18切符の残り2日分を使い切る為に、島根(出雲大社や石見銀山等)経由で関西へ行こうという計画は立ててたんだけど、18切符で移動することを考えるとどう考えてもしんどい行程になるので、島根はまたの機会にということにして、関西往復で消費しようと決めていたのですよ。
しかし、台風12号という日本列島駆け上がりたいマンが来るとのことで、もう京都のゲストハウス予約したのに電車動かなくなったら最高に面倒なことになるから、んじゃ1日早く出発して出雲大社だけ寄ろうと。
神社に呼ばれたという言い回しをしてもいいけど、そんな風に書くとスピリチュアルフリーク認定というか、こいつはヤバイ奴だと思われるかもしれないけど、でもまあそんな流れだったのです。
そんな旅をしてきました。台風から逃げるという体で出発したのに、その台風は大したことなかったというオチなんだけども。
ちなみに、出雲と京都といったら出雲阿国だろと題名に入れたけど、出雲阿国とは一切関係ありません。はい、一切関係ありません。
現代人あるあるだとは思うんだけど、SNS疲れというか、SNSに写真をアップすることを生活や旅行の中心にしてしまって、本来楽しむ為のツールで(ネット上での人間関係等も含めて)楽しめなくなってしまうみたいな、それを記録する為だけに実際目の前にあるものをわざわざフィルター越しで見てしまうというか、そういった疲労を自分も感じていたし、
んでそれに加えて自分はメモ魔なので、(アイデアは別にいいんだけど)起こっている出来事を事細かくメモしていかないと気になってしまうから、いやまあ、それは普段の日常でもそうだけど、でも旅をしていると当然起こる出来事も増えるわけで、それにも疲労を感じていたし(ブログをちょくちょく書くようになったのも影響はしているはず)。
まあ自分自身何かを発信したい欲はあるんだけど、Facebookにもあげて~Instagramにもあげて~Twitterにもあげて~といった具合に、いくつものSNSに写真を貼っていいね等をもらわなくても、1つか2つの場で普段から話してる連中に見せたいものを見せるというスタンスで充分なんだよな。と(実際SNSは放置癖あるし)、別に楽しみを犠牲にしてまでやらなきゃいけない義務でもないしな。ということで。
もうそういった煩わしいことは今回はできるだけ止そうと決めて、かっこ悪いけど「SNSやブログに囚われず気楽に旅をする」という現代人のアホっぽい悩みを踏まえたテーマで今回は旅をした。
とはいってもまあ、メモなんてもう自分の一部ってくらいの癖だし、写真もなんか勝手に撮りたくなっちゃう(京都とか特に)から、そこまでの変化なかったかな。意識的に撮る回数は減らしていたから、車窓を眺めたりする時間は増えたは増えたんだけど。
とりあえず、時系列に沿って書いていきましょうかね。
出発は9月4日、日曜日。
18切符に日付印を押してもらう際に、駅員さんから「今日はどこまで?」と聞かれて島根までと答えると、「台風追いかけてくるね」と。
逃げれたらいいんですけどねと笑いながら返してホームへ下り電車に乗り込んだけど、雨こそ降っていないけど雲行きの怪しさ満点の空だった。
下関に入れば晴れ間は広がったけど、その後雨が降っている地域もあった。曇りもあった。要は不安定な天気で、言い換えるなら、様々な空の表情を見ることができた。
日曜だったから学生少なめで、観光客多めの車内。
普段北上する際は山陽本線を使うから、山口線の車窓はなかなか新鮮で景色を眺めているだけで満足だった。
山口と島根の県境にある津和野という町の太皷谷稲成神社は特に美しかった。曇空の下に突如現れたのは本殿がある高台へと連なる朱い千本鳥居。釘付けになるのも当然のこと。
名所とされているであろう場所も、そうではない観光客なんて来ないような場所も、素敵だなと感じて、その素敵だなと思うような場所全てに行きたいなと思うけど、その全てが自分にとっては名所なわけだから、途方に暮れるような、長い人生の多くの時間を費やしても行き尽くせないのかななんて、思ったり思わなかったり。
