7月26日。
フジロックへ向かう朝。早朝の長岡市街を歩き、バス発着場所であるホテルニューオータニ前へ。
長岡からは7時発の公式ツアーバスで移動。早く着きすぎて誰もいなくてそわそわしてたけど、他の乗客もバスもちゃんと来てよかった。岩谷さんが来ないから少し遅れての出発にはなったけど。
風の影響、もしくはドライバーの運転技術のせいで、自分が経験してきた中でもトップクラスに揺れたバスは約1時間半で苗場に到着。
この大量のテントが見えてきたときの「ついにフジロックに来たんだ…!」という高揚感といったらもうね。あ、初のフジロック参加です。
いかにも山の中!ってな景観もそうだし、会場へと向かう参加者の出で立ちや持ち物も完全に都市型フェスとは違うので、既にこの時点で楽しかった。抑えきれないワクワク、落ち着かない心。
駐車場に設けられているツアーバス利用客専用の場所でリストバンドを交換。リストバンド交換だけでも時間が掛かることを危惧していたけど、一瞬で済んで助かった。ツアーバスのメリットでもあるのだろう。ちなみに自分はこの日だけの参加なので1日券となる。
入り口へと向かう人々の流れ。まず最初に感じたのはELLEGARDENTシャツを着てる人の多さだった。これは場所取りも大変そうだ…と入場前に戦々恐々。
リストバンド交換所の他に、物販や食べ物の出店などが集まったエリア。
ELLEGARDENグッズ販売最後尾。あまりの人の多さに、これに並んでたらレッチリが観れないぞ…とこのタイミングでの購入は諦めた。
まあ、絶対に欲しい!何が何でも手に入れる!ってわけではなかったんだけど、結果だけ言うと、その後もタイミングがなくて買えなかったんだよね。
いろんなアーティストのライブが各ステージで行われているわけだから、できるだけ多くを観たかったし、仕方ない。
この行列に4時間並んで買ったって人もいるらしいが、まあ、自分はその4時間で他の音楽を聴けたということだから後悔はしていない。
後になってやっぱり欲しかったなーとは思ったし、Twitterのフォロワーに代行を頼むこともできたんだけど、docomoの電波が圏外並に通じてなくて会おうと思っても会えなかったからそれも仕方ない。(代行を頼んだのに受け渡しができない方が悲劇だし)
とまあ、こちらはカラフルで可愛いテント群です。こういった場所で3日間行われるフェスなので、テントで宿泊する人も少なくない。テントに泊まってこそフジって人もいるだろうし、実際に楽しそうだよね。(テント泊の歩き旅経験はそりゃあるけど、音楽を聴くためにテントってのは未経験)
入り口にたどり着くまでにもいろいろとあってね、ここには新人用のステージ(ROOKIE A GO-GO)やバー・ダンスフロア(CRYSTAL PALACE TENT)がある。
そしてエントランスゲート。いよいよ。
まあ、みんな写真を撮るよね。
誰かわかんないけどテレビカメラも入っていたし、芸人の澤部や(さらば青春の光の)森田なども今年のフジに来ていたらしい。沢尻エリカとは連絡先交換するの忘れちゃったな。
とりあえず会場マップと、
この日のタイムテーブル(小さなステージだとか全部は入らない)
まず初めに来たのはメインステージのGREEN STAGE。
まだ人は少ないので、一番前のブロックに入って、後ろの柵を背に待機していた。
そしてオープニングアウトを務めたのはRed Hot Chilli Pipers。レッチリとはいってもスコットランドのバグパイプの方です。
バグパイプでノれるの…?と思うかもしれないけど、それが最高に盛り上がったんだよね。
バンドスタイルだし、ボーカルもたまに入るし、何よりQueenやMuseなどの誰もが知っている曲だったのでノりやすかったってのもあると思う。
参加者の服装は多種多様といった感じで、バンドTシャツもいれば、普通にアウトドア系の人もいるし、サッカーや野球のユニフォームの人もいたし、帽子が必需品なら菅笠もネタ的にありかもなーなんてふざけて考えていたら、お遍路の格好をしている人が実際にいて面白かった。南無大師遍照金剛と書かれた白衣を見たときには話しかけたくなっちゃった。
下の写真の左にはホークスのユニフォームを着た男性が写っている。トリニータのユニフォームの人がいたら絶対に話しかけたけど、残念ながらいなかったな。
フジロックにはこうした子供が楽しめるエリア(KIDS LAND)もある。現実問題として過酷とも言える環境の中で子供が楽めるのかどうかはわからないけど、まあ配慮はされてるわけです。
