I’m Coming Along

ここ数日Twitterでも散々書いてきたようなことなんだけど、細美さんについてです。

安倍晋三元首相が襲撃されて、悲しみに暮れる国民が大勢いる一方で、クローズアップされたのは反安倍活動をしていた人々。
その悲劇を侮辱するような小沢一郎やラサール石井だとかの品性の欠如は置いておいて、
ネット上で話題になったのが、ライブで「安倍死ね」と歌っていたバンドマンたち。
中心にいたのは、その手の発言を繰り返していたASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文やBRAHMANのTOSHI-LOWで、同じステージ上には僕がずっと応援している細美武士の姿もあった。

被災地でボランティアに積極的に参加する姿は細美さんらしくて好きだなと思っていたけど、いつの間にか反政府運動のようなものに加わる姿を見かけるようになった。元のきっかけは原発事故でも、その脱原発運動が、反安倍反自民運動に変貌していったというか、
アジカン後藤なんかは一貫して左翼的な発言をTwitterでするのは目にしていて、そのゴッチと付き合いが長いのはもちろん知っていたけど、TOSHI-LOWと親友のような距離感に近づいたことが今の流れかと予想している。

the LOW-ATUSでは公式リリースされた曲に原発についての歌詞が入っていたり、そういった人達に影響されてか、MONOEYESのライブのMCでも、ステージに立つ細美さんの口から原発についての発言があったりした。
現実の面倒なことや辛いことは今だけは全部忘れて、ライブハウスに逃げ込んできたファン達と最高の空間を作り上げ続けてきた、細美武士が作った音楽をみんな楽しみに聴きに来ているのに、そういうのいいって…みたいな空気が広がり、実際その瞬間は会場が静まり返っていた。福岡ではそれ以来MCで原発について聞くことはなかったと記憶しているけど。

ある意味、原発事故というのは、平和すぎる日本にはほとんどなかった、ビリー・ジョー・アームストロングやザック・デ・ラ・ロッチャになれるチャンスで、
ブレイク済みで知名度はあるけど、でも若い時ほど音楽一本に情熱を注ぎ込んでいないような、中年ミュージシャンには絶好の機会だったのだと思う。
セックス・ピストルズやザ・クラッシュといった若い頃に憧れたパンクロッカーのようになった気分で、仲間内で反体制的な自分達にどんどん酔っていったのかな。
今回の銃撃事件よりずっと前から、見たい姿ではなかった。思想がどうであろうと、政権にどんな不満を持っていたとしても、大好きなミュージシャンが「安倍死ね」等と子供の悪口のような発言で、個人を中傷する光景が辛かった。ミュージシャン達も安倍さんのことも好きだったというのもある。
 

 
上記のツイートに「だから細美や細美ファンはダサい、選んだのは自分だろ」といった引用リツイートを貰ったけど、その通り。
2人に加わるような形だったとはいえ、強制されたわけでもない、細美さんが自分で選んだ道。断ろうと思えば断ることだって充分できたはず。
ただ、昔からのイメージなんだけど、細美さんってめちゃくちゃピュアな人間で“基本的に他人のことは信頼していないけど、自分が信頼していて自分を信頼してくれる身近な存在の言うことは深く信じるタイプ”だと思ってるから、擁護するというよりは、理解しているだけなんだけど、
結果的に、TOSHI-LOWではなく、ストレイテナーのホリエアツシと仲良くし続けていれば、個人を中傷するようなところまではいかなかったんじゃないかと考えている。エルレのメンバーと離れたことも影響しているのかな。

Hedgehog Diariesというラジオで昨日細美さんは「過去の対立や分断を深めるようなやり方は間違っていた」と発言していた。
素直に反省するところは、細美さんらしいと思ったし、ファンとして心から安堵した。
でもミュージシャン達は、反省することで切り替えられても、過去の発言でそうした思想に染まってしまい、取り残されたファンは間違いなく多い。
実際に、安倍さんが亡くなった現在も反安倍活動がやめられない人からのリプライを貰ったりもした。

そういった人達は苦しみ続けているんだと思う。大好きなミュージシャンに加勢をするように、自分が「死ね!」と攻撃していた人物が実際に殺されて死んだわけだから。
ざまあみろ!天罰だ!と振り切っているというか、既に心を失ってしまった人なら喜ぶだけだろうけど、
まだ良心が残っているのなら、まさにその良心の呵責に苛まれている最中なんだろう。
だから、「安倍晋三は大悪人で、殺されて当然の人間だった!」と安倍さんの死を正当化しなければ、より苦しくなるので、反安倍活動を続けている。
そういった人々自身の心の防衛策でもあるんだろうけど、もちろん見ていて愉快なものではない。素直に反省ができるか、もうその道を進み続けるかの二択なのかな。

正直ブラフマンは一切興味がないけど、アジカンだって小学生の時にCCCDの「サイレン」を購入したことがあるくらいには昔から聴き続けてきたバンド。
ミュージシャン達が今後どんな活動を行っていくかはわからない。でも、音楽を作ることに頑張ってほしいと思う。

いや、これ書くのすっごい疲れた。結果的に細美さん達の言動に影響を受け、人の死を馬鹿にしたり、まだ攻撃をやめないファンを目にしたからだろうな。同じファンだけに余計辛くなった。ニューアルバムやツアーを楽しみに待ちたいだけなのに。
結果的に膿を出し切ったような形になれば不幸中の幸いと呼べるのかもしれない。ただそれを願う。


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