益田駅での乗り換えは少し時間があったから、一旦ホームから出て駅構内にあるセブンイレブンでお昼ご飯やアイスを買って食べた。
益田駅からの山陰本線はアクアライナーに乗ったけど、進行方向左側に座れば良かったかもしれない。そうすれば左手に広がる日本海が見やすかったから。
でも右側に座ったおかげで、缶酎ハイと青いボトル(お酒?)を窓際に置いて、海を眺める一人旅らしき女性と、車窓の青い空や空を同時に見られるという幸運もあった。正直絵になりすぎていた。
そして14時半過ぎに出雲へ到着。出雲市駅からは一畑電車で出雲大社前駅まで移動。一畑電車の大社線では簡単なガイド付きで面白かった。
出雲大社前駅から出るとそこはすぐに参道。右側に歩いていけば徒歩5分ほどで出雲大社に到着。
今回の旅も神社仏閣多めで、しかもどれもかなり有名な観光名所ばかりだから観光客がとても多かった。
どう書いていいか難しいけど、何百年や何千年という古の頃から人々(自分の祖先も含め)が信仰を抱いてきたものに対して常に敬意を払っていたいと自分は思っているので、そういった観光として寺社等に行く際もきちんと礼儀正しく参拝することを心掛けているんだけど、でもそういった場所へどんな心構えで行くかなんて各々の自由だし、自撮り棒で進路塞いでたり、デカい声で騒いでる人たちがいても、いちいち注意したりはしないけど(小煩い人は逆に引く)、でもやっぱり気になることは気になる。
自分は聖域に入る鳥居や山門前では基本的に一礼するけど、でもパワースポット云々等で来てる人にとっては、楽しければもうそんなことどうだっていいということはわかっている。でも極わずかだけど、そういった人たちの中にマナーも何もあったもんじゃない輩がいるのは事実。
ここ出雲大社でも自分があんなにゴミを拾うとは想像していなかった。本当に様々な人がいる。観光客のマナーだけで考えればこれから行く京都よりは遥かにマシだったけど。
ってなんか不満だらけになっちゃったっけど、神社自体は前々から来たかったし、来れて良かったなと思いましたよ!!ええ!!!
慣れない二礼四拍手一礼は拍手多っ…!となったけどね。慣れてないからね、仕方ないよね。
拝殿と本殿だけ載せようと思ったけど、この東十九社も載せておきたい。反対側には西十九社がある。御祭神は八百萬神。
境内には沢山のウサギがいた。ぶっ飛んだエピソードの多い古事記の中で数少ないほっこり?(最初のうさぎは痛そうだけど…)な、因幡の白うさぎという物語が由来。
困っていた白うさぎを助けたのがここ出雲大社の御祭神である大国主大神。
大国主ではなく幼い自分と飼ってたうさぎのエピソード紹介してもいいんだけど、グロテスクエンド迎えてしまうからやめておこう…。とりあえず、うさぎかわいい。心ぴょんぴょんしちゃう。
帰りの参道。
神楽殿の近くには国内最大の日章旗が掲げられる国旗掲揚塔があるんだけど、台風が近づいているからかこの日は日の丸はなかった。
リベンジってわけじゃないけど、出雲にはまた来たい。その時は旧大社駅や歴史博物館にも行きたい。勾玉ももっと詳しく触れたい。
出雲大社前駅まで戻るとバスがすぐ来たのでそれに乗り込んで出雲市駅まで再度移動し、そこからは今日の宿である「出雲ゲストハウスいとあん」に向かった。
駅からは歩いて行ける距離にあるけど少しわかりづらい場所にある。とはいってもホームページに写真付きで道案内が載っているから迷うことはなかった。
写真中央が建物で入り口もあるんだけど、誰もここにゲストハウスがあるとは思わなそう。チェックインは宿の方ではなくラウンジになっている-RO-という別の建物で。
