サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 34

5月15日。
5時50分に起きるとシンが昨晩言っていたのでアラームはその時刻に設定していた。しかしアラームを止めようとしたらガンッと頭をぶつけてしまったし、シンが起きたのはもう少し後だった。
準備を進める中で、バスルームの洗面台で日焼け止めを塗って戻ると、部屋ではえりこさんがヨガっぽいストレッチをしていた。
(大抵の犯人は東アジア人だが)バスルームから誰かが痰をカーッ!とやったり、ヴォェ!というえずきが聞こえてくるのも残り僅かかなと言うと、あれはシンの確率が高いと思う…と彼女が言っていたのは笑ってしまった。
韓国男子たちは到着の朝になってもまったく楽しくなさそうだった。でもシンが忘れていた帽子を持ってきてくれる子もいたし、決して悪い子たちではなかったと思う。ただちっとも楽しそうではなかったというだけ。

朝食は昨晩食べ切れなかった分をこっそりレストランから(自分が一時的に妊娠して)持って帰っていたパンがメインで、えりこさんが持っていた辛ラーメンも分けてもらったりした。

2人からちょっと遅れての7時20分前の出発。ムシアからにしておけばよかったという後悔を未だ引きずっている。申し訳なさも含んだ感情だ。

サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 33

5月14日。
5時前に誰かがトイレに行く音で目が覚めたが、朝食の7時までは時間があるので毛布にくるまってうとうとしながら過ごしていた。
隣のおっちゃんが静かに眠ってくれて助かった。キャパシティはあるアルベルゲだが、この日の宿泊客はせいぜい10人程度だったし、その他の人たちも騒がしくなく快適な夜だった。
足首辺りに間違いなく疲労が溜まっているのを感じるし、髪の毛を切りたい。
6時になったら準備を始めよう。いや、早いか。でも誰かのアラームが鳴り出しそうだ。

降水確率をチェックしてみた。あいこさんがサンティアゴに着く日は晴れがいいと言っていたけど大丈夫そうだな。

リーがまたインスタを更新していて、#800kmのタグを付けていることに、いや、バス使ったやんwwwwwとツッコみたくなった。

予想通り6時に誰かのアラームが鳴ったものの、10分を過ぎても誰も動く気配がないので、準備を始めた。
日本に帰っても、寒い朝に毛布にくるまる幸福は感じられないだろう。暑くなっていそうだから。
ちょうど1週間後の月曜日はもうマドリードに移動なんだな。バルセロナからシンガポールまでの便までもあと3週間。いや、よく考えれば明日サンティアゴに着くというのも変な感じだ。どんな気分なんだろう。
予約しているフィステーラのアルベルゲにはもう空ベッドがないみたいだし、もし3人で行く場合は別々になるのかな。それは寂しい。

多分朝食の準備をする人が来て、出入り口付近の電灯がつけられたので、一気に作業しやすくなった。
ドイツのおっちゃんも起きて、グッモーニン&グーテンモルゲン。今は何時かね?と聞かれて、6時半と教えた。彼もスペインのチョコを買っているのが見えた。お腹空いたな。
日本から持ってきたアミノ酸ドリンクの粉末や非常食系は軒並み底を突いた。丸まったティッシュがポケットの中に入っていて、それを洗濯していたようだが、ポケット内で事故は収拾していたので悲劇は起こらなかった。

フロント付近にある自販機にキットカットを買いに行ったら、朝食のおばちゃんと昨日高床式倉庫で一緒だった彼がいた。
彼から今日サンティアゴまで?と聞かれて、今日は歓喜の丘まで、(サンティアゴは)明日の朝だよと答えてから、あなたは?と聞き返した。
その彼は今日サンティアゴまでということだった。39kmと長い日だけど、今日誕生日の母がサンティアゴで待ってくれているから目指すと。素敵だ。昨日は僕の母親の誕生日だったよと自分は言った。母親を大切に想う気持ちに国境はないらしい。
彼ももちろん昨日会ったことは覚えていて、僕らは昨日会ったよねというようなことも言ってきた。
程なくすると彼が出発しそうな様子だったので、もう出るの?と聞いた。彼の名前はヴィクトル。ロシア出身だけど今はドイツに住んでるとのことで、ナイスだねと言うと、君はナイスウォークだよと返ってきた。彼は7時にポンチョ着て出発した。ブエンカミーノ!

