シンガポール観光

6月5日。
シンガポール・チャンギ空港到着。朝焼けより、座りっぱなしのお尻が解放されることの方が正直嬉しい。



空港のフリーWi-Fiを使うにはパスポートをスキャンするという手間が必要で、自分の前の白人おばちゃんがそれに手こずっていて謝られた。いいんですよ、焦ってもいないし。

日本語表示があってなんだかホッとする。

イミグレーションは本当に楽で、やる気のない男性から名前を確認されただけだった。パスポートの中身もほとんど見られていない。

でもなんだかとてつもない疲労を感じるので、7時半過ぎにここのベンチに腰掛けていた。ここから動けば長い1日が始まるから。

体が重くてダルい。でも行こう。2ヶ月の旅の最終日だ。

これまでの日々とのギャップで白人の少なさに驚いた。さすがに中華系とインド系が多い。

MRTに乗ります。車内での飲食は罰金です。

音漏れの激しい満員電車での移動だった(音漏れは罰金じゃないのか…!)。車両内にはアニメを観ている人がいたり、ヒジャブを巻いた女性がパズルゲームをしていた。
駅には奥まで詰めてと指示する駅員がいたし、中華系女子の髪や顔だけを見ていたら普通に日本にいるようだった。Moving pleeeeeeeaseと強引に入っていける女性は日本にはなかなかいないが。いや、いるか。関西のおばちゃんとか。

外に出ると少しだけ滅入った。これは蒸している。暑いぞ。

ゴミのポイ捨ても罰金だからか、0というわけではないが、落ちているゴミは確かに少なかった。

あまりに暑いのでイートインのような場所で過ごすのもアリだなと歩きながら思った。替えのTシャツをミニバッグの中に入れてこなかったのは完全に失敗だ。まさかここまでとは。


まずはリトル・インディアという場所にやってきた。19世紀にともにイギリスの植民地だったインドからシンガポールへと移民したインド系シンガポール人の居住区。

Madras New Woodlandsというお店に入店。

お目当てはこのアッパムという料理だったんだけど、どう説明しようかな。
外側はカリカリ、内側はモチモチで、それを手でちぎりながら、絶対これ辛いでしょ…カレー粉…?っていう赤い色の粉(実は砂糖)につけて食べるスイーツ的なもの。イメージ的にはクレープが近いかな。
適当に調べておすすめされてたからチェックしていたってだけで、どんな料理かはほとんど知らなかったんだけど、もうね、衝撃だった。
ん…?甘い…え…なにこれ…めちゃくちゃ美味しいぞ…これが…これが…求めていたものだ!!!と一気にテンションが上がった。

フルーツパンチ(飲み物)は不思議な味で美味しくはなかったが、店内にいた自分以外の人が店員も含めて全部インド系だと気付いて面白かったのでセーフ。
でもクーラーの効いた店内から外に出たくなかった。汗をかかずに行動するのは無理なのはわかってるけど。

日本のインド料理屋もやってくれないかな。絶対女子とかに流行ると思うんだけどな。
心からまた食べたいと思う。そして、こんなに美味しい食べ物があるのか!という衝撃を他の人にも味わってほしい。

どうせ暑いなら、ガンガン行こう。スリ・ヴィラマカリアマン寺院。

入り口で靴を脱いで中へ。

寺院は寺院だが、ヒンドゥー教の寺院なので、今まで馴染みのない異国の宗教感が強かった。
でもお香の香りと神聖な空気を感じたので、他の信者の人々と同じように床に座って、女神カーリー像のある祭壇を眺めていた。