年齢層はというと、そりゃ2,30代くらいが多いんだけど、意外なことに60代くらいの人も結構いて驚いたな。加山雄三等目当てだとしても、そういった年齢でもこんなアクティブなイベントに参加するって、なんだか素敵だよね。
とりあえず人の波に飲まれて移動中。予想以上にステージ移動には時間が掛かりそうだと実感して、今後のプランも軽く練り直し。
こちらは2番目に大きいWHITE STAGE。LUCKY TAPESという日本のバンドが演奏中だった。
事前にいろいろと予習はしていたものの、このアーティストは絶対に観たい!ってのは正直レッチリ以降しばらくなかったから、会場を散策しながらいろんな音楽を楽しんだ。
小雨が降ってきた中、ソフトエネルギーで運営されているGypsy Avalonという小さなステージでは、ネパールのバンド「Upendra and friends plus Mr. Sunil」を。
シュールなおトイレ事情。そういえば会場のトイレ使わなかったな。
こちらのステージはFIELD OF HEAVEN。
更に奥へと進み、新潟物産展も通り過ぎて、最奥エリアへと。
Café de Paris。大人の社交場というだけはあって、バーも併設されているし、ポールダンサー用のステージまであった。
皆それぞれ目当てのミュージシャンがいて、それをより良い場所で観ようと待っている。
山の上あるあるだけど、噂通り天気がころころと変わって、このときは日差しで暑かったのでアイスキャンディーを食べた。
フルーツミックス味。
どのエリアにも、アルコール片手に音楽を聴きながらリズムにノッている人たちが沢山いて、めちゃくちゃ楽しそうだなと見ていた。いやー、フェスっぽいなと。自分は味覚バブちゃんなのでお酒は飲めないしね。強気に言い換えるなら、音楽だけで楽しめる純粋な音楽ファン。
この辺りにも子供が遊べるエリアがあったし、スラックラインや、皆で参加できるドラム(太鼓)のイベントなどが行われていた。
だってあっちぃーもんね。このかき氷を買うためにはそれなりの待ち時間があったけど、スラックラインをしている人を見ていたり、飛んでくるシャボン玉をキャッチしたりしながら待っていた。
抹茶に練乳をかけた。美味しかったな。さすが日光やで。
持参していた(小さくて座り心地はあまり良くない)椅子に腰掛けて、かき氷を食べ終わってからも、しばらくここで過ごしていた。
ぼーっと会場や参加者の姿を見つめていたり、先程のカフェ・ド・パリで演奏を始めた勝手にしやがれを聴いたりしながらね。
出店はいくらでもあったけど、カロリーメイトやおにぎりを持って来ていたのでそれらを食べてお腹も満たした。
では中央へと戻りましょう。
ホワイトステージから届く出番前の音合わせを聞いて、これは絶対観なきゃ…!と14:50から約1時間フルで観たのはKing Gizzard & The Lizard Wizard。
オーストラリアのサイケロックバンドと紹介には書かれてあるけど、もうハードロックという認識でいいと思う。
周囲の反応も、今まで聴いたことなかったけど良かった!!!といった感じ。自分もロックってやっぱ良いな!と感じた。
ライブ中に雨が激しく降ってきたりもしたけど、期待以上に楽しめたのは間違いない。こういったフェスでの新たな音楽との出会いも良いよね。
あ、自分のファッションはこんな感じです。上は普通にTシャツで、デニムのハーフパンツ、足元はトレッキングシューズを履いた。泥濘んでいる箇所もあるからね。
首にはトリニータのタオルマフラー巻いていたり、アドベンチャーハット、サングラスとかもつけたりしてたけど、まあ、日焼け止めは塗ってたし日焼けで死ぬようなことはなかった。レッチリを待っているときに日差しを直に受けていたので、スポーツタイツを履いてもよかったなとは考えたけど。
そろそろメインの方に移るか…と移動を始めたものの、もう全然進まなくて、エルレの後にTycho、ケミカル・ブラザーズの後に(入場規制かかっていなければ)トム・ヨークも観れたらいいなーなんて考えていたけど、甘かった…絶対に無理だ…とこの時点で断念した。
メインステージを一旦通り過ぎて、Oasis Fieldに移動してきた。このエリアには苗場食堂や、
唯一の屋内ステージであるRED MARQUEEなどがある。MITSKIも観たかったなあ。でも観たいものの中から選んでいくのもフェスだよなあ。
16時頃にグリーンステージに移動してきたからは、最後までこのステージから離れることはなかった。