部屋には先客が1人いた。風呂敷で旅をしていて、京丹後から出雲までヒッチハイクで来たという22歳の男の子。だいぶ変わってる人かな…?と最初は思ったけど、話しているうちに良い子っぽいぞ!と。ここには住みこみヘルパーになろうかどうかで雰囲気等を知る為にまずは泊まるらしい。
他にも話してはないけど女性の宿泊客が数人いた。外国人だらけだろうと予想してたけど外国人は1人もいなかった。
シャワーを浴びてから、しばらくしてラウンジへと向かった。チェックインの際にちょっと片付け等してもらうけど、まかないみたいなものを500円で皆で食べてるけどどう?という話があったので、コンビニもわりと近くにあるからちょっと迷ったけど、交流の場にもなるだろうしと食べることにした。
19時半からということなので少し前に向かったけどまだ準備は出来てなくて、スタッフの女性に頼まれて相部屋の彼と机や椅子を外に持ち出して準備したけど、いつもどんな風に並べているかなんてゲスト2人は知るよしもなく、結局やり直したというあれ。まあ食事の準備で忙しそうだったから仕方ないけど。
7人予定で1人の宿泊客の女性が来なかったから6人で食べた。チェックインの対応をしてくれた30過ぎぐらいの女性がスタッフということはわかっていたけど、数人はどんな存在・肩書きなのかはわからないままだった。眼鏡をかけた結構ここに入り浸っている(住んでる?)様子の20代か30代の男性がいて、福岡の春日に住んでる?(住んでた?)という中年の男性も地元の人と詳しく話してたから彼かスタッフの女性がオーナーなのかな。
新顔っぽいのは自分と風呂敷の彼を除けば22歳の女の子1人だけ。彼女は眼鏡の男性が勤める建築系の会社に佐賀からインターンで来ているらしく、なんていうか可愛らしい雰囲気の女の子だった。
料理はパスタやピザ等出てたんだけど、味は化学調味料は一切使わず素材にこだわりました系のオーガニックな味だった。グラタン以外は全部(お茶とかも飲んだことない味だった)そういう系の味で、ホームページにこだわりが書かれていたんだけどそれを詳しく読んでいなかったから、食べ始めは正直驚いた。おお、そうきたか…と。
まあ、ジャンクフードとか大好きすぎる人間なのが悪いよね。肉々しいやつとか大好きだからね。うん。
でも会話は楽しかった。皆良い人だったから。風呂敷の彼が食べ物についてかなり詳しくて、女性スタッフと聞き慣れない言葉が飛び交うディープなフードトークを繰り広げだしたのはビビったけど。(片付けの際も話していてそういう食品ネタから原発ネタに移るまで耳に入ってきていた)
眼鏡の男性はThe好青年という感じで爽やかだった。彼は現在リフォームやリノベーションっぽいことをやってると話してたけど、もっと詳しく聞きたかった。
隣には佐賀の女の子が座っていて、さっきも書いたけど、可愛いかった。うん。け、健康に良さそうな味だな…ははは…とめげそうになる心を、彼女の笑顔に救われた。ほんと天使感すごかった。眼鏡の彼もそうだけど建築やってる人ってやっぱり魅力的だ。彼女はここに泊まっているわけではないから最後は眼鏡のお兄さんに送ってもらっていた。
決してこのゲストハウスを悪く書くつもりはないということを前置きしてから書くけど、昭和20年代に建てられた旅館の一部を利用していて和の雰囲気は魅力的。古いのにしっかりと清掃されているのも評価出来る。しかし鍵等の設備がどれもちょっとずつ使い勝手が悪い印象を受けた。
それとフリースペースも宿がある建物の1階に一応あるはあるんだけど、スタッフがいてカフェメニューも出すラウンジへは靴を履いて一度外に出てから歩いて移動しないといけないから、気軽には寄れないのが気になった。宿泊客が多ければ状況も変わるのかもしれないけど。
12時過ぎに寝て、翌朝は4時50分に起きた。
まだ風呂敷の彼は寝ていたから静かに支度して出発した。出発前に雨が降り出したので傘を差して、途中コンビニに寄ってから出雲市駅へ。
