英彦山

10月29日。
英彦山に登ってきました。以前独断で選んだ十霊山制覇への一座目です。
この手の記事は久しぶりだし、山登りをどのくらいの量で書くべきか悩ましいけど、とりあえず、ほとんどすべての荷造りは前日までに済ませていて、お昼だけは当日朝にコンビニで何か買うかーと考えていたのに、予想以上に朝バタバタしちゃって、最寄り駅までのコンビニには寄れず、以降もタイミングがなくて、まあ、そういうことです。
朝早くから普段とは違う気分で出発できて、移動中の車窓から見た朝日も美しかったから問題はなかったってことにはしときます。

アクセスは、吉塚駅から篠栗線→(福北ゆたか線)→筑豊本線→後藤寺線→日田彦山線と乗り継いで添田駅に到着すると、それより南、夜明駅までは豪雨災害により不通なので、代行バスでの移動。
本当はその区間も電車に乗りたかったんだけどね。自然には敵わない。
でもバスはバスで楽しかった。地元の人達の暮らしにより近い道路を通り、田舎の手作り感しかないカフェだとかなんか良かったしね。なんかね。

バスも途中で乗り換えがあって、一旦降りることになった彦山駅。

今はもう利用客0人の静けさに包まれたホーム。

英彦山登山口まで行ける次の代行バスが到着。乗客は十人ほどでほとんど登山客だったけど、観光客のおばちゃんもいた。隣は一人だけ若い山ガールだった。ショートヘアだったから最初性別がわからなかったけど。

銅の鳥居前で下車。この場所でトレッキングシューズに履き替えたり何だりして登りスタート。

西国一の修験道の霊山だった英彦山。参道脇にはいくつもの坊が今も残されている。

自分の性格的にこういう説明とか全部読んじゃいたいし、撮りたくなるんだけど、いや…これいつものやつだ…キリがないわ…と早速困惑。

平日だし、バスが着いてからゆっくり準備していたので参道はほぼ無人。故にこの素晴らしい光景。

(写真左の)お店から出てきたおじさんが登山ルートが描かれたマップを渡してくれて、いくつか説明もしてくれた。
事前に下調べはしていたけど、おもてなし感があって嬉しいよね。ちょっと早かったかな…?と心配していた紅葉も今がベストとのこと!
下りてきた帰りにこのお店で甘酒でも飲むのもいいなと思った。

写真はどれも無加工。ただただ神々しかった。こういうのが自分は好きなんだよなと改めて実感した。

英彦山神宮奉幣殿。ここまではスロープカーも用意されてある。観光の人は奉幣殿まで来て、お守り買って~御朱印貰って~帰るってなパターンが多そう。

歩くことはあっても登るのは本当に久しぶりだったから、ここまで登ってくるまでにもう、めっちゃ疲れるやん…!と驚くくらいには疲労を感じて、この調子じゃマズいとパーカーを脱いだりして気合いを入れた。

そして奉幣殿の横にあるこの鳥居をくぐって、英彦山山頂にある上宮への表参道コース開始。時刻は10時15分。

奉幣殿のすぐ上にある下宮。

英彦山にはこういった鎖場(岩場)が多数存在する。行場感満載で楽しくなった。想像以上に通常の段差が大きくてそれなりにキツくはあったけど。

秋。


ちょっとだけ羊っぽい岩。

標高が上がるにつれて色付いた紅葉率も比例するし、徐々に登ることにも慣れてきてリズムに乗れて、とても気持ち良いトレッキングに。

中津宮(中宮)。ちょうど五合目らしい。時間は40分ほど経過していた。


昔の伝承って、それ本当か…?と疑いたくなるような現実離れした逸話がほとんどだけど、この稚児落としの稚児が落ちて助かったって故事は100%本当だろうなと思えた。普通にありえる。


