町石道の前に、九度山まで

お遍路のお礼参りでも歩く人のいる高野山の玄関口にある和歌山県九度山町の慈尊院から高野山までの表参道「町石道」を歩いてきたというか、登ってきたので書いていきます。まずは九度山までを。
前日まで進撃の巨人コラボのトリニータの試合を観に泊まりで大分に行っていて、その観戦時に痛めたのか腰の痛みを若干感じつつも移動するしかないので、ええ。

博多駅の新幹線改札内に最近できたスタバで買った実質トリニータカラーのサンシャインパインフラペチーノをお供に。夏の味がした。

博多→新大阪→なんば→橋本→九度山という乗り換え。なんば駅で551と新大阪駅で買っていたいちご大福を食べた。

13時頃九度山駅到着。真田昌幸・幸村親子の配流先であったために(というかそれを売りにしていて)駅から既に赤備え&六文銭尽くし。

到着した逆のホームにできている人だかりは何だろうと思っていたら、ここがチェックしていた「おむすびスタンド くど」だった。駅構内だったか。(右下はホーム間の送り傘)

感じの良いお姉さんに注文を伝えイートインスペースへ。入る前から期待大。

いや、素晴らしい。

今回歩く高野参詣道は世界遺産。町石道(ちょういしみち)以外には京大阪道や黒河道といったコースもある。距離は町石道が最長で20km以上の登山道。

電車を眺めながら食べられるロケーションも、

おむすびの味も優勝だった。九度山駅からまだ一歩も出ていないのにね。ちなみに炊きたてのおむすびは塩むすびとさば山椒で、お味噌汁と漬物がセットで、ほうじ茶もついでに頼んだ。ポリ茶瓶は自分にとってはノスタルジックでなく新鮮。

この日8月13日と翌日の最高気温は37か8度だったかな。残酷な季節でなければこちらで買ったおむすびを持って山登りなんてのも素敵だと思う。今はちょっと危険すぎる。

真田丸放送時期は観光客も尋常ではなかったに違いない。BS4Kとかで再放送してくれないかな。

九度山駅を出てからは九度山町役場でレンタサイクルを借りての移動。役場以外にも自転車を貸してくれる場所はあったんだけど値段がべらぼうに高いので役場を選んだ。

丹生川で川遊びをする家族たち。The夏休みな光景。

バックパックを泊まる旅館に置いてから町石道出発地点の慈尊院(じそんいん)まで来た。翌日の出発は朝早いので納経を貰っておくために。

高野山の表玄関として空海が開山した慈尊院。息子が開いた高野山を一目見ようと空海の母(玉依御前)がこの地まで訪れるも、高野山は女人禁制だったために実の母といえど上げることができず、空海の母はこの高野山の麓の地に滞在し、本尊の弥勒菩薩を信仰し続けていたとのこと。

九度山という地名は空海が母に会うために全長20数kmの町石道を月に九度下山していたことに由来しているらしい。空海の母想いの逸話は多く残されている。

キリスト教でいうマリア崇敬とは少し性格が違うが、弘法大師という偉大な僧の母公への信仰も厚く、「女人高野」とも呼ばれる寺院。絵馬も母の象徴である乳房型絵馬だった。

おっぱいがいっぱいと書くのは安直、愚直なのはわかってるんだけどもう書いちゃったよ。

お盆時期だからかお供え物も多かった。

空海が真言密教の道場の地を求め歩いていた際に、猟師の姿をした狩場明神(高野御子大神)が高野山の存在を教え、狩場明神の使いである白と黒の二匹の犬が空海を高野山まで導いたという伝説が残されているが、
その案内犬の生まれ変わりのような犬「ゴン」が昭和末期から2002年まで生きていたらしく、童話にもなったそうな。


「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産入りしてちょうど20年にあたる年。今回は歩く道もそうだし、参拝する寺院等もほぼほぼ世界遺産。

高野山町石道の旅は前々から楽しみにしていたんだけど、唯一気掛かりだったのが奥の院で行われる「高野山ろうそく祭り」の存在で、来るのが一日早かったら見られたのにな…と。
でもまつりの存在を知ったのは諸々の予約を済ませた後だったし、大分トリニータ×進撃の巨人コラボも逃せなかったし、町石道も歩きたかったから仕方ない。すべては縁だ、縁。

慈尊院から伸びる階段の先には丹生官省符神社(にうかんしょうぶじんじゃ)がある。その間(右側)に見えているのが町石。

このような町石が一町(約109メートル)ごとに道標として設置されていて、この起点・百八十町石が慈尊院にあり、高野山上の壇上伽藍・根本大塔までずっと続いている。(根本大塔から奥の院までも36基ある)

先程の狩場明神とその母である丹生都比売大神等が祀られている。

こちらでも御朱印を頂いたが、そのおじさんに煉瓦の上に立ってあちらを見てごらんと言われて見えたのが遥か遠くの高野山。

嘘でしょ…?明日あんな遠くの山まで登るの…?と唖然とするほどには距離を感じた。はたして歩ききれるだろうか。

天気が悪くなさそうなのはまだ救いだが…。

まあ、きっとなんとかなるでしょう。暑さや水分補給に気をつけていれば。

そういえばにかい氏は和歌山だったか。

真田仕様のレンタサイクル。道の駅柿の郷くどやまや九度山橋の先にあるファミリーマートに寄って明日の物資を調達するのにも活躍してくれた。

そりゃ汗だくにもなるよ。冗談みたいに暑いんだから。女子アナだって汗かきまくりだよ。

道の駅には世界遺産情報センターも併設されていた。

流れの早い紀ノ川で遊ばせる親がいるというのが衝撃だった。すぐそこの丹生川ならまだ安全なのに。死んでも知らんぞと。

おそらく町石道は右下から山を越えていって、そして左奥へと伸びている。既に果てしなさを感じる。

本当は善名称院(真田庵)や真田ミュージアムにも行く予定だったんだけど、レンタサイクル返却の時間もあるし、入館時間もギリギリだったし、何より明日のために早く準備を済ませたかったので見送ることにした。残念だけど仕方ない。観光の旅ともまた少し違うので。

真田関連でできたこと、抜け穴を覗く。以上。

レンタサイクルを返却してまた歩いてきて、こちらが中川旅館。慈尊院にもう少し近い宿があればよかったが徒歩20分ほど離れたこの場所にするしかなかった。真田関連の観光地からは近いんだけどね。

荷物があってメインに滞在する部屋と旅館のあのスペースのちゃんとした写真を撮り忘れちゃったけど雰囲気はこんな感じ。

これぞ日本の旅館。音なんてダダ漏れだけどそれもまた味かな。対応してくれたのはそこまで明るい感じではないおっちゃん。

熊に襲われた方が今までいないのならなんとかなるでしょう。

久しぶりにこの手の宿に泊ったので楽しかったは楽しかった。できればリセッシュ的な物は置いててほしかったけど。

夕飯はコンビニの冷やしうどんを食べた。道の駅で買った飲むみかんはみかんを潰してそのまま液体にしたような味がした。

さて、明日はどうなるか。
せっかく早く寝たのに遅いチェックインをした人が入浴は確か21時までなのに、「シャワーだけでも浴びれませんか!?」と粘っている声と移動音で睡眠が妨害されたけども。いや、早く来んさいよ。


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