映画「イエスタデイ」を観てきた。ネタバレせずに語るのは大変だけど、とても素敵な映画だったから書いてみる。
想像していたより何倍も良かった。時間が経つにつれて更に興奮が増して落ち着かないけど、書いてみようと思う。
まず、どんな映画かを簡単に説明すると…
主人公はまったく売れていないミュージシャンで、ある日自分以外の人たちがビートルズを知らなくなったもんだから、ビートルズの曲を使ってスターになっていくってな映画。
設定的には夢物語というか、うだつの上がらない男が突然スターになるなろう系映画とも言えるし、ビートルズの曲を使ったラブコメ要素もあったかな。
多くの人がスターになりたいだとか、有名人になってチヤホヤされたいだとか、そういったことを一度は憧れたことがあると思うけど、その憧れ・妄想を中心として、それに付随する現実も描かれている。
タイムマシーンに乗って未来の名曲をパクってきても売れそうだけど、既存の名曲を自分以外が忘れちゃったらそりゃまあ使いたくなるだろうね。ましてやあのビートルズの曲ならば。
主人公は真面目を越えて、いくじなしとも言えそうな気弱な性格。主人公の選択にもやもやする観客もいるだろうけど、元の人間性だけでなく、そういった経緯で急にスターになったなら、受け入れられるものもあれば、受け入れられないものも当然生まれるだろうし、劇中の心の葛藤はリアルなんだと思う。恋愛の部分はそれまでの関係的に仕方ない気がするけど。
うん、あまり映画の中のことを書くのはあれだな。ここらにしとこう。
自分がこの映画を観て最も感じた感情が、悲しさや切なさ。それは、主人公のスタート地点と同じで、自分もまたうだつの上がらない男だからだと思う。
どんなきっかけであれ、特別な存在になれたなら、きっといろんなものが手に入るだろう。でも現実はどんなきっかけもなくて、憧れは憧れのまま。そういった想像と現実とのギャップで悲しくなり、
でもそんな夢物語がもし自分に起こったならば、会いに行ける人、伝えられる想いなんかがあるだろうなと思えば切なくなる。
そういった点で共感できる男性は少なくないと思う。誰しも特別でありたいと願うけど、誰しも特別になれるわけじゃないからね。そこで自分を重ねる人と重ねない人では感想も違ってくるかな。僕はそこで心が揺さぶられたんだと思う。多分ね。
誰かを愛し、誰かに愛されるということも羨ましく思った。そういった愛がそばにある人とそうでない人でもまた違いは生まれるだろう。
この世界は本当に、All You Need Is Loveなのかもしれない。いや、きっとそうなんだ。多分。
主役はビートルズではないけど、彼らの曲はもちろん重要なウェイトを占めるので、改めてビートルズ(特にジョン&ポール)のメロディメーカーとしての偉大さを知る映画でもある。
場面ごとに、その場にふさわしい歌詞の曲が流れることが多いんだけど、そのどれもがやっぱり素晴らしい曲。
でも今作だけでもふんだんに使われているというのに、「イエスタデイ2」が作れるくらいまだまだ名曲が残っているってのがもう化け物よね。正真正銘、奇跡の存在。
小ネタが満載だから、ビートルズやオアシスなどのUKロックが好きな人・精通している人の方が当然楽しめる(笑える)けど、それらをよく知らない人でもきっと満足度は高い映画。
気になったら、スクリーンの中にいるあの人に会いに行ってあげてね。
はい、オススメです。これでいいのかな。まあ、いいや。
あー、切ない。
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