フランス観光 Partie 2

4月5日。
7時前に起きて気づいた枕元に降臨する十字架。やたらとお腹がぐるぐる鳴るのは生きている証拠。恥ずかしくも自分あるある。

自分のロッカーの前に置いていたサンダルがなぜか少し遠くに移動されていることを疑問に思いつつ、顔を洗うためにバスルームへ行き、戻ってくると同部屋の人たちと朝の挨拶を交わした。みんな朝が早い。
世界各国のパジャマ姿って需要ありそうだななんて思っていると、アラブガールが荷物の出し入れを始めた。通路は広いわけじゃないから通行の妨げにはなる。実際に歯磨きから戻ってきた中華系のおっちゃんは困っていた。Excuse meとか声掛けて通ればいいだけなんだけど、声が掛けられないのか待ってあげているのか。長いこと彼女はその作業を続けていた。

7時半過ぎの朝焼け。

何か忘れ物していそうな気はするが、7時50頃出発。今朝も寒い。通りには一人で笑い続けている人がいた。

朝のメトロの改札はきちんと機能していなく、改札機の中には電源が入っているのか入っていないのかわからないものさえあった。違う意味での自動改札。良心が試される。

ある駅のホームには寝袋に入ったホームレスがいた。広告スペースがひどい有様な駅も。

車内にはフランス語のドラえもんの漫画を読んでいる少年がいた。その子は同じ駅で下車したが、歩きながらも読み続けていた。気をつけたまえ。

ちょっとだけA-haのTake On Meを彷彿とさせる。

駅構内の広告だとかいろいろと撮りたいんだけど、まあキリがない。人の流れがあると立ち止まるのは難しいし。

シャトレ駅で降りて、リヴォリ通りを西へと進んできた。そしてそれらしき建物が見えてきた。

これはもうルーヴルなのか…?もう少し進む。

あった。リヴォリ通りに面した入り口「パッサージュ・リシュリュー」

だが開館の9時までは30分以上あるので、門をくぐり、入り口を横目にそのまま通り抜けると、ピラミッドにたどり着いた。
これぞルーヴル美術館という光景に語彙力を完全に失い、まじかよって感じだ…とただ興奮していた。

写真を撮りつつ、ぐるりとピラミッドを回ってみる。

左右と背面には小型のピラミッドがある。なんか可愛い。

ピラミッド前に既に行列ができていることより、このピラミッド付近にもホームレスのような人がいることに驚いた。ランニングをしている人たちはとても爽やか。

今日は美術館内に長時間いる予定だし、何かしら食べておかないとキツくなる。だがこの辺りにはお店はあまりなさそうなので来た通りを戻ることにした。

通り抜けできる通路からはこのように中の彫刻が見えて、当然期待感は高まる。

通りからは工房のような部屋も見えた。ここで修復作業などが行われたりするのだろうか。

もう何もかもが美しく感じて困るな。見えているのはサンジェルマン・ロクセロワ教会。

このカフェに入った。プチデジュネのために。

立地的に外国人観光客が途絶えない店ではあるだろうが、女性店員は感じ良く対応してくれた。店内はビートルズの曲が掛かっている。
飲食店などで都合がわからないことってのはあるけど、それは日本でだって行き慣れていない場所では同じだ。
クロワッサンは甘みもないプレーン味だったので、ジャムとかないのかなーと思ったけど、時間もなかったしそのまま食べきった。

カフェを出る時点で9時になっていたので急いで美術館の方へ戻ると、駅からどっと人の塊が流れてくるのが見えた。でも自分は既にチケットを持っている。大丈夫だろう。

と思っていたらなんとパッサージュ・リシュリューからは入れない。ピラミッドの入り口に行けとのことだった。
チケットを事前に入手している場合、ピラミッドよりこちらからの方が入場が早いという情報は仕入れていたが、まあ仕組みも変わるか。

ということでピラミッド前に並んだ。パリミュージアムパス等チケット保持者の優先列はあってラッキーだった。

今撮りのそれ。

奥に見えているのはチケットを持っていない人たちの購入列。

意外なことに並び始めてからたった数分で中へと入れた。

でも当初の計画だったモナリザ含む3つの有名作品だけ先に回るという作戦は諦めようかなと。もう既に人はそれなりに入っているから。オーディオガイドも別に良いかなと。

基本的に地下2階からみんなスタート。案内所等もこの階にある。

かつて宮殿だったルーヴル美術館は北側のリシュリュー翼と南側のドゥノン翼、東側のシュリー翼という3つの翼を持ち、5つの階にまたがって膨大な数の作品が収容されている。
その中の一つであるドゥノン翼の階段を、走り並の速さで急いで移動している若者集団を見つけて、絶対モナリザだなと。彼らと一緒に階段を上がり移動した。
そしてたどり着いたモナリザこと「フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻、リーザ・ゲラルディーニの肖像」