18切符の最後の5日目のところに日付印を押してもらい、始発の電車に乗って関西へと向かった。
この日もまた車窓に見蕩れていた。窓いっぱいに広がる海、米子駅付近から見えた大山という中国地方最高峰の山は笠雲のような雲を被っていた。
日南町という町を見ていると高千穂に似ているような気がした。古事記ゆかりの地というのも関係しているのかもしれない。
特急列車に追い越させる為の待避駅が多かった。時には数十分待つようなこともあったけど、決して苦痛なんかではなかった。
雨が降っている時間が多かった。雨の降る田舎町を鈍行列車から眺めていると、やはり18切符は最高だなという気分になった。前回は疲れ果ててもう使わねえ…と思っていたのに。
出雲市からは新見、岡山、相生、姫路と乗り継ぎ目的駅の京都駅に到着した。
京都に着いてからは歩いて西本願寺へ向かった。西本願寺は自分にとって縁のあるお寺。西本願寺が浄土真宗本願寺派の総本山だからという意味で。
国宝、阿弥陀堂(本堂)。デカい。
渡り廊下と、これまた国宝、御影堂。デカい。
御影堂をお参りしている際にガイドさんが説明しているのが聞こえてきて、盗み聞き()という形で少し話を聞いていた。このお寺のお勤めが早いのは織田信長と戦っている(石山合戦)時期、きちんと読経しなきゃいけないのに、矢や弾が飛んできていて、戦わなければ自分たちが潰される。どうしようか…ということで導き出した答えが、出来るだけ早く読経を済ませて戦いに戻る、という最高に合理的な形だったらしい。このお寺の僧?のガイドさんは今は矢も弾も飛んでこないんで安心してくださいねと笑いを取っていた。
御影堂に安置されている宗祖親鸞聖人の像は、本堂の阿弥陀像と比べると少し下の位置にあるという話も聞いた。(建物自体は元々西本願寺は親鸞の廟堂として始まったことから御影堂の方が大きい)
ちょうど16時からの夕方のお勤めがあるとのことだったので渡り廊下を歩きもう一度本堂へ。お勤め前に鐘を鳴らしていたけど、(ガイドさんもご注意くださいと言ってたように)高音がうるさいくらいに大きな音で響いていた。
お勤めが終わった後はすぐにお寺を出たけど、他の国宝である、唐門も飛雲閣も見ていない。(西本願寺のありとあらゆるものが国宝や重要文化財だらけではあるけど)
お遍路の流れだと思うけど、本堂、御影堂にちゃんとお参りすればいいやみたいな風になってるから、それは直そうと思った。また来れる場所ではあるけど、もったいないことは確かだし。
西本願寺を出るとまた歩いて京都駅に戻り、京都駅からはバスで今日の宿がある河原町まで移動した。
「Len」という名前のゲストハウスで、実はこのゲストハウスを選んだのは、お遍路の終わりに高野山に行った際に、その高野山のゲストハウスで知り合った(正確には違う場所だけど)子が働いているというところで、関西で泊まる予定ではあったけど、泊まるとこなんてどこでもいいっちゃいいし、どうせならそこを選ぶかということで、このLenに予約を入れていた。
結構大きな場所と聞いていたし、HPを見てもなんかかなり洒落てるとこというのは知っていた。それでまあ、1階はカフェになっていて、ゲストハウス感なんて微塵もないお洒落な場所だなと思いながら入って、カフェ内を見渡してみるとすぐにカウンターの中に知っている顔を発見した。
同い年の女の子なんだけど、彼女と出会った時の自分の風貌って、長髪の髭面という余裕で旅人ルックだったから(今は髪だいぶ切ってて髭も普段伸ばさないし)気付かれないこともあるかと思っていたけど、なんか5秒も掛からずに「ん…?おぉ…?もしや…!?」とカウンターから近付いてきて「なんか普通になってるぅー!www」と笑われて約2ヶ月ぶりの再会。
連絡先とかも交換してなかったから、向こうは自分が来ることを当然知らないし、もちろん自分も彼女の出勤日を知らなかったけどちょうどいてくれて良かった。来てくれて嬉しいと喜んでもくれたし。
