サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 27

5月8日。
12時と1時に目が覚めたが、部屋が暑くて、とても乾燥していた。こういった状況が頻繁に起きてしまう。
太ももと腕の色が日焼けで全然違っていたベッド下のドイツガールがなかなかの音量でいびきをかいていた。男のいびきはうるさいな…と単に迷惑を感じるだけだけど、女の子のいびきはなんか可哀想だなと同情してしまう。自分ではどうすることもできない現象なわけだし。
1人トイレに行ったと思っていたがその人は1時間近く戻ってこなかった。そして時刻は2時半になった。
残り約1週間をどう歩こう。ひたすら歩くだけか。

それからまた寝て、5時に起きて、ちょっと寒くなってきたな…と思っていたらまた寝ていて、6時のアラームで起きた。
トイレには行列ができていた。2階は1つだけだが下の階の3つも埋まっていた。使っていないので要らなかったがトイレットペーパーが切れていた。
6時10分にはもう出発しようかという人たちがいた。早いな。

フロント付近もカフェテリアっぽい場所も人が多いので、下の洗濯物ゾーン近くのソファで食べた。日の出前の空には半月が浮かんでいて、どこかからニワトリの鳴き声が聞こえていた。

上の写真の右、軒下にあるキッチンではアフロ男性とおばちゃん2人が調理中だった。ここに冷蔵庫があるとは知らなかったな。いろいろ冷やせたのなら生フルーツを買うくらいすればよかった。まあいいけど。

今日25km先のPierosという町に泊まるならベジタリアンフードのアルベルゲに泊まるしかない。リストを見る限り、町にはその一軒だけのようなので悩ましい。

のんびり準備をして7時過ぎに出発した。どちらにしろモデルプランからの脱却の日だ。

ストックを握る手が冷たいのに、どうせすぐ暑くなって汗をかくんだろうなと想像するとうんざりしてしまう。でもこの旅の残りも少なくなってきたのだから楽しもう。きっとこれが最初で最後のカミーノだろう。荷物も悲しくなるほど重いけれど、こんなことで悲しくなれる日だって限られている。

サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 26

5月7日。
設定していたアラーム時刻が早いので、周りに迷惑が掛からないようにと眠りの狭間で何度もスマホを確認しつつ、結局4時半過ぎに起きた。
そのときマシンガンのようないびきが聞こえていた。人はこんなに大音量でいびきがかけるんだと衝撃だった。耳栓無しなら絶対に起きてしまう。距離が離れていて助かった。

今日は誰が待つわけでもないモリナセカへ向かう。だが遍路関連の宿ということで楽しみだ。ガイドブックを流し読みした程度の知識しかなく、実際のところのりさんのリストを見るまで注目していなかったが、でも今は違う。サンティアゴを除けば、あの町に行きたい、滞在したいという願望を持つ唯一の町だ。
しかし今日はこの巡礼の中でも最も過酷な1日になるかもしれない。今日が良い日になりますように。

それにしても部屋が寒かった。暖房は間違いなくつけてないんだろうな。
照明も想像以上に眩しくて、ベッドが集まっている場所にも明かりが届いていたからすぐに消して、階段から漏れる明かりやスマホを使って準備を進め、中庭を抜けてキッチンの方(本館)へと移動した。

こちらの建物の中は暖かった。上に自転車集団が泊まっているからだろうか。いや、自分が寝ていた建物だって二階にも宿泊客はいたか。

食事を爆発させずに温められたのはいいが、朝食にしては重かった。でもエネルギー補給も必要だし、フリーのココアも飲んだ。飲みきれなかったナランハジュースは500mlのペットボトルの方に移した。

伝えきれていないけど、ここのオスピタレロにはとても感謝している。ありがとう。

おっちゃんが1人来た。早いな。いや、彼も旅人なんだ。早くて当然だろう。
準備体操をしていたら出発は6時10分頃になってしまったが、この旅最速クラスなのは間違いない。
あのとき怪我をしていなければ自分の人生も変わっていただろうか、なんて過去のことを考えながらスタートした。

まだ真っ暗なのでヘッドライトが必要かと考えていたけど、星明りのおかげでこのままでも歩いていける。まさに星の巡礼だ。

サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 25

5月6日。
6時に一瞬で起きれたはいいけど、夜通し灯っていた自分のプラグの青いライトが本当に申し訳なくて、死んで詫びたいくらいの気持ちだった。ちゃんと眠れていてほしい。
どこかの部屋からはあの韓国人おっさんの咳が聞こえた。同室の人は地獄だな。カッコウの音も聞こえていたが不快感は雲泥の差だ。
暗い部屋の中で準備を進めていたら、ぼちぼちみんな起き始めて、男4人でグッドモーニング。

40分に入り口付近の明るい場所に移動した。誰かのカミーノマーク入りキャリーワゴンが置かれている。
センサー式の照明だったので、時折消えては手を動かしながら朝食を食べた。でもドーナツが美味しくなくて、菓子パン系も当たり外れが激しいなと。
室内で朝まで干していた洗濯物の中から、トレッキングソックスをバックパックにぶら下げて歩くことにした。
55分頃にカナダ人男性が出た。ブエンカミーノ!自分は準備体操をして、7時に出発した。

気温は当然寒いし、左足の付け根が痛い。今日も30kmコースだ。体よ、頑張ってくれ。

素晴らしい滞在だった。モデルプランはあくまでモデルの行程に過ぎない。隠れた良き町は存在する。(ここはそんなに隠れてないけど)

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