16:50~17:50はJanelle Monáe。
この官能的なPYNKという曲を聴いて、観て、会場にいた誰しもが「おま○この曲だ…」と思ったことだろう。MV以上にそう感じた。
とまあ、PYNKは置いといても、彼女のステージパフォーマンスは本当に素晴らしかったと思う。
ソロでパフォーマンスをする系(マドンナだとかマイケルジャクソンだとか)ってCDでは沢山聴いていても、ライブを観に行ったという経験が個人的にほとんどないから、新鮮だったし、(彼女にはまだまだブレイクの余地があるだろうけど)スターってこう魅せるんだよな…というのを目の当たりにした感じ。いやー、良かった。
彼女のライブ中も、人の動きを少しでも察知すれば、前へ前へと移動して、そして手に入れたこの位置。右側ブロックの内側2列目。
そして遂に、次はELLEGARDENの登場。
もういろんな想いが溢れすぎて何を書けばいいのかわからないけど、とにかくこの会場に詰めかけていた大勢の人がエルレを長年待ち続けていて、その会場のボルテージは凄まじかった。
まず、セットリストを書いておこう。この曲目を眺めているだけで、未だにたまんねーな…という気持ちになるし、現地にいなかった人たちからはめちゃくちゃ羨ましがられる。
1. Fire Cracker
2. Space Sonic
3. Missing
4. 高架線
5. Supernova
6. Pizza Man
7. 風の日
8. The Autumn Song
9. Middle Of Nowhere
10. 金星
11. Red Hot
12. ジターバグ
13. No.13
14. Salamander
15. 虹
16. Make A Wish
17. スターフィッシュ
1曲目のFire Crackerが始まって十秒足らずで、少しでも前へと近付こうとする後ろの人々からの圧で、最前列まで押された。つまり、エルレを内側最前列で観ることになった。
それから1分もしないうちに、ダイバーの硬いトレッキングシューズによる顔面キックを喰らい、メガネは吹っ飛びそうになるわ、ポンチョの中で前掛けしていたバッグはずり落ちそうになるわで、もうかなり大変だった。少しでもはっきりと見たいからとメガネを掛けていたのは失敗だった。前方以外からのすべての方向から人の圧があるので、仕舞う暇もないし、壊れないようにずっと手に持ったままだったのは正直めちゃくちゃ疲れた。そしてバッグがずり落ちそうになってるから手を柵から下ろすこともできず、かといってそのバッグをまた肩まで戻す余裕もなく、
まあ、文字で説明しても難しいだろうけど、とにかく大変な状況でほぼ最初から最後まで観ていたということ。顔面を含む頭部へのキックは30回はあったしね。数日は痛かったよ。
でも自分が人生で観てきた中で、最高のライブだった。ああ…エルレが目の前にいる…と涙を必死で堪えながら、ずっとシンガロングしていた。やっぱりELLEGARDENが世界一好きなバンドだと改めて感じるライブだった。
中高生のときはチケットが当たらなくて、活動休止でそれから10年チャンスはなかったし、去年の復活ライブも当たらなかった。だから、エルレが今年のフジロックに出演するというニュースが出た次の瞬間にはもうチケットを購入していたんだよね。
これまでに何度も観た人も沢山いるだろうけど、自分にとっては初めてのエルレのライブ。
長かった。どれだけ待ち焦がれていたことか。でもその待ち続けていた時間のおかげで、この夜が最高の夜になった。フジロックのステージの上では、ガキの頃から憧れだったELLEGARDENが目の前で演奏していた。
細美さんにとってもこの日への想いは特別なものであり、「人生で一番幸せな日が更新される」という日だったのだから、自分が初めてエルレを観た日が今日という日で良かったのかもしれないと心から思えた。
「日本で一番シンガロングがデカいバンドだと思うんだよね」ってなことも細美さんは言っていたけど、なんだろうね。確かに会場全体での大合唱は圧巻だったと思うけど、そのシンガロングで愛がわかるよね。自分がエルレが好きすぎるということがわかったよね。
なんていうかね、自分はサビだけじゃないんですよ歌えるの。全曲全パート歌えるくらい大好きなんです。Middle Of Nowhereはちょっと歌えないとかないんですよ。っていうエルレへの愛の自負は置いておいて、