上半身裸の僧侶たちもいた。お供えは花とバナナが多かった印象。

外国人は自分くらいしかいなかったが、自分が去るタイミングでぞろぞろと来ていた。

市場っぽい店が立ち並ぶ通りを通って、

MRTでチャイナタウンへ向かう。

一気に漢字が増えた。

エスカレーターで地上へ上がると今度は中国的な光景が待っていた。シンガポール人の7割を占める華人による中華街。

食べたい気持ちは山々だけど、やっぱり中華料理はちょっと高いよね。


ダブルピース。



チャイナタウンにあるが、こちらもまたヒンドゥー教。スリ・マリアマン寺院。


最高の音楽。この寺院もまたお香の匂いがした。


軍のヘリがシンガポール国旗を運んでいて、戦闘機もけたたましい音で飛んでいた。



ここより先に進むなと注意書きがあるのに、先まで進んでど真ん中で写真を撮る白人カップル。品もリスペクトもあったもんじゃない。サングラス姿のまま歩き回る夫婦もいたし、マナーを守らない白人が目についた。きちんと門前でサングラスを外してから入る白人もいたはいたんだけど。

ここでも裸足だったので、日向は足の裏が焼けるようだった。あっつ!!!あっづ!!!!!と。

ちなみにこの寺院はシンガポール最古のヒンドゥー教寺院だが、結婚式も挙げられるようだ。

チャイナタウンを移動。

次に来たのは仏牙寺龍華院。



1980年発見なので本物かどうかは怪しいが、仏牙寺龍華院は仏陀の聖遺物の『歯』を祀った仏教寺院兼博物館。
歯は撮影禁止だったので撮れなかったが(例のごとく撮っている人はいたけど)、その歯を祀った4階はとても美しかった。
中華の仏教となると日本との類似点もそれなりに見受けられたが、違う部分にもまた気付けて興味深かった。

屋上庭園にはマニ車。

マニ車の有無も日本の仏教との違いかな。日本の寺院にはほとんどないし。

行きにも通ったお店が立ち並ぶ通りでは、フランス人女性たちが「Kimono?」と店員に聞いていた。着物は日本に来て買って…。

別にシンガポールが悪いとか不満があったわけではないのだが、暑くて心底うんざりしていた。こんな気温で観光は無理だと。疲労度は更に増して眠たかったし、なんだか今日は足も痛いという悲劇。

え、やばい、本気で疲れてる…と感じたのはポケットに入れようとした財布を地面に落としたから。あわや事件。ほとんど眠れなかったヨーロッパからの移動でいきなりこの状況はキツかったか。大丈夫かこれ、夜までもたないぞと不安になった。

とりあえず避難先を見つけなきゃ。

Ya Kun Kaya Toast発見。大阪王将やとんかつ屋も入っているフードコートっぽい場所にあった。

ミルクティーはあんまっ!と驚くほどだったが、これがまためちゃくちゃ美味しかった。今まで飲んだ全ミルクティーの頂点に今も君臨している。
右下のカヤトーストはシンガポールの朝食やおやつの定番のメニューで、こちらもサクサクしていて美味しくて、シンガポール飯最高じゃないか…!と嬉しかった。

しかしこの時間でも体は大して回復しなかった。室内で一眠りでもしたいところだったが、まあそれは難しい。

日本料理のお店も数多いし、日本語表記の案内等もわりと充実していた。もっとおいでよ日本人。

うお、見えてる。

入り口どこだろ。あった。でも普通に入っていいのかなと迷ったのは、

セント・アンドリュース大聖堂。

真っ白なカテドラルが青空に映えている。

お祈りをしている人もいたし、昼寝をしている人もいた。



可愛くない犬だ…。




次はサルタン・モスクに来たが、残念ながら時間的に入れなかった。ちょうど近くにいた日本人女性2人も「ダメなん?入っちゃ」と。

現在午後1時半。30分待てば入れるけどもういいや。多民族国家故に、他宗教なシンガポールというのは充分に感じられた。

ひたすら歩いております。

塩分取らないと死んでしまう…と近くにあったセブンイレブンでポカリを買って、再び屋内に避難して、このぐでたまカフェ付近で休憩していた。

いや、33度やもん。そりゃキツイわ。これはシャレにならん…本気で死ぬぞ…と感じていたし、ここでのポカリ休憩を入れてなかったら確実にシンガポールでぶっ倒れてたと思う。

これがそのセブンイレブン。

日本スタイルなコンビニだった。

バスツアーをこんなに羨ましく感じたことはない。トランジット向けのフリーツアーがあるのは知ってたんだけどね。自分の滞在は丸一日ってくらいだったからね。

地下から移動しようとしたら失敗して、偶然たどり着いた戦争記念公園にある日本占領時期死難人民記念碑。純粋にどんな風に教育されているのかが気になった。

また歩いております。

もうすぐであの場所に到着する。

後ろ姿が…。

あれ…何だこいつ…と思ったら子どもだった。


いた!!!マーライオン!!!!!


