篠栗遍路の前に

四国遍路を歩き終えて福岡に戻る際に、篠栗遍路にも行くかもしれないからと白衣・菅笠・金剛杖をそのまま持ち帰ってきてから約7年の時が経った。
篠栗というのは福岡県糟屋郡篠栗(ささぐり)町のことで、篠栗遍路(篠栗四国八十八ヶ所めぐり)はいわゆる四国遍路を模したご当地の巡礼コース。その中でも「日本三大新四国霊場」として小豆島八十八ヶ所・知多四国霊場と共に数えられているので、それなりに重要視されている遍路ではあると思う。篠栗の町自体も明らかに寺院の多い町だし、最盛期からは減っていてもお遍路さん向けの旅館もまだまだ残っている。遍路に関心がなくても南蔵院の(ブロンズ製では世界一大きい)涅槃像をテレビで見たことがある人なら結構いるんじゃないかな。


その篠栗遍路にいつか行こうと思いつつ今まで行かなかったのは、簡単に通える距離にあるからこそ、いかにもな格好で移動するのが恥ずかしかったというのは正直ある。
四国のお遍路ほどの浸透度はないから、移動中に知り合いに会ったらどうしようだとかそんな理由で。四国だとあまり気にせず歩けたんだけどね。
そういった抵抗を取っ払うためにも、篠栗(観光協会)側は「SASAGURI 88 HENRO」 とプリントされただけの普段遣いもしやすそうなTシャツ等を販売したりといった努力をしていたりもする。

じゃあ今年行ってみるか、というきっかけになったのは、先日久しぶりに南蔵院に行って、お土産屋さんで篠栗遍路専用の納経帳を見ていたら、当たり前っちゃ当たり前だけど、手を伸ばせば、足を少し伸ばせば、遍路が歩ける場所にあるんだなと改めて実感したから。その場の勢いにも任せつつ納経帳と巡拝図を購入した。
 

篠栗八十八ヶ所巡り 一日目

5月27日(土)
おそらく最も荘厳かつ長い呼び方をすれば「篠栗新四国八十八箇所霊場巡礼」もっと呼びやすくするのなら「篠栗遍路」その1日目を区切り打ちしてきたので書いていく。
四国遍路を歩き始めたのが2016年5月24日なので、(ほぼ)ちょうど7年ぶりのお遍路になった。

相変わらずの不眠症なので前夜は3時間未満の睡眠になり、1年前からの膝蓋腱炎もまだ少し痛む日があるくらいには治りきっていないので、途中でぶっ倒れないかと心配だけども行きましょう。
メンタルもまああれだけど、心身ともに好調な時期なんて人生であったんだろうかみたいな人間なので行きましょう。多分5才児くらいの頃はまともだったと思うけど。
うん、でも久しぶりの巡礼だったので気分は良かった。巡礼の楽しさを知っている人間だというのも間違いないから。

同行者は神社仏閣や御朱印集めが好きな福岡市の20代女性、ゆきちゃん。まったく運動をしないというわけではないけど、スポーツ女子というわけでもない。
今日の予定距離は約20km。さあ、どうなるか。

博多駅からは20分で篠栗駅。結構近いわけです。

四国でも使った白衣だけ持ってきていたので駅のベンチで着替えた。他は巡礼の定番というか、トレッキング系の服装で揃えた。

篠栗八十八ヶ所巡り 二日目

6月4日(日)
さすがに今日は死ぬんじゃないか…?という2時間睡眠での朝です。メルカリで人体が売れたとしてもこの体は激安に違いない。毎度のことながらうんざりするけど、まあ、ポジティブに捉えるのなら修行要素が増しておいしいかな()

博多駅はぼちぼち利用するが、江北行きというのは初めて目にした気がして調べてみたら佐賀だった。こちら側のホームはほぼ利用したことがないゆえなのか、何人か自分と同じように写真を撮っていたから珍しいのか。わからない。

パリピ系フェスからの朝帰りパリピがちらほらいるホームでinゼリーラムネ味を補給。まるで対だね。ええ、なんだかんだ今日もなんとかなるでしょう。

篠栗方面への電車内では上記のフェス「MUSIC CIRCUS FUKUOKA」で完全に酔っ払ったであろうハーフ顔お姉さんからぐるぐる回っていそうな目でずっと見られていた。珍しい格好をしていたからただ見ていただけで記憶にも一切残らないだろうけど、酔いを覚ますために水を飲み続ける彼女が吐かないかがただ心配だった。

全身モンベルで白いコーデをした女の子など数人の登山客らしき人たちが篠栗駅で下りたが、おそらく若杉山に登るのだろう。自分たちも奥の院を目当てに最終日に登る予定。

はい、筑前山手駅。7時1分到着。この早い時間から歩き始められるので、今日はきっと余裕を持って行動できるはず。一カ寺でも多く打ちたい。

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