モナリザ前の人集りを見た日本人の中年女性が「みんながたむろってる」とこぼしていたが、最前列まではわりと簡単に進めて、早い時間に来て良かったなと思った。

話に聞いていた通り大きくはない絵だったが、ダ・ヴィンチの作品ということや、世界一有名な絵画ということもあるし、観られて良かった。

モナリザまでの道はこんな風にいくつも案内が出ている。やはり特別な絵。


モナリザの向かいにあるのは「カナの婚礼」 ルーヴルで最も大きな絵画。

どう回るか少し途方に暮れていたのは事実。見取り図は事前にダウンロードしているし、先程現物も入手したが、オーディオガイドもやっぱり欲しいような。この空間にただ身を預けるというのもありだけど。

ちらほらと日本語が聞こえる。日本人観光客は少ないと感じていたが、さすがにルーヴルにはいるか。

この辺りの絵画(ここはイタリア絵画エリア)はキリスト教やヨーロッパの歴史上の出来事関連のものが大多数。同じモチーフの絵も沢山ある。聖書等作品の背景を知っておいたほうが絶対に楽しめるだろう。

アルチンボルドの連作「四季」

とりあえず当初から予定していた有名作品をまず観ることにした。尋常じゃない大きさの館内なので移動も大変。
それもそのはず、ルーヴルの敷地面積は40ha(ディズニーランドが50ha)で、常設展示は26000点。1作品に1分計算で433時間。日数にすると18日。1日では回りきれないとはよく聞くけど、数日あったとしても厳しい量。建物の内部構造も複雑だったりするし。

ルーヴルに限らずパリの美術館ではこうした子どもたちの学習風景に出くわすことが何度もあった。芸術方面への教育を惜しまないのは素敵だ。

そして「サモトラケのニケ」 想像よりずっとデカくて迫力があった。

写ってはいないが写真左側には正面から撮影しようとする大勢の人がいて、モナリザにも負けない人気っぷりだった。でも実際にこの美しい彫刻を目の前で観賞していると、人気があるのは充分理解できた。

胴体から遅れること約100年後の1950年に発見された右手。


超有名な作品はこのように写真付きで案内があるものの、これだけ広いと特定の作品を探すのは困難だ。

「ミロのヴィーナス」 正面から撮影している人たちを気にしなければ後ろにも回れる。完成間近のパズルの全体図を想像するように、壊れる前はどんなポーズだったのかを想像するのは誰だって一緒。

このルーヴル美術館自体が一つの作品のようだとありきたりすぎる言葉が浮かんだ。写真がブレたのはそのせい。美術館の中でも集団記念撮影を怠らない中国人観光客たちのせいではない。

うん。民衆を導く自由の女神も気になってはいたが、とりあえず3つは観れたし、OKかな。

ルーヴルの案内地図が剥げているとは予想していなかった。

一度最初の場所まで戻って、どうせ最後までいるんだしとオーディオガイドを買った。ニンテンドー3DS。
機械側で現在地を把握しているので、部屋を移動すると自動で音声が流れてきたりと、ただ番号を押して案内が流れるだけのガイドとは比べ物にならない高性能っぷり。ガイドがついている作品の数も豊富だった。

オウイェ。

オーディオガイドのチケット購入機。ちょっとだけ手こずったのは内緒。

正しい道順というのはないので、どこから回ろうかも迷う。でも古代エジプトに呼ばれている気がしたので、再スタートはそこから。

要塞として建設されたルーヴル城の痕跡。

写真を撮ってる人が入るのはやむを得ない。「タニスの大スフィンクス」もびっくりするくらいのシュールさだけどこれ。

書紀座像ではないけど似たようなやつ。確かこれも紀元前のものだったはず。

壁画。

ハヤブサの頭と人間の体、太陽と月の両目を持った「ホルス神の彫像」


真面目に作品名だけ書いていくのもつまらないからテイストを変えましょう。ええ、こちらが紀元前にゃんこです。いや、猫じゃねーわこれ。何だこれ。

奥のサメっぽいやつなんか間抜け顔。

笑かしに来てるわこいつら。

スフィンクスの前足部分に乗せてあげたい。

顔が恰幅の良いおっちゃんみたいなスフィンクスたち。

髪ブラの起源。

古代エジプトの宮殿の入り口が再現された場所。建物の西洋的彫刻と合っていなかった部分はあるっちゃある。

多分自分と同世代の男性は遊戯王の影響でエジプトの神々の名前を知っている人は多いだろうから、親近感というか、掴みとしては入っていきやすいものがあるんじゃないかな。
この時の自分はなぜかAly And FilaのEye Of Horusが思い浮かんでいたけども。神話に限らず、ロマンがあるものは好きだ。