チェックインの対応は彼女がそのまましてくれて、仕事中だったから少しだけ話をして、相変わらず爽やかな子だなと思いながら、部屋へと上がった。
部屋は男女混合6人ドミトリー。後でわかるけど同部屋の自分以外の宿泊客は皆外国人だった。
部屋に入ると1人白人の男性がいて話をした。イングランド出身でオーストラリア在住のLiam。観光で東京から京都へと来て、今日は嵐山や金閣寺に行ったらしい。明日は広島に行くけど1日で足りる?と聞かれて、宮島に行くの?と尋ねたらそうだと返ってきたので、まあ他に行っても原爆ドームくらいだろうから、充分足りると思うよと伝えた。
とりあえずシャワーを浴びたら、移動の疲れもあってか眠くなったのでちょっと眠った。
起きると外は暗くなっていて、下のカフェは夕方から夜はダイニングバーになっているから下りてみた。置かれてあったメニューを見て惹かれるものもあったんだけど、なんだか人が多いということでそこで食べるのはやめて、近くにあるコンビニに行った。コンビニから戻った後は2階にあるフリースペースで食べた。フリースペースも照明がいい雰囲気を演出していた。キッチンでは白人とアジア系の女の子たちが料理を作っていた。デザートはハーゲンダッツ紫いもにしました。美味しゅうございました。
早めに歯磨きもして、ドミトリーのベッドの綺麗なシーツの上でのんびりと過ごしていた。下に行って話をしても良かったんだけど、コーヒーもアルコールも嗜まない人間だしあれだなあと思ったから、本を読んだりして過ごした。Liamもベッドでゆったりくつろいでいたし、部屋にいた他の人もそうしていたから、そこまで会話があったわけじゃないけど、悪くない雰囲気だった。
3日目の朝は目を覚ましてからは全力でゆったりと過ごした。確か11時以降に清掃が入るからそれまでには部屋を出た。
京都っぽい道を抜けて、鴨川を歩いた。
たまに吹く風は気持ちよかったけど、暑かった。暑さにも寒さにも弱いという気温の変化についていけない体質だけど、暑いときは汗をかくから余計困る。おまけに代謝が良すぎるから、体がちょっとでも暑さを感じたら汗をかくわけです。その代謝の良さがシュッとした体型(照)をキープしてくれてるのは確かだけど、でも困りますよ。ええ、服を選ぶんだりするのにも困ります。
同じく代謝の良い知り合いは春夏秋冬を全身で感じる体と言っていたけど、正直わけわかんない。いや、わかるけど、でもわけわかんない。
そして八坂神社。八坂神社といえば祇園祭、祇園祭といえば7月17日、7月17日といえば自分の誕生日。となんだか縁を感じる八坂神社の総本社。御朱印も貰った。
浴衣を着て観光するのはやっぱり素敵だなと感じた。あれは何度見ても素晴らしい。着ている本人たちが楽しいだけでなく、その姿で街を歩けば見ている側も楽しめる。
この日は知り合いと会う約束をしていたのでお昼に待ち合わせしてとりあえずおそばを食べて、なぜか新居探しに付き添うことになったのでエイブルに行って、それから下見も行ったけど、やっぱり京都って良いなと思った。歴史的な建物が沢山あるというのはもちろん、それに伴って観光客が多いから活気がある。決して古い町というだけじゃない。
少し歩けば(散歩コースとして)そういった情緒ある古都の町並みを味わえ、新しい人が沢山入ってくるから交流も盛ん。うん、盆地の気温以外に文句をつけられる箇所が見当たらない。
新居探しが終わるとかき氷を食べた。金時=つぶあん、しるこ=こしあん。ということを初めて知った。ミルクかけ宇治しるこ超優勝。
その後は鴨川をぶらりと散歩したり、座ってぼーっと鴨を眺めたりしてから別れて、ゲストハウスへと戻った。
ただいまLen。部屋にはキーレスで英数字入力で開ける鍵があるんだけど、もう皆そのロック解除面倒だから、ドアを閉める際は微妙にロックがかからない位置で止めるというインターナショナルコンビネーションを発揮するようになったのは面白かった。