下乗。

行者堂というお堂を越えると急に視界が開けて、天空の階段と名付けられたRPGの終盤の特別なダンジョンでも進んでいるような気分だった。

この道は落ち葉が紅くて、紅の階段と呼べそうでもあった。

建物が見えてきた。いよいよ。

11時25分、上宮に到着。約1時間10分で表参道コース踏破。写真を撮らなかったり、健脚の人なら1時間を切りそう。
ご覧の通り、社殿は結構荒れていた。大丈夫なのかな。

ちょっと霞んではいるけど達成感・開放感のある山頂からの景色。

上宮から少し下りた場所には休憩所。

バイオトイレも設置されていた。利用はしてないのでどんな感じかはわからない。

ベンチに座って、(バッテリーと充電口が死んでるから)必死に携帯を充電しながら、しばらくのんびり過ごしていた。
しかし、せっかくのお昼時なのに、冒頭に書いたように何も食べる物を持っていなかったので、非常食用に持っていた氷砂糖を舐めるしかなかったという悲劇。隣にいた山お姉さんがバーナーで何かを温め始めたときにはめっちゃ羨ましかったよね。
まあ、電波は通じていたから、伊藤健太郎容疑者のひき逃げ逮捕の事件を知ったり、なぜかEar Podsの話をしたりしていた。

標高一二〇〇米と刻まれているけど、ここ中岳は1188mとのこと。誤差です誤差。

それでは北岳へ移動します。今の時期は紅葉を求めて南岳へ行く人が多いみたいだけど、望雲台ってとこと高住神社へ行きたいので。

どう下りたらいいの…と度々悩むほどには難しい下りだったかな。ストックを持ってくるか、登山口にあった杖を借りるべきだったと思った。


中岳と北岳を結ぶ尾根。登山道を歩いている人が上から見えるというのも乙です。


振り返れば上宮がある中岳、その左は南岳。

北岳山頂到着。標高は1192m。

祠の向こうは禁足地(磐境)となっている。


それでは下りていきます。

救世安民。

後ろから健脚の男性が来ているのもわかっていたので、前にいたおじさんを抜いた直後、焦って道を間違えそうになったけどセーフ。二人が寄らなかった望雲台へ。

写真では上手く伝わらなそうだけど、もう壁(もしくは急峻な坂)に鎖がぶら下がっているような状態。なんだここは…と驚いた。望雲台って名前からして、見晴らしの良いちょっとした展望台くらいに思ってたから。

登り終えた先が目的地ではなかった。仙人が住んでいそうな仙境のような雰囲気。

この道幅の狭さよ。足を滑らせたらお終いだから肝を冷やしながら進んだ。そして(食事を取っていないことも含めて)もはや修行だなと思いながら。

さらなる壁が出現。もうトレッキングじゃないよね。ロッククライミングだよね。無人だったからよかったけど、人がいたら絶対ストレス。

でもこの岩を登り終えた先の景色が素晴らしかった。まさに天空から紅葉狩り。崖の上だから、立っているだけで死の恐怖を感じるんだけど、絶景を独占しているという高揚感も相まってね。紅葉だけにとかはこういうとき書かない方がいい。


この望雲台は150mの垂直な岸壁の上にあって、山伏の修行場の一つだったらしい。
2012年には死者も出ている場所だからお勧めはできない。でも無事に戻って来られたなら満たせる感情はあるはず。自分は高所が苦手だから、膝が笑うくらいには心身ともに疲弊しちゃったけど()

下山完了で、高住神社(豊前坊)に到着。



すぐ近くに駐車場があるのでこちらも一般の観光客(参拝客)がちらほらいた。

この高住神社が最終目的地だったからここからどうしようと迷った。それなりの疲労は溜まっていたから、もう駅に戻ってもいいなと思いつつ、バスがここにも来ることは来るけど2時間後だし時間を過ごす場所もないし、1時間歩いて奉幣殿方面に戻るか…うーん…と。

