みんな誰かを求めている / Hypersomniac Olympics

みんな誰かを求めている。
みんな誰かを求めているから、どこもかしこも誰かを求めている誰かばかり。
男であれ、女であれ。
若者であれ、若くない者であれ。
独身であれ、既婚であれ。
積極的な人間であれ、消極的な人間であれ。
それはどんな人だって同じで、完全に満たされている少数以外はきっと誰かを必要としている。
一人では生きていけないから。

求めているのは友人かもしれないし、恋人かもしれないし、家族かもしれない。
大切な誰かに会いたい人もいれば、まだ見ぬ誰かに会ってみたい人もいる。
どんな相手を求めているかは人それぞれ。
でもみんな満たされない気持ちや状況を変えてくれる誰かに期待している。

だけど出会えるかどうかは運次第。
人生の中で出会うことのできる人もいれば、絶対に出会えない人もいる。
自分にとって相手が必要な存在であっても、相手にとって自分はその意味を持たないかもしれない。
期待通りにいくこともあれば、期待外れなことだってある。
初めてその手に触れた時に感じた喜びが、時が経てば消えてしまう可能性もある。
期待と失望。歓喜と錯覚。
結果は誰にもわからない。

出会いがあれば別れがある。
近付いては離れていく。
ずっとその繰り返し。
嬉しさもあれば、悲しみもある。
ずっと一緒にいる相手がいて、その相手が変わらない存在であり続けない限り、多分ずっとその繰り返し。

自分もきっと誰かを求めている。
その相手はどんな人だろうか。
もう出会っているかもしれないし、まだ出会っていないかもしれない。
まだ知らない物語のその先にいるかもしれない人。
ページを捲っていけばいずれわかるだろうけど、まだ知る由がない登場人物のこと。

結果はまだわからないのだから、期待をするのもしないのも同じこと。
でも、童話のお姫様のような淡い期待を抱いていても、罰が当たることはないだろうから、期待をしておくのも悪くはないかもしれない。
求めている、探している相手がそこにいて、その相手が自分を求めてくれること。
どうせどうなるかはまだわからないのだから。


たまに夜中にランニング兼ウォーキングをするんだけど、ランニングのときは前を見てただひたすら走るだけなのに、疲れて歩き始めると夜空の星等を眺める余裕ができる。
ずっと走り続けている人のことは純粋に尊敬する。でもゆっくり歩いてみることで素敵な光景に出会えるというのを自分が知っていることも嬉しく思える。
叶わなかった、投げ捨てた夢を未だに思い出したり、不相応になりつつある古びた憧れを捨てきれなかったり、現実の為、新しい自分に生まれ変わることも選択肢に入れないまま暮らしているような気がする。
何が言いたいのかはよくわからないけど、とりあえずまあ、まだ自分を大切にしてくれている人たちがいるということ、その温もりのおかげで安心を感じることができて、不安だけに怯えるということはないし、自分を抱きしめてくれる人がいるとして、その相手を拒むもっともな理由も見つからない。もしくは探そうと思わない。

たまに夜の海まで歩くことがあるけど、夜の海は不気味で、怖くて、不安を感じる。でもそれ以上に今不安を感じているのはサンティアゴ巡礼。
ええ、実は4月からフランスとスペインにあるサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼の道を歩きます。
日程的には1週間ちょっとパリを中心にフランス観光をして、それから40日ほど巡礼の道を歩いて、約2週間スペイン観光をする予定。
この時期を選んだのは冬季五輪とワールドカップの間を狙っていた結果。今のところ動機は、熊野詣(伊勢参り)、お遍路と来たらもう残すはサンティアゴだろってなノリだけかもしれない。
でもその道もまた古の頃から存在する巡礼路なわけで、キリスト教徒ではなくても、もちろん敬意を持って歩きたいとは思う。

不安については挙げ始めたらキリがないけど、熊野古道はよくわからんがまあなんとかなるだろというような軽い気持ちで歩き始めたし、お遍路には最後まで歩き通したい明確な理由があったし、歩き旅について少しはわかってきたからこその恐れみたいなものがあるのかもしれない。
単に、海外で観光ではない旅をするのが初めてだとか、フランス語もスペイン語も理解出来ていないという言語的不安もあったりするんだろうけど、まあ体力的不安は完全に自分の怠けですね、はい。最近全然運動してないし。

でも、そういった旅の楽しい部分も知っているわけで、疲れや痛みを忘れれば、もう楽しさしか残ってないんだろうなという未来は予想がつく。
予定立てや予約などが面倒で正直うんざりしてるんだけど(多分そのネガティブな感情が不安にも繋がっている)、過去の旅で出会えた感動的な景色や印象的な出来事にまた出会えるかもしれないと考えると、ワクワクするのは当然のこと。
航空券と観光の宿代だけで20万近くぶっ飛んだし、その他諸々の用意での精神的ダメージも喰らいつつ準備を進めています。(でもあまり進んでないのは内緒。面倒くさry
バルサやレアル、日本人選手の試合なんか観たかったのにちょうどシーズンオフになる頃でそれは残念。まあ試合観戦はまた別の機会に。
うん、期待と不安が入り交じるこれこそが旅ですね。冒険感も充分。これからもっとバタバタするだろうけど、楽しみたい。


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