いや、全然がっかりスポットじゃないやん!というのが感想。勢いがあるから水が掛かって楽しかったし、この佇まいがシュールなのも良かった。

700年前、スマトラ島の王子がシンガポール島でライオンを見つけて(当時はライオンはいなかったので見たのは虎だった説が濃厚)、ライオンの町(Singapura)と名付けたのがシンガポールの国名・ライオンが国の象徴になった由来。
下半身が魚の尾なのは海を表しているらしい。なんか先端があれに見えなくもないけど、一応性別は雄とのこと。

マーライオンから出ている水を受け止めたり、逆に吐き出している風に写真を撮る人があまりいなかったのは意外だった。


マリーナベイ・サンズとの位置関係はこんな感じ。

ジュビリーブリッジを渡って対岸へ。

右に写っている花の形をした建物へ。

船底。

アートサイエンスミュージアムに、

我らがチームラボを見に来た。シンガポールで。まあ、時間余ってるし、ファンだし。



この黒い波を見つめながら、クッションに沈んでしばらく横になっていた。このタイミングで寝転がれたのは本当に助かった。



Crowsと書いてあって、まさか…?と思ったが、その予想通り八咫烏だった。実は森美術館で行われた「宇宙と芸術展」で観たことのある映像作品だったけど、空間全体を使ったその芸術にまた魅了された。チャイニーズのおっさんがずっと喋り続けていて残念だったけど。
正式タイトルは《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス、そして衝突して咲いていく – Light in Space》

公式の動画が一番わかりやすいから貼っておく。もちろん生で観る方が感動する。人によっては酔うかもしれないけど。

大人も子供も楽しんでましたとさ。

展示の締めくくりであり、チームラボで最も有名なのはやっぱりこれかな。草間彌生の作品にも似たものがあるけど。



食事を取るために、隣にあるマリーナベイ・サンズの高級感あるショッピングモールへ。



一風堂はあったけど値段がやたらと高かったのでパス。

適当に選んだ店で、適当に選んだチキンに、適当に赤いスパイスをかけたら、かなり辛くて強制的に食は進んだ。まあ、まずくはなかったけど、美味しくはなかった。

めっちゃ甘いミルクティーまた飲みたいな~と頼んだ。店員の女の子は愛想が悪かったけどそれなりに甘かった。長時間屋内にいたら慣れてしまって外の蒸し暑さで死ぬので外で飲んだ。

午後6時を回った。いよいよ旅もフィナーレだな。

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイへ。

しかーーーーし、事前に電子チケットを購入していたと思っていたのにそれでは入場できず、この画面を見せて紙のチケットを貰わないといけないと言われた。
でも敷地が広すぎて何が何だかわからず、そのチケット受け取り場所がわからなくて、ひたすらたらい回しにされた。

ホテルの方にあるというのがわかってホテルまで移動して、そのホテルの受付に聞いてもタワー1からタワー3に行けと言われるし、結局わけのわからない車メーカーの臨時コーナーのような場所でようやく受け取ったときには30分以上経過していた。
いや、こんなのわかるわけがないやん…。時短になるだろうとオンラインで買っていたのに本当に馬鹿らしい。こんなシステムだと知っていれば絶対買わなかったのに…とえげつないストレスを感じながら、またガーデンズの方に移動した。

彼女が彼氏を目隠しとヘッドホンをして、サプライズでホテルの部屋に連れて行っている光景を目にしても、自分はこの有様。
発券も不要なそのまま使える電子チケットだと100%思っていたから大して調べずにこの事態を生んだわけだけど、何の救いもない、最悪な夜だなとため息を吐くしかなかった。