この日の夜はパンプキンプリンを食べた。旅の間は食べなくても平気なことが多い。外国語の寝言を聞きながら眠りについた。
二段ベッドの下はアジア系の女の子だったんだけど、その人がアラームを設定したままシャワーに行ってて、自分は起きてたからまだ良かったけど、延々と鳴り続けていて他の寝ている人が可哀想だった。最初はそのアラームを止めない下の人はいびきをかいてて全然起きないな…と思っていたけど、そのいびきをかいていたのは隣のベッドの人だった。つまりその人はアラームでは簡単には起きないということだけど、起きない人はとことん起きないなと、ある意味感動していた。
今日がチェックアウトなので荷物をまとめて1階に下りた。昨日は休みだったけど、今日は例の子はいて挨拶をした。
朝食はパンとグレープフルーツジュース。優雅な朝。優雅すぎてブレてるけど。
宿泊客だけでなく地元の方がコーヒーを飲みに来たりもしていて、良い雰囲気の中でゆっくりと流れる時間を過ごした。
普段自分がする旅は時間に追われていることが多いから、こういうのも良いよなとか、旅ってこうあるべきなのかもしれないなとか思ったりしながら。
この京都のゲストハウスLenは、ゲストハウスというよりはオシャレなカフェアンドバーに宿泊施設が付いてるというような印象を受けた。
トイレを汚していたのはその時の客側の問題で、スタッフが清掃に来てからは問題なかった。それ以外はどれも綺麗で過ごしやすかった。人にオススメしたくなるような雰囲気を持つ宿だった。
チェックアウトの際に少し話をして、やっぱりめちゃくちゃ爽やかな子だなと改めて感じた。走ってる?と聞くと、昨日も走って筋肉痛と笑っていた。まだお遍路の記事は書き終わってないけど、高野山でもそうだったように手を伸ばしてくれたので握手をして別れた。また突然来てよと言われたので、また突然来るよと笑いながら返した。
この旅では行ったことのない場所を優先して回ることにしていたけど、歩いて20分かからない場所に清水寺があるから、以前行ったことはあるし暑かったけれど、歩いて向かった。
参道で八つ橋を買った。もも味はもうなかったけど、長年探していた夏季限定ラムネ味を手に入れられたので大満足です。焼きいも味もあったけどラムネ味の方が美味しかったです。
道中にあった大日堂にもお参りした。大日如来はもうなんか手を合わせないとって気持ちになる。
その次はバスで銀閣寺こと東山慈照寺へ向かった。
入ってすぐに、え!どこが銀なん?笑 全然銀なところないのに!と騒ぐ修学旅行の中学生グループはいたけど、境内を進めば自然と感動した。
個人的には金閣寺よりも美しいと思う。庭園と2つの建物、観音堂と東求堂だけで、「日本らしさ」の礎である東山文化を鑑賞するには充分。
紅葉や雪の季節も良いだろうけど、青々しい緑に包まれる姿もまた、いとうつくし。
水彩絵具で描いたような青空の下に佇む銀閣。
お寺から出た先にある哲学の道とカップル。悪くない。
続いては京都御所へ。バスで15分くらいで着く予定だったんだけど、なんかぐるっと回ってしまった。まあ涼しいし、京都の町並み見るの楽しいし、均一区間は運賃変わらないからいいかとそのまま乗っていた。
確か京都御所を予約無しで参観出来るのは春秋の特別公開のときだけだから、あっという間に終わっちゃうかもと思っていたけど、御所の周りにある京都御苑という国民公園を歩いているだけで大満足だった。御所内に入らなくても、何百メートルも続いている築地塀を沿うように砂利道を歩くだけで圧倒された。歴史ある様々な建物は外からでも見ることも出来たし。
でも実は西にある清所門まで行けばこの日御所を参観することは出来た。というのも今年の7月末(つい先日)から予約不要の通年一般公開に再編されたらしい。ちゃんと調べて行けば良かったなともったいなさをまったく感じないわけではないけど、でも後悔はない。
