追い篠栗遍路みたいな一日

篠栗八十八ヶ所巡礼は無事結願したが、観光協会の公式HPで88箇所の堂宇+奥の院と一緒に紹介されている三つの番外霊場がとてもとても気になっていたので、数日前に参拝してきた。
歩いて回りたい気持ちもあったけれど、一日で一気に見て回りたかったので自動車という文明の利器を使用して。

三カ寺とも若杉山にあるので自然と車での登山になり、西日本の言葉でいうところの離合するのが難しい狭い道も長く、1000回くらいは崖でのカーブあるし、緊張しながらの運転にはなった。

まずは明王院から。

篠栗八十八ヶ所巡り 四日目

6月18日(日)
最終日の朝もいつも通りの数時間睡眠で迎えた。今日は始発なので仕方ない部分はあるが。
始発の電車は朝帰りの酔っ払った若者や夜勤明けの中年などで空いてはいなかった。楽しみというよりは今日で篠栗遍路が終わってしまう寂しさを感じる、でも悪くはない気分で移動していたのに、途中で隣に座ってきたおっさんがもう吐き気がするくらい煙草臭くて、もはやこれは痴漢や暴行と同レベルの迷惑行為では…?とか、人に迷惑を掛けてまで吸いたい気持ちが未だにまったくわからないな…だとか思いつつ、でもまあ、他者の気持ちが考えられない人間なんてこの世には腐るほどいるよなと諦めるような気持ちでもあった。

しかし篠栗に着けばそんな嫌気が差す日常からは少し距離を置けた。束の間の非現実だが最後の一日を楽しもう。
6時34分に筑前山手駅到着。駅舎内にポイ捨てされたゴミが散乱していて残念だったが、こんな世界に残された良心のような時間を歩き始める。

篠栗八十八ヶ所巡り 三日目

6月9日(金)
あっちこっちに曲げるからボロボロになった巡拝図でまずは説明しておきましょう。今日は72番から東を全部回ります。以上です。

午前7時過ぎにJR城戸南蔵院前駅到着。睡眠時間は3時間以上。勝ち確な朝だ。

だが改札を抜けてからすぐに予想外の事態に遭遇した。身分証だけを取り出した状態の認知症のおじいさんを、高校生の息子を車で駅まで送った後の女性が対応しているという場面だった。
大きな問題にならなかったのは、その女性がとても優しく、そしてしっかりとした方だったから。携帯は家に置いてきたらしいが公衆電話で警察に連絡を取って、どこから来たのかがわからないというおじいさんのために「コーヒーがいい?お茶がいい?移動してきて喉乾いたでしょ、遠慮せんで!」と飲み物を買って渡して、家族はいない・自分一人というおじいさんが不安にならないように「警察が来るまで一緒におるけん大丈夫よ」と安心させていた。
見ず知らずの老人相手に、おまけに忙しい朝に、とっさにこの親切かつ的確な行動を取れる人がどれだけいるだろうか。本当に素晴らしい人格者で感動した。
自分にはご苦労さまですと頭を下げることしかできなかったけど、こうした想像もしていなかった出来事からの出発になった。

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