1時間弱ロスして、いくつかの場所は諦めないといけなくなったが、見所を事前にチェックしておいたのはよかった。最低限は回れるだろう。

最初に来たのはスーパーツリーグローブ。

デカすぎて写し切れないって結構あるある。

OCBCスカイウェイという空中遊歩道の行列。スマホでチケットを見せていた人が、先程の自分と同じように交換してきてと拒否されていた。電子チケット導入しなさいな…。

このスーパーツリーで行われるショーまで30分あって、この遊歩道上で見るのが理想だけど、ほぼ一方通行なので30分待つのは厳しいか…と諦めかけていたが、思いの外皆あまり進んでいなかったので(自分と同じようにショーを待っていた人もいると思う)、写真を撮ったり、撮影を頼まれたりしながら過ごした。

徐々に素敵な空の色へと変わっていくのが感じられたが、ずっと揺れているし、飛行機よりよっぽど怖かった。スマホを下へ落としてしまいそうなのもまた怖かった。



OCBCガーデン・ラプソディという光と音楽のショーで、19時45分から15分間だったが、正直10分でもよかったかな。曲はスターウォーズやインディ・ジョーンズ、インセプションなどの有名な映画音楽が使われていた。




続いてクラウド・フォレストに。

海抜2000mまでの熱帯高地の植物が管理されているドームなので温度調整も行われていて、落差35mの滝の水に濡れると寒く感じた。当然楽しくはなったけど。

ドーム内には霧も立ち込めているので、夜ということも相まって、どこか映画のような世界観だった。


クラウドウォークの恐ろしさ。こちとら高所恐怖症なんですよ…!

クリスタル・マウンテンには鍾乳石。

早くベイの方に行かないと、あちらのショーが始まってしまう…!と早足で向かったのはフラワー・ドーム。

こちらもドーム型植物園ではあるが、先程より温暖な地域が再現されている。

こんなに広い敷地さえも埋め尽くすような大量の植物に囲まれていると、植物もまた宇宙のようだと感じた。

紫陽花も見られた。

I’d like to be~

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイは素晴らしい場所だった。残念ながら全箇所をじっくり回ることはできなかったが、人に勧めたくなるようなところだったし、今は良い夜だったと感じている。

自動ドアが魔法みたいに開いていって、ガーデンズを出たのは8時38分。ショーが始まる9時までには着くだろう。最後の最後、本当のクライマックスだ。

9時前でも歩いているだけで汗をかいた。ウォーキング女子にとっては好条件だろうが、これからそのまま飛行機に乗ろうとしている人間には拷問だ。

どこから見ようか迷ったが、一人の人たちが固まっているゾーンがあったのでそこから見ることにした。

SPECTRAという光と水のショーなんだけど、正直対岸から見るのは失敗だった。マリーナベイ・サンズの船の部分からライトが出ることは知っていたのでこちらに来たが、湾内を航行するクルーズ船からが最強かな。噴水だけ考えてもホテル側から見るべきだった。



毎晩2回行われているからかそんなに人も多くなかったし、遠くから見たせいか、想像していたよりは派手さに欠けるショーだった。でもまあいいさ。
フィナーレは坂本龍一の戦場のメリークリスマス(女性ボーカルVer)だった。


終わった。

行きは数人しかいなかったのに、夜はダンスの練習場になっていたアンダーパス。

ほとんどの店が閉店している地下街を移動して、

インド系の女の子を含んだ車両内の6,7人がずっと咳をしていたMRTで空港へ。

ユニクロTシャツの父親がいる3人家族のこの男の子が本当に可愛かった。途中の駅から乗り込んできたんだけど、顔も整ってるし笑顔も可愛くて、雰囲気や仕草も完璧で、めちゃくちゃ素敵な3人だった。
脇をくすぐられてケラケラ笑っていたのに、両親がともにスマホをいじりだしたときは、こんなに可愛いのに!もったいない!と思ったけど、まあ、ずっとは構っていられないのかな。