自分が歩いたルートは、今出川御門から御苑に入って、御所北側の朔平門に突き当たって、そこから時計回りに猿が辻・建春門の横を通って、建礼門の前まで来たらそこからずっと南へと歩いて、九条池のほとりにある厳島神社に寄って、御苑を通り抜けるように歩いた。
500種類以上の植物、5万本の樹木が育成しているらしい。京都市民の憩いの場でもある。
結婚式の前撮りだと思うけど、京都御所を背景に和装で撮影って素敵すぎる。
九条家庭園の遺構である九条池と拾翠亭。御苑内には厳島神社以外もいくつか神社がある。
京都御苑から出ると地下鉄烏丸線とJR奈良線を乗り継ぎ稲荷駅へ。もちろん伏見稲荷大社に行く為に。
外国人満足度No.1でもあるし、日本人にも人気がある伏見稲荷大社はさすがの観光客の多さだった。
そして写真撮影よく頼まれる系男子は今回の旅でもよく頼まれました。今回はかなり外国人多め。SL人吉のお姉さんと同じようにOne Two Threeの掛け声で撮った。
この境内案内図にあるように本殿は下にあるんだけど、もちろん稲荷山登るよね。もちろん。
千本鳥居の始まり。
いざ、稲荷山。
鳥居を横から見られる場所。鳥居はもっとはっきりと濃い朱色と想像していたけど、実際はだいぶ薄かった。
定期的に御手洗もあって親切。
本格的な登り開始。
ずっと鳥居をくぐりながら階段を上るわけではなく、こういう場所も所々にあって神秘的な雰囲気を感じられる。
登っていきます。
戯れる(もしくは喧嘩する)キツネ、いや、ネコ。
多分四ツ辻という名前の山の中腹。ここにある建物の影で、みんなへばっていた。天気が良くて暑過ぎたせいかな。
3つの分かれ道があって、2つは山頂へ続いているんだけど、唯一の間違いを引き当てたのがこの私です。
あ、これ違うわ…と気付いた際に、ちょうど男の人が近くにいて「この道違うんですかね…?」と尋ねたら、その人はここが初めてではなく正しい道を教えてくれた。正しい道っていってもこの道以外はどちらも正解なんすけども…(照)
あれだけ下には観光客がいたのに、稲荷山を上へ登れば登るほど人も減って(中腹でリタイアする人も多いっぽい)神社にお参りするのにふさわしい静けさに徐々に包まれていった。
暑いのに飲み物も用意してなかったから汗だくにはなったけども。
途中途中にお店もある。ロウソク等お参り道具しか売ってないお店もあるけど、お茶屋さんみたいになっているお店もあって、寄ってもないのになんだか満たされたような気分になった。ああ、素敵だなと。
自販機もあったけどべらぼうに高かったので、こういったお店でちょっとだけ高いコーラを買った。登る前にちゃんと用意しておきましょう。
登っている間に一つだけ不思議なことが起こった。小さな鐘や鈴を鳴らしたような高い音が鳴るのが突然聞こえた。遠くから聞こえたわけではなく真横から一度だけ聞こえたんだけど、その横には音が勝手に鳴るようなものは何もなくて、小さな祠のようなものがあっただけ。他に人もいなかったけど、あれはなんだったんだろう。不思議だ。
そして、そして、山頂の一ノ峰に到着。こちらで手を合わせて初めて稲荷大社にお参りした気分になれた。
後ろの建物で鳥居型の絵馬?にお願い事か何かを書き込んでいる人が数人いた。
それでは下山します。
登っている最中からなんだけど、ある1人の女の子と登山ペースがほぼ同じだった。
お遍路から帰ってきてから、安静という名の運動サボり時期を2ヶ月ほど過ごしていたけど、それでも他の一般客に比べれば軽やかに自分は登っていて、何十人も追い抜いていった。
そんな自分とほぼ変わらないペースで歩く女の子がいた。年齢は10代後半か20代前半ぐらいで、髪型も服装(スカート履いてた)もいかにも可愛らしい女の子といった感じなのに、特に休憩を取ることもなく、たまにペットボトルで水分補給してるだけで登っていくその子がもう、一体何者なんだ…とかなり気になっていた。どの道を進むのか迷っていたりしたからここにトレーニングで通ってるとかではなさそうだった。それでも本当に軽快に自分の後ろを歩いていて、写真を撮ってる間に追い抜かれることも数回あった。