まあ、補充が終わりたての自販機で飲み物を買って、歩いて戻ることにしたけど。

車道を歩いていくのは味気なくてつまんないなーと思っていたから、参道がこちら側にもあったり、九州自然歩道が一部続いていたことに助けられた。


英彦山青年の家。学生とかが団体で泊まりにくるあれです。

種田山頭火さんもいろんなとこを旅してるよね。

突然現れたまさかの光景。心から驚き、目を奪われた。

この場所はススキヶ原(鷹巣原高原のススキ)と呼ばれる場所。疲労を溜めていたのもあるし、鹿の鳴き声も聞こえていて、(動画に書いてある通り)天国みたいな光景だなとわりと本気で思った。来てみるもんだよね。



車道を通っていけば元の場所に戻れることはわかっていたんだけど、こういった歩道を進んでいるとどこに出るのかはわからないから、正直不安を抱えながら歩いていた。

でも建物がいくつか見えてきて、なんとかたどり着いたのは別所駐車場。

大きな駐車場だったので出店もあった。

焼餅を一つ購入して食べた。久しぶりの食事は美味でした。

最短距離では進めないときもあるけど、それが理由となって思いがけず出くわす景色や人、食べ物があったりする。歩き旅を通じて学んだことではあるけど、何気ない一日や人生にも当てはまることだったりもするね。やっぱり面白いね。

それから、ちょっと道を引き返して参道に戻り、行きでおじさんがおもてなしてくれたお店で、お土産を買って、あま酒を飲んだ。時間的に午後4時前だったからまだ営業してるか不安ではあったけどやっていてよかった。
普段あま酒はまったく飲まない。でも疲れた体と少し寒くなってきた気温もあって、とても美味しく感じた。

おじさんとしばらく話すことになって、本当に優しい人だと感じた。今度は違うマップをくれて、他の回り方や景色の良い場所を教えてくれたり、もう一杯あま酒をサービスしてくれたり。
あのススキは観光客に寄って帰りなとお勧めしてるらしい。
帰りのバスの時刻を教えると、今下りても待つだけだからもっとゆっくりしていきな!とか、「またおいで」という言葉もくれた。

お世話になりました。心温まる一時に感謝。

帰りのバスを待っているとき、同世代くらいの若いカップルが通ったので会釈をしたら、彼氏の方は電話をしていたけど、彼女の方がお疲れ様でしたと声を掛けてくれた。

自分以外の乗客は一人しか乗っていなかった。行きも一緒だったショートヘアの山ガールだった。

バスは行きとは違って乗り換えなしで添田駅に到着した。下りなかった彦山駅前のやまめ料理屋は惹かれるものがあった。バスの中から見る日田彦山線の壊れたままの棟梁や雑草が生えた線路は切なさしかなかった。



予約している宿がある田川伊田駅に到着。

月が大きくて綺麗な夜だった。

お目当てのホテルは駅舎の中にある「田川伊田駅舎ホテル」

夜行列車をイメージしました系の大好きなやつ。


窓の外はホーム。恥ずかしいからすぐにカーテンは閉めたけど、電車の音やホームでの会話が聞こえるのが良かった。そう遅くまで電車が出ていないことは安眠のためには長所かな。

疲れていたからこっちのベッドで寝ちゃったよね。失敗だったのはカーテンが無いベッドだから通路の明かりが防げなかったこと。途中で変えるのは申し訳なかったから…うん…そういうときもあるよね。

夕食は一階にあるうどん屋さんで田川新名物(?)なる「くたくた汁」を食べるつもりだったんですよ。豚汁にモツと煮玉子が入った料理らしくて、空腹を抱えながら、移動中からずっと楽しみにしていたんですよ。でもチェックインする前に店の前を通ったら午後6時頃なのに仕込み中だったから、ホテルの人に尋ねてみた。

「あの、うどん屋さんって何時から開いてるかわかります?」
「朝ですか?」
「いや…今です…」
「もう閉まってますね…」

というオチでした。
ホテルの隣には鉄板焼き屋さんもあって、貰ったばかりのGoToキャンペーン1000円券も使えますよと教えてはもらったものの、ちらっと検索してみたら予算5000円~10000円とか書いてて、完全にうどん屋さんに行く予定だったから…それはちょっと…と気が引けてしまった。
ってか今回に限ったことではなく、コロナ以降ネット上に載っている営業時間と実際の営業時間って(更新されていないとこは)100%に近いくらい違うから、本当に不便だなと感じる。困った世の中ですわ。