シャワーは厳しいから汗拭きシートで入念に拭きまくった。これで大丈夫なはずだ。

搭乗ゲートが変更になっていて、その手前の保安検査場まで移動して入ろうとしたが、表示は出ていてもまだ早かった。
スタッフの中華系のお兄さんがなんて言うんだっけ…と頭を捻らせてから「ジュウニ…」と日本語を絞り出してくれたので「Not yet?」と聞いて、お互いに笑った。

シンガポールドルの硬貨は2$余っていて、よっしゃ!!これだとぴったし!!と勢いでボルヴィックを買ったけど、まだ荷物検査前ということをすっかり忘れていて、蓋は開けていなかったが見事に没収された。2$の荷物検査。ドジの魂百まで。

結局搭乗口前でC1000の(レモンは普通だから)オレンジ味をカードで買い直した。最後の最後で凡ミスをやらかした。

25kmも歩いてる。巡礼レベルやん。

日本語ばかりが聞こえてきたが、安堵ではなくむしろその逆で、あまり良い気分ではなかった。こってこての博多弁のおばちゃんたちは楽しそうでなんか良かったけど。

搭乗口へは最初の数人ってくらい早く着いたんだけど、ちょっと離れた隣に座っていた東南アジア系の男性は不安になったのか、自分に行き先や出発時刻を確認してきた。

帰国したらどんな気持ちになるんだろうな。でも、誰かに会いたいとか、常にお湯が出るのすげーとか、そんなくだらないことを思うんだろうな。

搭乗が始まると「いやだーーー!!!」と泣き叫ぶ子供がいて可愛かった。例の東南アジアの彼は彼女?とテレビ電話をしていた。

機内に乗り込むと、前列の日本人カップルの「窓際?いい、いい。吐くかもしれないから」という会話が聞こえた。
乗客は大半が日本人だった。CAも何人かは日本人。

1時20分チャンギ空港発、8時35分福岡空港着予定。さよならシンガポール。良い国だった。また来たいよ。

窓の外は雷がずっと光りっぱなしの夜だった。

洋食ならすぐお出しできますが〜とのことだったので、お願いしますと返した。

沖縄付近で機長から「エアポケットに入ったので15分から20分は不安定になる」といったアナウンスがあったが、そんなに揺れはしなかった。

予報通り天気は悪くて、かなり視界も悪かったと思うが、無事に着陸できた。ありがとう機長さんたち。そして、ただいま日本。

もう帰国したというのに、メモをする癖が取れないぞ…と困った。バスに日本人が乗り込んできてウケるだとか。運転手がマイクを切ってないから吐息が聞こえるだとか。

でも帰ってきたんだ。開店前のパチンコ店に行列ができる国でまた過ごす。なんだか違和感はあるが、すぐにこちらが現実になるのだろう。

家に帰る前に蜘蛛の巣になっているiPhoneの修理へと向かった。最初に行った店は画面の在庫がないとまさかの展開だったが、次の修理店では大丈夫だった。

ふと気付いたスペインバーに笑った。こんな身近にあったっけ?全然意識してなかったな。トルティージャフラットて。とりあえずえりこさんに帰国の知らせと一緒にこの写真を送った。

家に着いてからはまずカレンダーを6月まで捲った。テレビをつけると児童虐待のニュースが流れていて、体重は59kgに減っていた。

既にカミーノを振り返っての感想は書いているので省くが、遍路のときと同じように、旅の間は貝殻が自分を無敵にしてくれていたような気がした。

住民税の納付書を確認すると、一気に現実が戻ってきたが、シンからのポストカードも届いていた。

やっぱりナイスガイだ。月並みでクサい表現にはなるけど、一生の宝物にするよ。

何日か経って、フランス観光からこの旅を書き始めるために写真を振り返っていたら、パリの駅でえりこさんの後ろ姿が写っている写真を見つけた。
彼女も自分に気付いていたようだが、このときに知り合っていたらまた違うストーリーがあったかもねというような話をした。心から、面白いなと思った。

長々とありがとうございました。

おしまい。


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