ミイラももちろんある。

結構ひょうきんな顔をしている。存在意義は違うが、その点は埴輪とも共通するだろうか。

この辺りから古代オリエント美術だったかな。

何千年も前に生きていたライオンを想像するということ。

この美しい彫刻群は昨日走っていたイングランドランニングチーム。芸術には最高に興味なさそうだし、この態度だし、イングランド人は恥ずかしく思うだろうな。

有翼人面牡牛像。アッシリア、つまりメソポタミア北部出土。

入館前に見えていた中庭が見えてきた。

「マルリーの中庭」 大半はマルリー城の庭園のためにルイ14世が注文した彫刻。

ピラミッドを見下ろす。

というほど高い場所にはいないけど。

またどう回るか問題に直面。既にいろんな場所をふらふらと回ってはいたので、適当というか、気ままに回ることにした。
膨大な数の作品があるということは、(自分の知識量にも依るが)それほど有名ではない画家の作品もあるということ。ルーヴルに飾られるための一定の質は保ってはいても、1日で見て回るには素通りに近い鑑賞をするしかない作品も少なくはない。
芸術という美に囲まれているという意味では素敵な時間ではあったが、悪く言えば締まりがないような気がした。特にフランスと北ヨーロッパの絵画が飾られている2階(実質3階)は正直あまり面白みを感じられなかった。似たようなモチーフの似たような宗教画ばかりだったし。(音声ガイドもつけて、その日はこの階だけを鑑賞する、というような回り方とかならもっと楽しめるんだろうけど)

有名作品の数に比例するかのように2階は人の数も少なかった。だからこそこうしておばあちゃんが模写してたりもする。自前の椅子も持ってきて。

多分2階で最も有名な作品の一つ。「ダイヤのエースを持ついかさま師」 有名なのはお姉さんの表情のおかげに違いない。

3階を一通り観終えたので、有名絵画のある1階など下へ行くことに。

可愛すぎる写真が撮れた。

合せ鏡のように続く門。

大きな目的であったレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画がある場所に到着。
「洗礼者聖ヨハネ」

「岩窟の聖母」

ただでさえ絶対数の少ないダ・ヴィンチの作品が並んでいるという奇跡。近くにはダ・ヴィンチの影響を受けた似たテイストの絵画も飾られていた。
しかしこの場所は目立って存在するわけではなく、長い回廊の一部分という感じなので気づかずに通り過ぎる人も多く、しばらく間近で観賞できた。触れようと思えば触れられるような距離で。

では移動します。キリがないから写真はこれでも限定的だけど、ラファエロ等有名画家を含んだ絵画が両側の壁に展示された道。目のやり場に困るってのは良いことだね。最高だよね。

ガイドの説明が印象的だったカラヴァッジオの「聖母の死」
本来は非現実的とも言えるくらい象徴的に描かれる聖母が、その亡骸が、あまりに写実的に描かれている作品。着ている服もそうだし、だらりと垂れた左腕など、他の宗教絵画とは一線を画する。簡単な言葉で言えば、キラキラしていなくて、まるで(特別ではない普通の)一般人のよう。品性がないとは思わないが、忖度は間違いなくない。
聖堂のために描いたのに聖堂の修道士に受け取り拒否された経緯を持つのも頷ける。それほど当時は衝撃的だったのだと思う。恥ずかしながらこの作品については知らなかったので自分にとってもまた衝撃的だった。
顔は見えていないが、跪いているのが聖ヨハネで、手前がマグダラのマリアとされている。


当時実際に起きたばかりのフランス海軍の海難事故をテーマにしたテオドール・ジェリコー作「メデューズ号の筏」
難破後に急ごしらえのいかだで13日間漂流したという悲劇の実話。極限状態の中、飢えに苦しんだり、病気になったり、殺害が起きたり、人を食べたり。

予備知識のない作品でもガイドがあればより楽しめるから、もっと使っていたかったが、残念ながら電池の残量が切れてきた。(しばらくはもっていたけど、結局ラファエロの前でお亡くなりになった。でも今考えたら、ケーブルがあればモバイルバッテリーで充電できたかもしれない)
そしてドラクロワの民衆を導く自由の女神は見つからなかった。ガイドが指している場所に来てもなかったのでどこかにお出かけしてたのかな。

車椅子のおばちゃんが落としたパンフレットを拾ったらGraciasとお礼を言われた。


売店のレベルが高い。高い。天井画も素晴らしかったが、巨大な天井画を写すのは難しかった。ルーヴルに限らず他の場所でもそうだけど、天井画は魚眼などで撮るべきなのだろうか。

なかなかクールなデザインだったが製造はフランスではなかった。ルーヴルには直接関係ないやんと。

こっちはもろルーヴルだけど。

ナポレオンお付きのってくらいナポレオンを描いた(現実に首席宮廷画家だった)ダヴィッドの「ナポレオン一世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠」 ルーヴルで2番目に大きい作品。

ニケの遠景という写真作品です。遠景ってほど遠くないけど。

自分のイメージよりは大きくないゴリアテを倒すダビデ。裏には少し違う構図の絵があった。


なんだか弱々しいキリスト。

7月17日生まれなのでね、なんか撮っちゃったんですよ。

おっちゃんがサングラス掛けてるのかと思った。

スペイン絵画のエリアにあった「エビ足の少年」
左手に持っているのはラテン語で「神の愛のために私に施しを」と書かれた物乞いの許可証。


ターナーわりと好きだけどルーヴルには合ってない気がした。どれも悪くはなかったけど、この辺りのイギリス・アメリカ絵画はとりあえずお客様の国の作品も集めました感が拭えなかった。

惹かれる作品はもちろんあったんだけどね。

ああ…ジーザス。

自分のあれを確認している男たち

親犬から子犬を取り上げている場面…?