朝食のおばちゃんは陽気な地元のスペイン人で、鼻歌を歌ったり、テレビを見ながらOle!とリズムにノッたりしていた。
彼女が舌を軽く打ってこちらに合図してきたので、なんだろう…?と思ったら、写真右上の甘い揚げ物(料理名がわからない…)をキッチンペーパーに包んでプレゼントしてくれた。朝食を取らない人と思われた可能性もあるけど、とても美味しかった。
正式な朝食ができあがるとまたそれが再登場することになるわけだけど、その時点では自分以外の客はまだ来ていなかったので、いっぱい食べなさい!とトーストも余分にサービスしてくれた。
スペイン語で話すからなんとなくしか伝わらなかったけど、ムイビエン!と言いながらサムズアップしたら気持ちは伝わったようだ。美味しかったよ。

テレビで集団の喧嘩(もしくは暴動)のニュースが流れると、おばちゃんは、サンティアゴ等はビエン!だけど、テレビに映っている地域はBoo!ってな感じでサムズダウンしていたので笑った。ガラが悪くて疎まれている地域ってあるよね。

自分が朝食を終える頃に女子たち、遅れてドイツ人おっちゃんが朝食のテーブルに着いていた。
朝食のお礼として、グラシアスとおばちゃんに伝えると、投げキッスがむちゅちゅちゅと飛んできた。

外は雨も降ってるっぽいし、寒そうだな…でもそろそろ行かなきゃと荷物をまとめていたら、ブラジルのおばちゃんが自分の背中をトントンと叩いてからチョコをくれた。驚いてそのままスペイン語でグラシアスと言っちゃったけど(彼女に言うべきはポルトガル語のオブリガード)、彼女はスペイン語も理解している人だから大丈夫かな。とても嬉しかった。

サンティアゴ巡礼 -フランス人の道- Day 32

5月13日。
6時のアラーム音で起きたが、あれからまた少し眠られてよかった。しかし寝る前から感じているのだが、寒い。広い部屋はデメリットだらけだ。
海外にいて距離があるからこそ、クサいくらいに感謝の気持ちを文にして、誕生日と母の日のメッセージを送った。微弱の電波ではあったが、wi-fi caminoみたいな名前のWi-Fiならベッドルームからも通じたので送れた。セブレイロの山の上でシンが手伝ってくれたシステムだ。シンにもありがとう。

外からは激しい雨の音が聞こえる。隣のカナダ人姉弟は韓国系だけあって朝が早かった。おっちゃんの方は後で耳栓を探しにまた来たけど。
五本指はほぼ乾いているけど、トレッキングソックスが乾いておらず、急遽穴が少し空いている予備を取り出した。緊急事態なので仕方ない。

ベッドの片側を完全に空けるくらいくっついて寝ていたポップの携帯がベッド下に落ちていて、6時25分にびっくりするくらいの音量でメロディが流れた。毎朝やられるとストレスが溜まりそうだ。
自分のストックを置いていたベッド下を見るとこちらにも誰かのスマホがあった。夜中何かが落ちる音がしていて自分のかと確認したが、多分アーロンのだろう。まだ彼は寝ているので見つけやすいようにベッドの上に置いておいた。

1階に下りて、キッチンの電子レンジでパスタを温めて、りんごを丸かじりした。ドーナツも食べたし、カフェでのスモデナランハタイムは今日は無しかな。ボトルに入ったオレンジジュースも普通に美味しかったし。

昨日より距離が長いか、短いかが朝のモチベーションの基準。今日は、長い。
えりシンも今日アルスーアまで来れたなら最高だけど、多分難しいよなと思っていたら、えりこさんからアルスーアまで41kmというメッセージが届いたので、それはやめとこ!と送った。

アミノ酸のドリンクを作り終える頃に、アーロンがカップヌードルを作りにキッチンに来たので、スマホをベッドの下で見つけたんだけど、あれアーロンの?と聞いたら、ああ、そうだよ、ありがとうとお礼を言われた。
まさしさんも来て、数セット余っていた昨晩のパスタを指して、これ誰も食べねえなと呟いた。食べていいなら食べればよかった。
小悪魔ちゃんは自分を見つけてキラキラの笑顔で挨拶してくれた。これは勘違いしますわ。すきっ歯だけど可愛い。彼女を含めて、昨日ディナーで一緒だった人たちはもう顔馴染みだ。 

レカも下りてきた。でもレカとの立ち話は他の人たちより長め。「もう出るの?」「出るよー」「外寒いよ絶対」「大嫌いなんだよね寒いの」「わたしも」まあ、お互いに寒いの苦手なのは知ってるんだけど。
今日は彼女はアルスーアの手前のリバディソという町までらしい。モデルプランもそうだし、予想はしていた。でも道中のバーかカフェで会えるわきっとと声を掛けてくれた。

昨日とは逆の形で、吹き抜けの上にいたアマンダから話しかけられた。「明後日(サンティアゴで)会えるかな?」 「わかんない」「そっか、でも良い旅を」
これが別れになったけど、本当に2人に出会えてよかったと思う。本人の人柄なのだろうが、特にアマンダは優しく接してくれたし、このアルベルゲでの時間で自分のカミーノに一味違うテイストが加わった。良い出会いだった。心から感謝している。
 
誰かと話すとやっぱり楽しいなという7時過ぎのスタート。

バケツの餌をぶちまけるお馬さん。

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