下山の際のペースもほぼ一緒だったので、もう彼女に話し掛けてみることにした。「なんでそんなに軽快なんですか…?」と。
すると「え、軽快…?そうですか…?」と返ってきた。二、三回言葉を交わして、もしかしたらと思ってどこから来たのか尋ねてみると、中国から来たとのことだった。
それでも日本語はほぼ完璧だから、色々聞いてみたら、福建省から来た22歳の女の子で、秋からは東大大学院に通うとのことだった。体力があるのはジムに通ってたのが理由っぽい。
そりゃアジアトップクラスの学力を持つ子なわけだから賢いのは当然だけど、話してて何より驚いたのは語彙力。そんな単語まで知ってるの…?そんな副詞まで即座に理解出来ちゃうの…?と。
彼女と話しながら下山をした。下りてからは御朱印に興味津々といった感じが可愛かった。彼女はよくおみくじを引くらしい。
自分と同じく今夜京都駅から夜行バスで東京に戻るらしく、下山した後は京都駅へ一緒に電車で移動して、時間は結構余っていたからカフェで過ごしていた。
日本の文化にもなかなか詳しくて、新海誠やBUMP OF CHICKENや抹茶が好きだとか、共通する点も多く、会話が弾んだのでとても楽しかった。
バスの乗り場を確認しておこうかと行ったんだけど、京都駅の高速バス乗り場がまあわかりにくくて無駄にぐるぐると歩き回ってしまった。JRや京阪のバス乗り場は案内があるのに不親切だなと思いながらも、ちゃんと下調べしておくべきだったなと後悔した。自分1人が歩き回るのは何キロ歩こうと平気なんだけど、誰かと一緒に歩くとどうしても申し訳なくなる。今回はこっちは日本人なのに…という点も気になったし。
結局乗り場はこの写真の屋根もない場所にあった。ってかここで下車したことあるわ…とその場に着いてから、まさか乗車も一緒の場だとは…と悔いた。この時は雷雨だったけど、屋根も案内もないというおもてなし感0なのはいただけない。結構利用者もいるだろうに。
その子とお別れしてから、19時半過ぎにバスに乗り込んだ。
いつも夜行バスは一番安いのばかり乗るんだけど、この日は出発時刻も早く、シートはゆったりでコンセントもついてるというバスに乗った。サービスエリアでの休憩時間の馬鹿みたいに明るくなるのも、今回の予備灯だとマシだったし(起きるは起きるんだけども)、なんていうか、ここは盲点だった。今まで車内設備等まったくといっていいほど気にせずに、予約する際は値段で、当日に乗る際は空席状況で決めてたから、いつもよりちょっと多く払えばこれだけ快適になるのかと。
まあ、左前に座ったできちゃった結婚とかしそうなヤンキーカップルの髪パッサパサの彼女の方が自撮りを始めて、おいおいおいやめてくれよ!!その角度から撮ったらこっち写っちゃうだろ!!!ってなるというわけのわからないエピソードはあったけど、乗り込んでからすぐは乗客いなくてこっそりシャツ着替えることも出来たし、喉乾いたなと思ったらすぐに休憩で自販機見つけられたし、途中のサービスエリアではこの世で最も美味しい食べ物の一つである赤福(残り二箱だった)を見つけられたりという幸運もあったから満足です。乗り物長距離移動は楽しいし。
今回の旅では22歳の子たちとよく出会った。もう大学最後の年の子たちも2つも年下になって、もうおっさんだなと思いながらも、
でも行きたかった場所へ行けたという喜びや、再会や新たな出会いもあって、やっぱり旅っていいもんだなと改めて感じる旅だった。
朝になって九州に戻ってきたら、まだ眠っている街の夜景や、山々に雲がかかる様子が見えた。
次はどこへ行くだろう。わからないけど、きっと楽しい旅になる気がする。
おしまい。