ガイドをなくしてからは同じ場所を行ったり来たりすることもあった。もはや美の迷宮。でもそれが原因なのか、ほとんど鑑賞者のいない小部屋に入ったりすることもあって楽しかった。あまり人目に触れられていない絵画が待ってくれていた。
閉館までいようかと考えていたがもう満足だった。見逃している有名作品もきっとあるし、ガイドを聴きながらもっと観て回りたい気持ちはあったが、充電がもう切れているし、インプットの限界を感じたので終了することにした。

いやー、なかなか歩いた。

中途半端な時間ではあるが、美術館を出て、ルーヴル地下にあるフードコートへ移動することに。

逆ピラミッド。

綺麗に写したかったが明暗的に上手く写らなかった。

フードコートに到着。

15時過ぎに食事ってのはやはり微妙だがまあ食べよう。

一品ずつ選んでいくセットを頼んだが、目視でチキンかと思っていたものはサーモンだった。ウケる。正直、生は好きだけど焼いたものはあまり好きではない。かぼちゃタルトかと思っていたスイーツも想像とは違ったが、これはもちもちで美味しかった。

右隣に座っていた多分アメリカ人の家族の母親は紙ナプキンを落としたが、太り過ぎていて拾えずそのまま放置して去って行った。左隣でパソコンに向かって喋り続けていたフランス人の男性は口臭がひどかった。

それでは次の場所へ移動。

カルーゼル凱旋門。ここからはテュイルリー庭園。一応ルーヴル美術館の中庭という扱いらしい。

ひたすら一直線に伸びる道はパリの歴史軸と呼ばれていて、この先はコンコルド広場、シャンゼリゼ通り、エトワール凱旋門といった感じで続く。

振り返れば凱旋門の中にピラミッド。

かつてはテュイルリー宮殿があったが現在は消失している。再建の話もあるとかないとか。

噴水もあり良い庭園ではあるが、何しろ寒かった。

フランスでは中年もちゅっちゅやっているのを頻繁に見かける。日本の中年で外でいちゃつくのは不倫カップルぐらいだが。

観覧車の奥には大きな方の凱旋門が見えている。あの場所へと向かっている。観覧車のスピードはやたらと早い。

コンコルド広場、中央にはオベリスク。


スマホについては完敗だが、観光客の持っているカメラはニコンやソニーばかりで嬉しくなる。カメラ以外でも頑張れ日本企業。

オ~シャンゼリゼ~みたいな気分でシャンゼリゼ通りを歩こうと思っていたのに、意外と何もない。綺麗に整った並木道以外は、いくつかの小さな公園と出店・キオスクのような店があるくらい。

グラン・パレ。1900年のパリ万国博覧会のために建てられた展覧会場・美術館。いくつもの美術館が立ち並ぶのはやはり芸術の都といったところか。

車道の方に寄ってちら見。

リードなしの黒ラブを連れた紳士。

自分の歩いている右側には何もないと思っていたが、後で調べてみると実はそこはヌーヴェル・フランス庭園だった。マルセル・プルースト通りなる道もその庭園内にはあるようなので、どんな道かぐらいは確認すれば良かった。

通りの雰囲気が変わったのは大きな店が立ち並んでいたから。大勢の通行人もいて賑わっていた。シャンゼリゼ通りの本気だ。
しかし物乞いの人々もいた。地面に膝をつけ、マックカフェのコーヒーの紙コップを前に差し出している女性がいた。その人だけでなく、更に低いひれ伏すような姿勢で紙コップを持ち上げている人や、歩道のど真ん中で行う人等様々。

デカい。凱旋門といえば、このエトワール凱旋門を思い浮かべる人がほとんどだろう。エトワールというのは星という意味。この凱旋門を中心に12本の通りが放射線上に延びていて地図では星に見えることから。
凱旋門を背景に自撮りする人の多いこと多いこと。そして屋上にいる人たちの姿も見える。

その屋上へ行くために地下歩道を移動。

チケット売り場の行列は尋常ではなかった。しかし自分はミュージアムパスで行ける。でも入り口はどこだろう。門のすぐ近くに出る階段があるはずだが。

うん、行き過ぎてるのは知ってた。

ここから入って良かったのかという場所が正しい階段だった。その階段を上がると入り口を発見。荷物検査を受け奥へと。

1806年にナポレオン・ボナパルトの命によって建設が始まったというのにこの迫力。随所随所にかっこよさが散りばめられている。

第一次世界大戦の無名戦士の墓。


螺旋階段をひたすらぐるぐると登った。おばちゃんや太った人など数人を追い抜きながら。

売店のある階へ到着。屋上まではあと少し。

現在地。

そして屋上。

エッフェル塔でエレベーターに乗らなかったのは、こちらの方が眺めが良いと聞いていたから。

中国人ボーイズは走り回って警備員のおばちゃんに怒られてるし、もう今日はルーヴルで満足してるし、パリ一望も思ったより感動はないけど、観光してるなーとは感じた。なかなかの景色であることは変わりないし。

