7月25日。
東北を去り、新潟に入る朝。
磐越西線。
この山都駅で56分遅れの電車とすれ違うために停車していた。56分て。
東北の電車はいつも停車時間が長いにしてもこのハプニングはレベル高め。
でもハプニングといってもこの先の野沢駅で25分停車予定だったからそこからは定刻通りに戻るとのことで、苛立っている乗客などはいなかった。いや、なんていうか、スケールがいろいろと大きすぎて。
20分は待ち時間があったので一旦駅から出て自販機で飲み物を買った。蝉の鳴き声を聞きながらこの駅でひたすら対向車を待っていたのも思い出の一つ。
さらば、みちのく。
V6森田剛 Vs. 淳chan私を信じてね。一体何年前の落書きなんだろう。
新潟に入って、津川駅で17分待ち時間があったので駅のトイレに行く人もちらほらいた。ホームにはオコジロウの家。
磐越西線で唯一ってくらいの観光できそうな場所(狐の嫁入り屋敷)がある駅だったから名前は知ってはいた。
電車は最後の県、新潟を進む。
この新潟県が最後の県になったのも何かの巡り合わせなんだろうなと思った。意識して最後に取っておいたわけではないんだけどね。
ふと昔のことも思い出し、10年前に知り合った人とは10年前に接していたということになるのか…それから接点がなければもう10年もお互いのことを知らないのか…なんてことも考えていた。10年という過去の長い時間について思いを馳せられるくらいには大人になってしまったらしい。
どんな繋がりがあるにせよ、(この県に限らず)想いを馳せる土地、想いを馳せる人がいるというのは多分幸せなことなんだろうなとも思った。そしてその手の想いが巡るのはいつも旅の途中。
もう会えなくなる人に出会ったということ、これから出会う人に出会うということ。少なくともこの10年間は旅が自分の大部分を形成している。
新津駅で乗り換え。電車は遅れていたが、連絡している新潟行きは乗り換えの客を待っての運転だった。
長い待ち時間が少しだけ短くなっただけの自分は予定を変えず、そのまま目的地へ。
はい、大将ラーメン。
こんなラーメンはいまだかつて見たことがなかった。唐揚げが乗ったスタミナラーメン。大盛りも値段一緒だよと言われたけど、遠慮した。苦しくはなりたくなかったし、時間も不安だったから。
汗だくになって駅へ戻り、
汗拭きシートで汗を拭いて、信越本線へ乗り換え。
オコジョ推されがち。
東三条駅で降りて、今度は弥彦線へ。0番ホームってなんかかっこいい。
信濃川。
弥彦駅に着くとはっぴを着た女性たちの姿が目の前に。
これから芸子たちの踊りがありますので、といった感じで男性に渡されたうちわ。名前が書かれてある。
まずはベテラン熟女たちが踊って、それを若い女子たちが手拍子で盛り上げていた。
その次は女子たちが後ろに回って一緒に。前後逆にしてくれないかな?なんて言ったら怒られちゃいそう。
弥彦神社燈籠まつり その一 pic.twitter.com/waQgookoMo
— 末宗凌 (@SuemuneRyo) August 5, 2019
この町の婦人会みたいな団体がやってるのかなと思っていたけど、芸子連ってな名前がきちんとあるようだったので違うのかもしれない。
そして全然調べていなかったから驚いたんだけど、この日は燈籠まつりという千年前から続く伝統のお祭りの日で、この時間は芸子連だけでなく、青年・子どもによる燈籠押しという催しも行われていた。
もうひっきりなしに学生のグループ(クラスごととか?)が掛け声や演奏とともに道の向こうからやって来た。こういう幸運って意外と持っている方かもしれない。
弥彦神社燈籠まつり その二 pic.twitter.com/WS18sk9Sd9
— 末宗凌 (@SuemuneRyo) August 5, 2019
アイスを食べたり、水をかけられたりして楽しそうだったな。めちゃくちゃ暑かっただろうけど
中高生だけなく小学生も参加していた。この写真の燈籠?には小五と書いてある。
弥彦神社の中まで燈籠押しは続いていた。ゆえになかなかの混雑。子どもたち以外にもそれを見守る保護者などもついていってたから。
二の鳥居の手前で燈籠押しは止まっていたので、その先は静かな参拝になった。
何しろ初めて来る神社なので知りようがないが、多分このお祭りに合わせて境内の様子も変わっているのだろう。
右側の神楽殿はもしかしたら仮設かも。弥彦山目当て?の登山客も多かった。
鹿苑。
日本鶏舎。
駅へと戻るために住宅街の中を歩いていたのだが、細い路地にかなりの高頻度で燈籠が来るのでその度に足を止める必要があり、まあ全然進めなくて、正直焦った。
多分町内を練り歩きながら、燈籠を飾ってある家の前等で、動画内の儀式をお披露目するって感じかな。
弥彦神社燈籠まつり その三 pic.twitter.com/cx1IJ7Fwh4
— 末宗凌 (@SuemuneRyo) August 5, 2019
駅に着くまでにかき氷でも食べたいなと考えていたが、町はそれどころじゃなかったので仕方ない。飲食店自体そう多くもなかったし、駅近くにカフェはあったけど想像の何倍もの時間を帰りの道に費やしたので断念した。売店のアイスも2種類ほどしかなかったのでそれも。
再び電車に乗り込み、今日の宿がある長岡駅に向かっていると、乗り換えの東三条駅から一緒だった女性がいかにもフジロックっぽい格好をしていて、しばし隣に座っていたんだけど、話しかければよかったなーと後になって後悔した。なぜかイヤホンをたまに外したりとタイミングがあっただけにね。
でも彼女は長岡駅で一緒に下車したものの、多分それから乗り換えてまだ進んでいたので、絡んでいても一瞬になったとは思う。出会いって切ない。
しかしそんな切なさをすぐに晴らしてくれたのは、この三幸旅館のおかみさんの孫娘たち。おかみさんの娘がチェックインの対応はしてくれたんだけど、その娘の子どもであろう小さな姉妹が丁寧に挨拶してくれて、めちゃくちゃ癒やされた。
部屋も最高すぎる。長岡駅からのバスで翌日のフジロック・苗場に乗り込もうと計画は前々から立てていたので、とりあえず先に予約していた宿なのです。
コシヒカリを味わいたかったけど、それっぽい店は居酒屋しかないし、でも居酒屋は入りづらいし、ってな流れで駅弁を買った。
でも温めすぎてコシヒカリか何なのかわからないくらい熱くてふにゃふにゃだったし、逆にイクラはもうグロいくらい固くなってしまった。イクラって温めすぎるとこんなになるらしい。知らなかった。
しかし宿は猫もいて素敵だったな。抱っこは嫌がる子だったけどね。
扉を開けたら、部屋の前で寝転びながら、こちらを見ていたり。
(実は看板猫がいることは知っていたけど最初姿が見当たらなくて、聞こうかな?と思いつつ、いや…もし死んでたりしてたらめちゃくちゃ申し訳ないぞ…と聞けなかったので、普通に現れてくれてよかった)
まあ、こんなゆるゆるな感じで47都道府県制覇完了。
制覇の喜びなんてあってないようなもので、翌日にFUJI ROCK FESTIVALが、ELLEGARDEN等が、迫っていたので、心は落ち着かない夜でしたとさ。