この日素敵だったなーと思ったのはセキュリティー(警備員)の男性まで歌っていたことかな。ダイブで柵を越えてくる人たちを注視しながら、受け止めながら、オーディエンスと一緒に歌ってたんだよね。やっぱり20代後半、30代前半の男性にとってはエルレは本当に憧れの存在なんだ。みんなが大好きなバンドなんだ。
他にもいろいろ書きたいことはあるんだけど、もう手がつけられなくなるから、ここらにしておく。
出番前は降っていた雨もライブ中は止んで助かった。ゆえにポンチョ脱ぎたかったけど。開演前に隣にいたパンダポンチョの小さな女性は大丈夫だったかな。
ライブが終わるとバッグのファスナーが開いていて、サングラスを入れていてケースが転がって、ある男性に拾ってもらったけど、ライブ途中で荷物が散らばっていたっていう悲劇は起こっていなくてよかった。中にはiPhoneを落としていたり、メガネが踏まれて割れていた人もいたしね。
ステージから一旦離れると椅子に腰掛けていたんだけど、その大トリを待っている間に体が冷えてきて上着を着た。さすが山の上だね。7月だろうと関係ない。
そしてヘッドライナーのThe Chemical Brothersの登場。
エルレで消耗し切っていたし、後ろの方で椅子に座って観ていようかなーなんて考えていたけど、近くにいた人たちが立ち上がりだしたから、なんだよ!もうこれは行くしかないじゃないか!と自然に近づけるとこまで近づいた。そして、音に酔いしれ、踊った。
1. Go
2. Free Yourself
3. Chemical Beats
4. MAH
5. EML Ritual
6. Swoon
7. Temptation
8. Star Guitar
9. Got To Keep On
10. Hey Boy Hey Girl
11. Eve Of Destruction
12. Saturate
13. Elektrobank
14. No Geography
15. Escape Velocity
16. The Golden Path
17. Hoops
18. Get Up On It Like This
19. Under The Influence
20. Dig Your Own Hole
21. Wide Open
22. Galvanize
23. C-H-E-M-I-C-A-L
24. Leave Home
25. Song To The Siren
26. Block Rockin’ Beats
うん、正統派・王道のダンスミュージックだからノりやすかったとかじゃなくて、ケミカルブラザーズもめちゃくちゃ聴くんですよ僕。
日本のフェス常連なのに(?)ゆえに(?)オーディエンスの新曲への歓声が大きかったのが驚いた。みんなチェックしてるんだな。
またケミカルは音楽に合わせた映像も素晴らしい。そりゃ踊り出すよ、みんな。
No Geographyを聴いているときに、ああ…なんて最高な締めくくりなんだろう…と本当に胸が熱くなった瞬間を覚えている。
死ぬほど聴いていて大好きなWide Openが流れると、もう自分のフジロックは終わりか…と名残惜しかった。文字通りのIt’s getting away from me。
感動の時間を終えて、帰り道では雨が降り始め、雨脚は徐々に激しくなっていったけれど、最高な余韻のおかげで最悪な気分にはならなかった。さよならFUJI ROCK FESTIVAL。
預けていたバックパックを受け取り、ツアーバス発着場へ。苗場プリンスホテルもさよなら。泊まってないけど。沢尻エリカは泊まっただろうか。
まあ、後はツアーバスに乗って帰りましたというだけなんだけど、この写真の場所はツアーバスを待つ人たちが集まっていた臨時コンビニの横で、雨が降り続いていたからみんな屋根の下に来るもんだから、続々と人で埋め尽くされていってね、
んでバスの待ち時間も2時間近く(着いたのは23時半で、バスは1時半発)あったからさ、一日フェスで疲れ果てたあとに、こんな環境で数時間待つわけだから(雨じゃなければBIGYUKIに自分は行ってたけど…)、もうみんなぐったりしていて、一日参加でもフジロックは過酷だ…と感じた。
2日目以降天候が悪化して、テントが水没したりもしていたみたいだから、被害に遭った方たちはさぞ大変な経験をしたことだろう。
でもそんな事態に巻き込まれるリスクを背負った上でも、毎年参加している人たちもいるんだから、音楽好きってのは馬鹿素晴らしい。
まあ、こんな感じかな。
あまりの土砂降りなので、バスの乗車時間は少しだけ早まった。僕は横浜行きの夜行バスに乗って苗場、フジロックから離れた。