エッフェル塔を背景に撮影できるスポットには順番待ちの行列。

戻るか。階段を下りきる直前に走って下りていた白人少女の姉妹に道を譲った。


フランスの歴代軍服。どうせなら写真じゃなくレプリカでも置けばいいのにというのが本音。

帰りのメトロの車内には日本人妻っぽい女性の隣で、イケメンのフランス人の旦那が抱っこ紐で赤ん坊を抱っこしていた。座りはしなかったけど、複数の女性が席を譲ろうとしているのを見た。子育てをする人たちへの親切な行動が、とても積極的だと感じる場面はこのとき以外も何度かあった。日本もそうなってくれることを願うし、自分もできる場面では実践したい。
子育てとは関係ないが、自分が降りる駅付近でおばちゃんに席を譲ったらMerciとお礼は言われたけど。

ベルヴィルのチャイニーズスーパーマーケット。店内はやはり中国人だらけ。

わかりやすいパリっぽさ。見た目は完璧。味はどうだろう。きっと美味しいはず。

フランプリでお買い物。グリコのポッキーはこちらではMIKADOという名前で売られている。

ダニ・アウベスに良い匂いのイメージはないがシャワージェル(ボディーソープ)を買った。doucheの意味がわからなかったが、グーグル翻訳のオフライン分をダウンロードしといて良かった。シャワーだ。

ホステルのエレベーター内に貼られていた今週のイベント。

例のオレンジジュースを買った。あまり大きくないスーパーなのでチョコの数も少なかったが、一番それっぽいのを買った。でもこのパッケージならお土産で買ってきました~でも通用しそう。

部屋にはやはりドイツガールがいたが寝ていた。夜に出掛けるんだろうけど、どんな風に過ごしているのか気になる。
室内干しというかベッド内干しではあるが、一日中干しているので洗濯物は乾いている。歩き移動していたらそう上手くはいかないだろうが。
メキシカンかなーって感じの女の子2人が入ってきた。なかなか騒がしそう。シャワーに行く際に片方の子に目が合ってにこーっ。

皆さんの鍵事情。歩き旅もあるしできるだけ荷物を減らすことを考えていたが、普通の観光だけなら数字で合わすタイプとか簡単だから持っておくべきかな。

シャワーに行ったはいいが、替えのTシャツを忘れていた。外人ならパンツ1枚でも移動するけど、まあ日本人なのでね。着ていたシャツを裸の状態で着るというそれはそれでセクシーな感じで廊下を移動した。

シャワー上がりにパリで買ったチョコと生搾りオレンジジュース。パリ生活が板についてきましたね()チョコの味は文句なしに美味しかった。

アラブガールがドアをガシャンと閉めていて、もう寝ている人がいる時間でも男と電話していた。

予定うんぬん以外にもいろいろとしなければいけないことってのはある。早く進めないと本当に夜は時間が過ぎるのが早い。
明日どうしよう。朝バタバタしたくないなーと思い、結局6時45分にアラームをセットした。

4月6日。
早い時間にアラームをセットしていても、だいたいその前に目が覚める。
まだ寝ている人もいるのに荷物をガサゴソと大きな音を立てて整理する人がいた。自分ならできる限り静かにやるけどなあ。

6時半頃に見下ろした光景。あれは市場だろうか。

チョコを一つ口に放り込んで、7時に誰かの目覚ましを聞きながら下へ向かった。エレベーター前で清掃員の男女とすれ違った。

今朝はHealthyにした。ティーか紅茶のとこは追加でホットチョコレートにしてもらった。でもヨーグルトは全然味がないし、リンゴは今かじりつくのは無理だからバッグの中に一次避難させた。

ソファスペースの本棚。地球の歩き方のヨーロッパがある。

トイレの落書き。

地元のおっちゃんと入れ違いでボンジュールと挨拶してから外へ。やはり市場だった。


今日も今日とて白い息。寒い朝。

清掃車。初日に事故ってたのはもっと大きい、日本のゴミ収集車のようなサイズ。

お馴染みメトロ移動。車内では咳をし続けるダメージジーンズの女の子と何度も目が合った。
Arts et Métiers駅では何かアナウンスがあった後に少し長く停まっていた。

Hôtel de Ville駅で下車。フランス語でHôtelは宿泊施設という意味以外にも、役所だったり公共の建物という意味もある。日本でいう市役所前駅的な感じかな。

うん。

市役所かっこよすぎるでしょ…と引いた。常軌を逸したかっこよさ。8時15分には短い鐘が聞こえていた。

今日の目的地があるシテ島というセーヌ川の中州へ。パリ発祥の地とも称される場所。

朝のセーヌ川。

教会に着いた。

離れてみよう。

ノートルダム大聖堂。

ここも多分サクレ・クールと同じで、写真は撮って良かったんだと思う。
8時20分頃に中へ入ると賛美歌を歌う男性の声と鐘の音が聞こえた。なんと神聖な場所なのかと感じた。ステンドグラスがとても印象的で、孔雀のような一番大きくて青いバラ窓には心から感動した。また絵画も良かった。
彫刻の壁に囲われた中央祭壇前でお祈りする(ミサに参加する)信者たちが歌に加わった。8時30分に歌は終わるまで、ずっとそれを聞きながら回っていて涙が出そうだった。
最奥のマリア像のステンドグラスは太陽の光かシャンデリアの灯りで模様が揺れているようだった。