事前に調べていたから駅周辺にこれといった飲食店がないのは知っていた。商店街もこの有り様。人もイチャついている高校生カップルとかしかいなかった。

地元の居酒屋とかスナックとかは行かないからなあ。

歩いて行ける距離にミニストップがなければどうなっていたでしょうね。全国どこでも買えるパスタ等を食べましたとさ。でも嫌な気分ではなかった。月がデカいから良いさと思ってたよ。

駅舎と月。iPhone 7 plusちゃんではこれが限界です。許してください。来月で機種変する予定だから今回が引退試合かな。本当にいろんなとこに連れていって活躍はしたと思うから感謝してる。

テレビでホークスのロッテ戦の試合を観た。周東は今日も盗塁を決めたけど、試合は負けかな~と思っていたら、ワイルドピッチで2点サヨナラ勝ちというまさかの幕切れ。CSはどうなるかな。

そんな感じで、レジャーと思いきや修行のような一日になった本日終了。線路のすぐ横にあるベッドで眠りについた。

そして翌朝。サービスで付いていた2つのパンと飲み物。ちょっと焦がしちゃったよね。

おはよう高校生たち。

昨晩気になっていた駅の正面にある風治八幡宮へ寄ってみた。知らなかったけど、実は筑豊一ノ宮らしい。

災いを封じ込める封宮。

どれだけの人が何の建物か当てられるかな。神輿庫です。

立派な夫婦銀杏。写真に収まりきってない。

神社を出ると、駅を挟んで反対側にある田川市石炭・歴史博物館へ。

竪坑櫓。


筑豊といえば炭鉱。その炭鉱が盛んだった時代の労働者たちの暮らしがわかる物など多くの展示品があった。山本作兵衛の炭鉱画も多数。

人形がやたらとリアルで怖かったけど。

どれが撮影禁止なのかよくわからなかったのでアウトなものがあったらごめんなさい。

そして11時に合わせて駅へと戻り、待合室のディスプレイの広告でオープンの時間を確認して、うどん屋へリベンジへ行った。しかし、はい、また仕込み中!!!!

ってことで「鉄板焼き ジャムと球根」に行ってみた。ランチならお財布が泣くことはないだろうし、一人でも行けちゃう。(鉄板焼きのディナーってなんか一人じゃハードル高めじゃない…?)
こうしてホームが見える店内での食事というのもまた良い。JRも平成筑豊鉄道の車両も通っていた。

1000円チケットは貰った翌日が期限だったのでどう使うかというのは迷いどころだった。でも筑豊ホルモンの鉄板焼きというメニューが10円しか余さないほぼ完璧な値段設定で手助けをしてくれた。

いぇい。美味しかったけど、思いの外ボリュームがあって、気付いたら電車の時刻が迫っていて焦った。

当初は平成筑豊鉄道に乗る予定だったけど、変更して、そのまま日田彦山線に最後まで乗って小倉方面へと進んだ。

そして西小倉駅で鹿児島本線に乗り換えて、英彦山へのショートトリップは終了。

うん、なんだろう。どこまでがコロナの影響かはわからないけど、お店も閉まっているところが多くて物寂しさはあった。できるだけ多くの店や施設が復活してくれるのが理想なんだけどね。どうなるだろう。
英彦山を最初に選んだのは多分県内で一番近いからだし、深い理由は特にないんだけど、福岡県と大分県に跨る山という、福岡県民と大分県民のハーフである自分からすれば、ちょっと縁を感じる山だったというのは間違いない。田川というか筑豊にはほとんど縁がないんだけどね。
でも記事には書かなかった登山客や地元の人とのちょっとした会話だとか、久しぶりに自分が楽しめていることを感じながらの時間を過ごせたかな。行って良かったと思う。

さあ、次の霊山はどこになるでしょうね。もう登山シーズンは終わっちゃったし、順番もないわけだから、まったくわからない。
来たるべき時に、来たるべき地に行くんだろうけど。


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