデーソングが聞こえだしたらブラジル女子が窓を閉めて、タマラが部屋の照明を消して、消灯した。
程なくしてチャイナガールが帰ってきて「オーマイガー!みんな寝てるわ!」と相変わらず英語で独り言を呟いていたが、多分みんなに聞こえていたと思う。
明日からは一人になる。いつぶりだろうな。楽しめるかな。
帰ってからはどうしよう。きっとすぐに寂しくなって、誰かに会いたくなるだろう。実際どうするかなんてわからないけど。