空は飛行機雲だらけ。感動した心のまま、次へと向かう。

なぜか警察署に行列。

サント・シャペルが見えてきた。この付近はずっと鐘の音が聞こえ続けていた。

どこから入るのかなーと思っていたら矢印を発見。

反対側の行列に並ぶとサン・ミッシェルの噴水が遠くに見えた。後で行こう。


州警察にカメラを向けていた中華系カップルの男はやめろと制止されていた。自分は鳩を撮った。結果的に警察写ってて申し訳ないけど。

入場。荷物検査を受けた場所とは違う建物まで移動。

入り口の左、売店の手前にある階段から上がる。


階段を上がると見えた光景。もはや絶句するしかない。

本当に綺麗なものを見て感動するときというのは、言葉がそうわんさかと溢れてくるわけではない。嘘でしょ…?とその一言だけが出てきたとしても、決して自分の感情を偽っているわけではない。

ステンドグラスについての案内板。こういう日本人向けのコンテンツがあるとこには日本人がいっぱい来てほしいと思う。
自分以外の日本人は女子旅っぽい女の子が2人来た。東アジア人の中でも日本人というのは多くは顔や髪型でわかるし、この案内板も読んでいた。

要は、このステンドグラスには1枚ずつ聖書の物語が描かれている。

これは背後にあるバラ窓。

美しい。どれだけ太陽光が影響するかはわからないが、晴れの日で良かった。

 
 
 
 
 
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サント・シャペル終了。こちらは真横にある裁判所。


サント・シャペルの階段を下りている際に、あ、ノートルダムの階段登るの忘れてたと思い出した。後でまた。

サン・ミッシェルの噴水。噴水とは名ばかりで、多分水は出ていなかった。(出るときは龍の口から水が出たりするらしい)

ノートルダムに戻ることにした。


大聖堂へと飛ぶ鳩。

めちゃくちゃ人増えてる…。日本の観光地でもそうだが中韓の団体が来るとこうなる。

階段への矢印を見つけた。でもぐるっと回ったが入り口はわからなかった。

言うほど離れてない、つまり先程のところが、券売機のある場所兼入り口でもあった。
でもどうやらミュージアムパスだけでは入れない。ツアーの時間を選んで購入する必要があったので、面倒くさいし待つのも嫌だからパンテオンへ行くことにした。

日本人女性と比べるとヨーロッパ人女性は背が高いけど、めっちゃ背の低いフランス女子がいて、ギャップ萌えを感じた。
大学近くにいた別の女の子は歩きスマホで街灯の柱にぶつかって、目の前を歩いていたからとっさに大丈夫?と聞いた。恥ずかしがりながらMerciと言っていた。

そしてパンテオン。

この写真では物足りないが、トリコロールの国旗が風になびいていて、この荘厳な外観や自国の偉人たちを祀る霊廟という意味を含めてとても迫力があった。

いくつもの壁画はこの国の歴史を語っている。

地球の自転を証明したフーコーの振り子の実験はここパンテオンで行われた。

国民公会。

地下にはユゴーやキュリー夫人の棺が安置されている。

薔薇が置かれた棺や削れた石像などは正直恐ろしかった。1階も震えるほど寒かったのに、地下はそれ以上に空気も冷ややかで明らかに死の雰囲気が漂う場所だった。学生たちがはしゃいでいたから紛れたけども。
棺のない空間・部屋もあったが今後誰かが運ばれてくるのだろうか。

でもなぜかトイレはやたらと良い匂いがした。現時点で世界一良い匂いのするトイレ。

場所的に不謹慎かもしれないけど、巡礼前の近影ということで…。肌の色とかその…。

ここの彫刻は本当にかっこいい。芸術的な部分とはまた違う魅力を感じた。

中学生くらいのグループが騒ぎながら記念撮影をしていると警備員が来て、引率の先生が怒られていた。ティッシュを落としても拾わなかったりと、まあ眉をひそめられても仕方ないマナーではあった。


次へ行こう。近くのサンテティエンヌ・デュ・モン教会からは鐘が聞こえている。

はい、唐突ですがバーガーキングがあったので寄りました。タッチパネルがあると本当に助かる。飲み物はスプライト的なのかと思ったらただの炭酸水だったけど。

物乞いが店内の中で各テーブルを回っていたりもした。

公園を発見。入ってみることに。

なんだここは。

なんだここは!

たまに見かけるキックボードに乗る人。

リュクサンブール公園。なんと美しく、なんと広い公園かと驚いた。

リュクサンブール宮殿。フランス元老院(上院)の議事堂として使用されている。

テュイルリーでもそうだったがパリの公園はベンチだけでなく、チェアも沢山用意されてあるのが良い。

青空の下、皆それぞれの時間を過ごしていた。恋人と寄り添ったり、本を読んだり、お昼を食べたり。予定にはなく、存在も知らなかった素敵な公園の存在に、さすが観光最強シティだなと脱帽。


公園を通り抜け、次の目的地へ。

犬はリードをしないで散歩してることがほとんどだな。

当初自分の予定にはなかったけど、ダ・ヴィンチ・コードファン()に行かないの?と聞かれて、行くことにしたサン=シュルピス教会。(自分も出発前にダ・ヴィンチ・コード観たは観たけど)

白鳥のようなダンスを踊っていた少女。

噴水の周りにはたむろする学生たちと、熱い抱擁を交わす老人カップル。

ノートルダムに迫る大きさではあるが礼拝者も観光客も少ない。でも美しい教会。ドラクロワの壁画が飾られていたりもする。

ガイドツアーの案内。Dimancheは日曜日、Samediは土曜日。Cryptesは納骨所という解釈でいいかと。

礼拝堂付近では神父が数人移動していて(中華系新婦は中華系観光客に話しかけていた)、スーツを着たスタッフは花を用意していた。奥で説明を受けている一般人もいたので、結婚式でもやるのかなと予想した。
マイクテストをするバイオリンの音も聞こえた。パイプオルガンも聴きたいなーなんて。


オベリスク。本初子午線は周知の通り、ロンドンのグリニッジ天文台を通っているが、ダ・ヴィンチ・コードでは、フランス人にとっての本初子午線はこの教会を通っており、今もローズラインとしてその線は残っているというような説明がある。

この写真を撮っていたら観光客のおっちゃんが止まってくれて、笑顔でお礼を言うと彼も笑顔で返してくれた。

礼拝堂の方へ団体が次々と集まってきて、観光客は端に寄せられた。結婚式じゃない、葬儀だ。
棺が運ばれてきた。子供、もしくは孫であろう30代くらいの兄妹らしき人たちがとても悲しそうな表情だった。
200人程の参列者がいて、バイオリンやギターを使ったレクイエムが歌われていた。

見学のような形になって申し訳ないし、野次馬し続けるのも悪いから出よう。

直後に見たので、意味ありげに思えた飛行機雲の十字架。

なんだか重たい気分になったが、気を取り直してオルセー美術館へ。

マカロンで有名なピエール・エルメ・パリ。大相撲ファンにはお馴染みの巨大マカロンはこの店のもの。


この橋はポンデザールかな。

んでルーヴルへと繋がるこっちがカルーゼル橋。

どれもセンス良さげなポスター。



そしてオルセー美術館に到着。

向かいにあるのは勲章のバッジなどが展示されている博物館。

ミュージアムパスは入り口Cから。一般の方も長蛇の列というわけではなかった。

オーディオガイドを入手してから、暑かったので上着を脱いだ。アジア系の女と白人の男のカップルがキスをする横で。

パリ万博に合わせて作られたオルセー駅の駅舎兼ホテルが改修され、オルセー美術館になったらしい。

確かに駅っぽいなと、上から見るとより一層感じる。

多分インスタか何かにアップするためにポーズを取っていた女の子。おかげで自分もそれっぽい写真が撮れた。時計の奥にはサクレ・クールが見えている。

このタイプのオーディオガイド利用者の99%が電話のように耳に当てているんだけど、自分は手持ちのイヤホンを指して使う。
オーディオガイド自体はなんだか男も女もブッてて、正直慣れるまで気持ちが悪かった。絵画が主役なんだからもっと自然に説明してくれよと。

館の方針として2月革命のあった1848年から、第一次世界大戦が始まる1914年までの作品が展示されている。(それ以前はルーヴル、以降はポンピドゥー・センター)
その時代のフランスの主要な芸術運動といえば、もちろん印象派。疲れるくらい階段を上がって、その印象派のある最上階の5階から観て行くことにした。

第一作目がモネっていうね。もう初っ端から好き。この絵を背景に、女子中学生くらいの子がいきなり自撮りをしていたけど。

やっぱ良いなあモネは。画家をイメージする際にまず思い浮かぶのが彼かもしれない。

印象派の描くニワトリ、ちょっとシュールで笑う。


ピサロ、シスレー、ルノワールなどの作品も数多く展示されていた。たまらん。

ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」


ルーヴルよりこっちのが好きだなと思った。そしてフランス人画家は宗教画よりこの手の絵画の方が明らかに良質。宗教画はイタリア人に任せておけばいいんだ。

モネ「日傘の女」

ルノワール「都会のダンス」 隣には田舎のダンスが飾られてあった。

ルノワール「ジュリー・マネあるいは猫を抱く子ども」
ここにあったのかと驚いた。ルノワールの中ではトップクラスに好きな絵なので素直に嬉しかった。

自分が印象派を好きな理由はなんだろう。やっぱり曖昧さだろうか。ジャポニズムの影響があったりするのも無意識に親しみやすい理由の一つなのかもしれない。

ここはザ・カフェ・カンパーナ。

カフェの先から出られるバルコニーでしばし休憩。眠たいし、普通に疲れた。トレッキングシューズで歩き回るのはやっぱり重たい。スニーカーを履きたかった。

これ以上最高なカフェ写真を自分は撮れるだろうか。そう簡単にはいかないだろう。

逆側から見た景色。入り口の方には時計がない。

前のカップルがキスをするエスカレーターで下りて、たどり着いたのは2階。この階を代表するのはポスト印象派。

ゴッホ「ローヌ川の星月夜」 そりゃ、ゴッホ!!星!!!ってなるよね。

フェルト帽を被った自画像は以前行ったゴッホ展で観たと記憶しているが、パリでこうして違う自画像に会えた。

「ガシェ博士の肖像」

その他にはゴーギャンやセザンヌ等も展示されてあった。

ベートーベン。

彫刻、アール・ヌーヴォーの工芸品等もあった。ルーヴルほどではないがこのオルセー美術館もまた作品数は豊富。

20代くらいの娘と両親という日本人家族がいた。美術館職員は中華系移民が多いように感じた。

なんで脱いだの使徒たち。

ほら、脱いでる場合じゃなかったでしょ。

凛々しいライオン。

黒人女の良い表情。

なんかいやらしさを感じる絵。

良いなーと思った絵の写真をひたすら貼っております。


あら、プルーストだ。そういえばパリの人だった。

自撮りじゃないよ。

パリの上空に立つ。

下の階に来て、オーディオガイドの番号が違うところはいくつあったけれど、美術館自体はとても楽しめた。
4時半に美術館を出た。毎日疲れるけど、何物にも代えがたい満足感はあるので良しとしよう。

さて、帰ろうか。

今まで街歩きは音楽なしで歩いていたが、初めて聴きながら歩いた。

Assemblée Nationale駅。駅ごとにプラットホームのデザインが違うので面白い。

いつもとは違うスーパーに寄ってみたら、黒人警備員にリュックはあそこに置いて中へ入れと言われた。優しそうなトーンではあったけど取られたりするのも嫌だしすぐ退店した。

宿の近くにあるTriplettaというレストランをチェックしていたんだけど、ピザ屋と思って店前のメニューを見たら明らかに違ったので立ち去った。後で調べてみるとTriplettaという同じ名前でピザ屋とフランス料理屋の2つの店が近くにあった。

お店なんかいろいろ気にはなるけどなかなか入れない。慣れてきたようで慣れていない。フランス語を理解してないのが悪いんだけど。

結局昨日と同じスーパーに行った。買いたい飲み物の値札が2つあって、レジに並んでいる間に用意していた金額とは違った。フランスではカード払いが多いから別にカードでも良いんだけど、硬貨が増えてきていたのでぴったりの金額で払いたかった。
使い捨てのスプーンなどはついてこないし、手持ちもないので欲しいが、もっと大きな店に行く必要があるようだ。

宿に戻るとドイツガールはチェックアウトしていなくなっていた。隣の子はまた男と電話している。女の子は電話がお好き。

メキシコ製ボディスポンジのタグがポイ捨てされたままのシャワールームの中で、服を脱いでいると腰が疲れていることがわかった。ふくらはぎの筋肉痛も感じる。
ヘルスケアを見れば何気にこの3日間の歩行距離は50kmを超えているし、立ちっぱなしの時間は長いし、初めての国で慣れないことだらけだし、うん、隠しようのない疲労だ。
これから歩き巡礼を控えているというのに、(移動日含め)9日もあって中休みを組み込んでないのは間抜けだったなと後悔。パリだからと調子に乗ってしまった。
決断しないといけない。何より大事なのは巡礼を成功させること。削れるとこは削るべきなのかもしれない。

シャワーから戻ると隣の子がカサブランカからということがわかった。モロッコ、アフリカだ。英語以上にフランス語が得意な理由はそれだったか。
新しく来た白人の女の子がカナダからで、アルゼンチン人の男性と会話してるのは後で聞こえた。彼女は7日滞在らしい。大人しそうな子だと思っていたが、アルゼンチンも行ったことあるとのことなので、旅行が好きなんだろうな。彼女はアラームの存在を忘れたままシャワーに行っていて、だいぶ騒がしいやらかしをしていた。
白人男と一緒の韓国顔の女子や、片方が自分の上のベッドだった男性2人組などが他には来た。
またちょっと楽しくない気分なのは、ベッドの中にいて新しい人たちと上手く絡めなかったからかな。話したって深く掘り下げない限りだいたい同じような会話になるだけなんだけど。
でもまあ、明らかに疲れていて消沈気味だったし、無理に絡むことはない。話すことになる人もいれば話さない人もいる。そして巡礼はきっと楽しいだろう。

考えよう。人生は長い。どこだって何度だってきっと来れる。観光都市なら特にそう。ペースを緩めないときつい。予定を変更していこう。
キャンセルできないと思っていたモネの家があるジヴェルニーへの電車はキャンセルも返金もできた。睡蓮は今の季節じゃないし、美術館の評価も高くはないから。
明日オランジュリー美術館へ行ったら、明後日は休もうかな。せっかく買ったミュージアムパスがもったいない気がするけど仕方ない。いくつかの場所でチケットを買う手間が省けたと考えよう。明日もゆっくり出よう。
休みまくったらどうだろう。後悔するかな。いいさ別に。今回の旅のメインは違うんだから。それにパリでゆっくりと過ごすのも悪いことじゃないだろう。
悩み続けていたが、誰と約束しているわけでもないし、誰に宣言しているわけでもないので、いくつかの予定を変更した。

ライトのコンセントはまた外れていた。
まだ3日か。時が経つのは遅いな。それだけ濃密な時間を過ごしている証拠なんだろうけど。


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